福田恆存と國語問題ⅡⅩⅣ

　敵は表音主義言語感に対する学説の代表になったつもりなのでしょう。
しかしそれを表に出さないで実はある政治的戦局にするために、占領行政体制あるいは戦後改革体制と言うべきか、そちらの側に付くということ、
あるいは一端この戦後体制に自らをかけてしまった以上今更後戻りできない、そういう自覚を強いられている人々なのでしょう。
この「できない」と言う意味は「いまさら転向は面目上できない」という面子の場合と、本当に力の上で不可能になっている二通りあります。
この戦後改革体制になお忠実を誓うのかどうかという選択の問題ですが、これは当に歴史観において顕著に現れてきます。
つまり60年にわたって支配する側にあった東京裁判史観を尚も信仰し続けるのか、
それとも歴史修正主義に賛同するのかしないのか、
例えて言えば大東亜戦争肯定論に与するのか否かといった形を採ります。
歴史家達は、おおよそ思想的立場を有する人々全てに選択と決断を迫る状況が出てきています。

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