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【国立天文台】 4月14日22:40分、""太陽観測科学プロジェクト ; 2019年2月の太陽活動""

2019-04-14 22:42:22 | 🚀🛰宇宙 ; 人類のロマンと挑戦、国立天文台、JAXA、NAS各国・宇宙開発…


① ""太陽観測科学プロジェクト ; 2019年2月の太陽活動""

(黒点相対数の変動 (13カ月移動平均))




黒点相対数の変動 (13カ月移動平均)。緑線・青線・赤線はそれぞれ1996年以降の太陽全体・北半球・南半球の黒点相対数、点線(黒)は過去の周期における黒点相対数を極小を1996年に揃えてプロットしたものです。黒点相対数が小さいときの変化を見やすくするため、グラフ縦軸の目盛りは小さい数を拡大して見せるような不等間隔になっています。

 前の太陽活動サイクルから今サイクルにかけての極小は、極小になった時の黒点相対数の値が特に小さくその時期も遅れました。極小の時期が遅くなったことにより、前回の太陽活動第23周期は平均よりも長く12年以上継続したサイクルになりました。

 現在の太陽活動サイクルは第24周期にあたり、太陽全面で見ると2008年末から始まって2014年に極大を迎え、その後は現在まで減少を続けています。一方で南北別に見ると活動の非対称性が目立ち、北半球が2011年後半に極大を迎えたのに対して南半球は遅れて上昇し2014年に極大を迎えました。その後、両半球とも次の極小に向かって黒点相対数が減少していますが、単純な減少ではなく一時的に停滞した期間があります。黒点相対数の減少の停滞期間は南北両半球のグラフ線で見られますが、北半球のそれは顕著で2013年の初め頃から2016年末まで継続しました。南半球では、2017年の初め頃から2018年の初め頃まで減少の停滞が見られます。

 現在も南北両半球で黒点相対数の減少が続いており、今サイクルと次のサイクルの境界となる極小期はまだ定まっていません。


② 2月は太陽の観測ができた19日間には全く黒点が見られず、黒点相対数の月平均値は0.00でした (白色光画像の2月のデータベースカレンダー)。2月以前に黒点相対数の月平均値がゼロになったのは、直近では2018年12月でそれより過去は前回の極小から間もない2009年8月でした。この事実と2017年11月以降の月平均値が10未満で推移していることから、現在の太陽活動が極小に近い状態であることがうかがえます。

 活動領域が1つも出現せずCクラス以上のフレアも発生しなかった月でしたが、2月14日から25日にかけて広がった磁場を持つプラージュ (Hα線で明るい領域) が太陽面にあり、20日と24日にこの領域でフィラメント噴出が起こりました。ここでは、2月20日のイベントを紹介します。

 図1 は2月20日に太陽フレア望遠鏡で撮影した太陽のHα線画像と磁場分布画像で、中央の北半球側にプラージュとフィラメントがあり、プラージュの場所に磁場のペアが見えています。磁場の並びは西 (右) 側から黒-白 (S極-N極) となっていて、現在の第24周期に属する領域であることがわかります。フィラメントは、20日の世界時4時14分 (日本標準時13時14分) に噴出しました。図2・ムービー は、黒い筋状のフィラメントが噴出して見えなくなっていく様子とその最中におけるプラージュの一時的な増光 (Hαフレア) を画像と動画で示したものです。

 噴出したフィラメントは、NASAの太陽観測用人工惑星 STEREO-A 搭載のコロナグラフでも地球向きのコロナ質量放出として観測されていますが、地球には到達しませんでした。


(図1. 2019年2月20日に太陽フレア望遠鏡で撮影した太陽全面の(左) Hα線画像と(右) 磁場分布画像。磁場分布画像では磁場のN極が白、S極が黒で描かれていて、中央の北半球側にある磁場の配列が西 (右) 側から黒-白 (S極-N極) となっているのがわかります。 Hα線画像では、磁場に対応する場所にプラージュとフィラメントが見えています。)




(図2・ムービー. 2019年2月20日に発生したフィラメント噴出 (Filament eruption) とHαフレア (H-alpha flare) の拡大画像。図中の黒い丸は地球の大きさを表します。ムービーには、フィラメントが噴出していく様子とその最中に一対のプラージュが明るく光る様子が映っています。)



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