被写体

ファインダーからの眼差し・・・


久しぶりにニコニコの夢を見ました。
なんと、中古車で売られているのを発見。
考えることもなく買っていました。

ボロボロでしたけど
それは紛れもなくニコニコ。

よっしゃ～！
どうやってレストアしようかって
ボンネットを擦りながら呟くコイツがいました。

懐かしいな～・・・

携帯の待ち受け（？）は今でもニコニコ。
何気に眠る前に画面を見つつ
あ～、坊守が運転席に座っているんだって
思いつつ見たからでしょうか・・・

悲しかったよな～、
これでお別れなのか～、
ってカメラのボタンを只管押していたあの日。

こんなんでニコニコに会えるのなら
また、携帯の画面見て休もうかって
朝一からブツブツコイツ。


写真っていいですよね。
その時を
その瞬間を
一枚にその時の空気を焼き付けてくれる。

時に楽しく、
時に優しく、
時に切なく、
時に悲しく、

被写体のこころを感じつつ
一瞬を焼き付ける。

パチリって・・・


息子の撮る写真が好きです。

愛しくて愛しくて堪らない被写体を
ファインダー越しに覗く息子が思い浮かぶと
こんなコイツも優しくなれるような気がして・・・

カッコいいよな～って
呟いてるんでしょう、きっと。


セピア色のフィルムに
苛立ちと
優しさと
怒りを
焼き付けた二人　　　　　　浜田省吾「ラストショー」

裏も見せ

調子、どう？・・・


相棒バリ、
遠距離であろうと
近距離であろうと
コイツと共に走ってくれる。

愛しき相棒です。

夕方、幼馴染で御門徒である男から電話がある、
「普通車がいるんだけど貸してもらえないか？」って。
ふざけんな！って言葉を飲み込みつつ
丁寧にお断り申し上げた。

愛しき相棒を何で貸したりするのか・・・

チット考えて電話しろよってことです。
こんな電話が掛かってくると気持ち離れるよな～、コイツ。


先日も遠距離を難なくクリアーしたバリ。
汚れたまんまにしていたので
夕方、洗車！

撫でるように
泡を沢山含んだスポンジを滑らします。

コイツの疲れも解かれるような気がするひと時。

降りてきた坊守が言うのです、
「バリは調子どう？」って。
「一生懸命だけどね！」ってコイツ。

至る所に不具合もあるような気もするのですが
優しく走ってくれる愛しき相棒です。


朝晩の冷え込みから
境内のイチョウがすっかり色づきました。

ハラハラと
ただ
ハラハラと散っています。

自分が生き抜いたことを
隠すこともなく

ハラハラと・・・

しんどさをひたかくす
そんなバリの愛しさが思われます。

その顔を思うと

ジッとしとられんのよ・・・


癌が見つかってね、
力なく仰るご門徒。

でも、年齢が年齢だから
進行も遅く心配ないよって。

メニエルモあるし、しんどい身体。

もう、テレビの番でずっと横になっているのよ
って、力なく微笑まれる。

お佛壇に向かうと美味しそうな牡丹モチがお供えしてある。
「オバチャン、美味しそうなお供えが仕上がってますね」
「お茶、入れようか！」
「ゴメン、急いで次に行かんといけんのよ・・・」

そんな答えが返ってくるのもお見通し。
「包んでいますから帰っていただいてね・・・」
「すみません、勝手ばかりで・・・」

「そうやってよろこぶあなたの顔が浮かぶとジッとしとられないの。
　材料買ってきて作りました・・・」
「すみませ～ん！！！」


勿論、最高に美味しい牡丹モチはうれしいのです。
でも、何よりも増してそう思い立つ心の有難さ。

コイツはしあわせ者ですね！


コイツはコイツのペースで
追い越されようが、
馬鹿にされようが、

願生ります！！！

今日しか出せない音

恥ずかしくないように…


この人に恥ずかしい思いにさせないように、
この人を悲しませないように、

歯を食いしばろう…

そんな日常も
ちょっとだけ横に置いて

安心して笑おう！
安心して泣こう！

行ったことのない

あ～、こんなところなんだ・・・


この狭き田舎でも行ったことのないところが
沢山あるようで。

へ～・・・
お～・・・

楽しくバリと共に走ってきました。


なんか懐かしくて・・・