金榮山徳正寺住職のトラ・バスの香り

阿弥陀さまとクルマとSTARDUST REVUEをこよなく愛する住職がつぶやく日常

声掛け

2015年09月07日 20時10分24秒 | 日々あれこれ
してあげたいの・・・


車を置くことが出来ないご門徒へのお参り。
言っておけば置けるところを手配して下さるのですが
何とかなるかって当日となる。

前日は流石に天気が気になります。
ん~、微妙だけど曇りでいけるか。
曇りだと原チャリ相棒ビーノがいますのでご門徒を騒がせなくて済みます。

お陰で曇り空、
よっしゃ、原チャリ出動!
ミ~ン、ミ~ンと走らせます。

勿論、原チャリのテーマソング「トラ・バス」口ずさみながら。

ウチの村を出て隣り村を走ります。
前方、ちょっとした上りの直線。
アクセルを回したいところですが真ん中地点の丁字路で工事中。
アスファルトも剥がれてちょっとした段差見えます。
思いっきり減速して乗り越えようとした時、

「Tさん!」

えって思うも聞き覚えのある声。
何と高校時代の数少ない友だちでした。
「お~、久しぶり!」
ちょっと早めに出ていたので安心してビーノから降り暫く話したことです。

「オッ、坊さんが来よる思うて見よったんよ。」

野球部主将の体育会系。
一線は退いたとはいえ未だに綱引きや腕相撲で頑張っているようです。

「みんなで飲みたいね~」ってうれしいことを言ってくれる。
コイツみたいなもんでもそう言ってくれる友だちがいました。
数年前には同窓会もあったのですが
一応、8月という口実で欠席したのです。
「あの時はお盆やったけん、来れんかったもんな~」とまで。

それ聞きながら、なんか申し訳なくて・・・

忘れていた高校時代の懐かしい空気を感じたことでした。

それでも声を掛けてくれるってうれしいものですね。
こんなコイツでも友だちと思ってくれるからこそなのでしょう。

反対だったらどうなんだろう・・・
コイツは声を掛けるのだろうか・・・

友だちと思っていない訳ではないのです、
それどころか、つまらん高校時代を支えてくれた数少ない友であることは間違いないのです。

情けないヤツです、コイツ。


「ご院さん、もう120%私が介護しています。」
「あ~、そんなに弱られましたか・・・」

手足を弱くされたご主人を介護される奥様。

「介護、しんどいでしょう・・・」
「はい、でも主人は昔から優しい人でした。
 今も変わらず私を案じてくれます。
 何をしても、ありがとう・・・
 そう言ってよろこんでくれるからチットも苦しくありません。
 何でもしてあげたいと思っています。
 これからも明るく2人で生き抜いていこうと思います。」

涙いっぱい浮かべながら
こんなコイツに語って下さる支え合っての日常。

凄いな~って人生の先輩の話しを聞かせていただいたことです。

こういうお方って先手で声を掛けられるんでしょうね、
「しんどくない?暑くない?お腹空かない?・・・」

その声に支えられ生き抜く力をいただいていくのでしょう。

始めから終わりまで
奥様の涙が流れる音がしていました。

まとまりのないコイツの法話も頷いて聞いて下さる。

お仏間にはあったか~い空気が流れます。
奥様もまたご主人に支えられていると感じているから・・・

優しいひと時、有難かったです。


そう・・・
御立ち向かいの阿弥陀さまもず~っと先手で呼び掛けて下さっていましたね。

「えらかったね」ってギュウって抱きしめながら・・・

コイツもそのおはたらきの真っ只中!

よっしゃ、願生ろう!
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする