東久留米 学習塾 塾長ブログ

東京都東久留米市滝山の個別指導型学習塾 塾長白井精一郎のブログ

2020年日本ジュニア数学オリンピック予選の問題(6)

2020-05-18 09:52:55 | 数学・算数の話
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

今回は、2020年日本ジュニア数学オリンピック予選の問題です。

問題は、
「一辺の長さが5の立方体の8つの隅から一辺の長さが1の立方体を取り除いた図形Qを考える。また一辺の長さが1の立方体4個からなる図のようなブロックLと一辺の長さが1の立方体がいくつかある。


Lと一辺の長さが1の立方体いくつかを貼りあわせてQを作るとき、用いるLの個数としてありうる最大の値を求めよ。」
です。

早速、取り掛かりましょう。

平面上のマス目を市松模様に塗り分けるように、Qを市松模様ぽく、つまり、一辺の長さが1の2つの立方体で面を共有するもの同士は異なる色になるように塗り分けます。

ここでは、Qを5層の立体と考え、下側から1、2、…、5層として、それぞれの層を図1のように白黒に塗り分けました。


▲図1.Qを塗り分けました

Qは一辺の長さが1の立方体(以下、立方体)
5×5×5-8=117(個)
からなり、ここでQを構成するLの個数をl個、Qを構成する一辺の長さが1の立方体(以下、S)の個数をs個とすると、
4l+s=117   (1)
が成り立ちます。

次に黒で塗った立方体の個数に注目します。

図1に示した塗り分けで、黒で塗られた立方体の個数は、
12+13+12+13+12=62(個)
で、このとき、LがQのいずれの位置におかれても必ず黒で塗った立方体を2個含み、一方、Sは高々1個の黒く塗られた立方体を含むので、
2l+s≧62    (2)
が成り立ちます。

すると、(1)と(2)から
2l+117-4≧62
2l≦55
l≦27.5
で、lは整数なので、
l≦27
です。

したがって、Lの個数は多くても27個ということが判りました。

それではここから、27個のLと9個(117-4×27=9)のSを貼りあわせてQを作ることができるかどうかを調べましょう。

そこで図2の左側の図のように、1と5層のそれぞれに、高さが1になるように4個のLを置き、右側の図のように、2、3、4層のそれぞれに、高さが1になるように6個のLを置きました。


▲図2.1、5層にLを4個、2,3,4層にLを6個置きました

すると、1から5層まで合わせて、4×2+6×3=26(個)のLを置くことができることが判りました。

あとは、もう一つLを置くことができるかということですが、それは可能で、例えば図3に示した1、2、3層目の赤色でマークした部分に1個のLを置くことができます。このとき、Lの高さは3になります。


▲図3.1、2、3層の赤色でマークした部分にLを1個置くことができます

したがって、図4のようにLを配置することにより、26+1=27(個)のLを置くことができることが判りました。ここで、黄色でマークした部分がSになります。

以上から、Qを作るとき、用いるLの個数としてありうる最大の値は 27 で、これが答えです。


簡単な問題です。

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