東久留米 学習塾 塾長ブログ

東京都東久留米市滝山の個別指導型学習塾 塾長白井精一郎のブログ

中学生でも手が届く東大入試問題(9)

2018-01-02 11:29:00 | 数学・算数の話
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

今回は、平成24年度年東大入試問題(前期、文理共通)を取り上げます。(正月なので双六風の問題にしました)

問題は、
「図のように、正三角形を9つの部屋に辺で区切り、部屋P、Qを定める。1つの球が部屋Pを出発し、1秒ごとに、そのままその部屋にとどまることなく、辺を共有する隣の部屋に等確率で移動する。球がn秒後に部屋Qにある確率を求めよ。」


▲問題図

です。

下図のように部屋Rを置き、n秒後に部屋P、Q、Rに球がある確率を

として連立漸化式をつくれば簡単そうです。


▲図.部屋Rを置きました

まず、nが奇数のとき、球は部屋P、Q、R以外の部屋にあるので、

です。

次に、nが偶数のとき、

で、部屋QとRは部屋Pから見て対称な位置にあるので、

が成り立ちます。

ここから、球が部屋P、Q、Rにあって、2秒後に部屋Qにある確率を計算しましょう。

[1]部屋Pから部屋Qに移動する確率
・1秒後に部屋Pの右下の部屋に移動し(確率1/3)、2秒後に部屋Qに移動する(確率1/2)
ですから、
(部屋Pから部屋Qに移動する確率)=1/3×1/2=1/6
です。

[2]部屋Qから部屋Qに移動する確率
・1秒後に部屋Qの上の部屋に移動し(確率1/3)、2秒後に部屋Qに移動する(確率1/2)
・1秒後に部屋Qの右下の部屋に移動し(確率1/3)、2秒後に部屋Qに移動する(確率1)
・1秒後に部屋Qの左下の部屋に移動し(確率1/3)、2秒後に部屋Qに移動する(確率1/2)
の和ですから、
(部屋Qから部屋Qに移動する確率)=1/3×1/2+1/3+1/3×1/2=2/3
です。

[3]部屋Rから部屋Qに移動する確率
・1秒後に部屋Rの右の部屋に移動し(確率1/3)、2秒後に部屋Qに移動する(確率1/2)
ですから、
(部屋Rから部屋Qに移動する確率)=1/3×1/2=1/6
です。

これらから、

が成り立ちます。

続いて、(1)(2)(3)から

を消去しましょう。

(1)から

で、これと(2)から

で、さらに(3)に(2)、(4)を代入して整理すると、

になります。

(5)の特性方程式

から

なので、(5)は、

と変形でき、これから、

です。

ここで、

なので、

です。

以上から、

で、これが答えです。


簡単な問題です。

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