東久留米 学習塾 塾長ブログ

東京都東久留米市滝山の個別指導型学習塾 塾長白井精一郎のブログ

中学生でも手が届く京大入試問題(42)

2018-11-05 11:40:33 | 数学・算数の話
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

今回は、平成11年度京大入試問題(前期、理系)です。

問題は、
「以下の問いに答えよ。ただし、

が無理数であることは使ってよい。

(1) 有理数p、q、r について、

ならば、p=q=r=0であることを示せ。

(2) 実数係数の2次式

について、

のいずれかは無理数であることを示せ。」
です。

早速、取り掛かりましょう。


から

で、この両辺を2乗すると、

になり、これを変形すると、

です。

このとき[2]の右辺は有理数ですから、左辺が有理数になるためには、
qr=0
になります。

(ⅰ) q=0の場合
[1]は、

になり、[3]の右辺は有理数なので、左辺が有理数になるためには、
r=0
で、したがって、
p=q=r=0
になります。

(ⅱ) r=0の場合
[1]は、

になり、[4]の右辺は有理数なので、左辺が有理数になるためには、
q=0
で、したがって、
p=q=r=0
になります。

以上から、有理数p、q、rについて、[1]が成り立つならば、p=q=r=0 であることを示すことができました。

続いて(2)です。


です。

ここで、[5]が有理数であるならば、
a+b は有理数            [★]
になります。

すると[6]から

は有理数で、
a=-2               [8]
になります。

このとき[7]は、

で、これが有理数ならば、bは無理数になります。

すると、[8]から a+b は無理数になり、これは[★]に反します。

以上から[5]、[6]、[7]が同時に有理数になることなく、したがって、

のいずれかは無理数になります。


(2)は(1)の結果を利用するほうが明快かもしれません。

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