こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。
今回は、令和2年度東大大学院新領域創成科学研究科環境学研究系海洋技術環境学専攻の入試問題です。
問題は、
「pが素数のとき、(p-1)!+1 はpで割り切れる。これを利用して以下を求めよ。
ただし正の整数mについて m!≡m×(m-1)×(m-2)×・・・×2×1 である。
1) 9!を11で割ったときの余り
2) 58!を61で割ったときの余り 」
です。
11は素数なので、 (11-1)!+1 =10!+1 は11で割り切れます。
このとき、1を11で割ったときの余りは1なので、10!を11で割ったときの余りは10になります。
ここで、
9!=11q1+r1 (r1は 0≦r1≦10の整数)
とすると、
10!=10×9!
=10(11q1+r1)
=11×10q1+10r1
で、これから 10r1 を11で割ったときの余りは10になるので、
10r1=11q2+10 → 10(r1-1)=11q2
が成り立ちます。
すると、
r1-1=11k (kは整数) → r1=11k+1
で、このとき、0≦r1≦10から
0≦r1=11k+1≦10
になり、これを満たすのは k=0のときで、したがって、r1=1です。
以上から、9!を11で割ったときの余りは 1 で、これが1)の答えです。
続いて2)です。
1)と同じように進めれば大丈夫です。
61は素数なので、 (61-1)!+1 =60!+1 は61で割り切れます。
このとき、1を61で割ったときの余りは1なので、60!を61で割ったときの余りは60になります。
ここで、
58!=61q3+r3 (r3は 0≦r3≦60の整数)
とすると、
60!=60×59×58!
=3540(61q3+r3)
=(61×58+2)(61q3+r3)
=61(58×61q3+58r3+2q3)+2r3
で、これから 2r3 を61で割ったときの余りは60になるので、
2r3=61q4+60 → 2(r3-30)=61q4
が成り立ちます。
すると、
r3-30=61l (lは整数) → r3=61l+30
で、このとき、0≦r3≦60から
0≦r3=61l+30≦60
になり、これを満たすのは l=0のときで、したがって、r3=30です。
以上から、58!を61で割ったときの余りは 30 で、これが答えです。
簡単な問題です。
今回は、令和2年度東大大学院新領域創成科学研究科環境学研究系海洋技術環境学専攻の入試問題です。
問題は、
「pが素数のとき、(p-1)!+1 はpで割り切れる。これを利用して以下を求めよ。
ただし正の整数mについて m!≡m×(m-1)×(m-2)×・・・×2×1 である。
1) 9!を11で割ったときの余り
2) 58!を61で割ったときの余り 」
です。
11は素数なので、 (11-1)!+1 =10!+1 は11で割り切れます。
このとき、1を11で割ったときの余りは1なので、10!を11で割ったときの余りは10になります。
ここで、
9!=11q1+r1 (r1は 0≦r1≦10の整数)
とすると、
10!=10×9!
=10(11q1+r1)
=11×10q1+10r1
で、これから 10r1 を11で割ったときの余りは10になるので、
10r1=11q2+10 → 10(r1-1)=11q2
が成り立ちます。
すると、
r1-1=11k (kは整数) → r1=11k+1
で、このとき、0≦r1≦10から
0≦r1=11k+1≦10
になり、これを満たすのは k=0のときで、したがって、r1=1です。
以上から、9!を11で割ったときの余りは 1 で、これが1)の答えです。
続いて2)です。
1)と同じように進めれば大丈夫です。
61は素数なので、 (61-1)!+1 =60!+1 は61で割り切れます。
このとき、1を61で割ったときの余りは1なので、60!を61で割ったときの余りは60になります。
ここで、
58!=61q3+r3 (r3は 0≦r3≦60の整数)
とすると、
60!=60×59×58!
=3540(61q3+r3)
=(61×58+2)(61q3+r3)
=61(58×61q3+58r3+2q3)+2r3
で、これから 2r3 を61で割ったときの余りは60になるので、
2r3=61q4+60 → 2(r3-30)=61q4
が成り立ちます。
すると、
r3-30=61l (lは整数) → r3=61l+30
で、このとき、0≦r3≦60から
0≦r3=61l+30≦60
になり、これを満たすのは l=0のときで、したがって、r3=30です。
以上から、58!を61で割ったときの余りは 30 で、これが答えです。
簡単な問題です。