グローバル・ナビ by 杉山哲夫

海外資産運用コンサルタントのつぶやき

米金利政策 12月引き上げか? 市場は非常に神経質な展開に

2016年10月09日 | 金融市場

9月の雇用統計は予測を下回るが非農業雇用者数は15.5万人の増加、しかし賃金は2.6%は上昇しており改善継続との評価になりました。ここで注目すべきなののは11日に行われる公定歩合についての討議です、なぜならば過去FRBはFF金利の変更の前後に公定歩合を動かすからです、12連銀のうち既に8連銀は引き上げを要請しています、しかしここでカギを握るのがNY連銀です、NY連銀の総裁はFOMCの副議長であり影響力は非常に強力です、しかし州経済は非常に雇用数値を考慮すると非常に判断が難しい環境です、イエレン議長は現在の雇用環境を(完全に近い状態)と述べています、失業率は5月には9年ぶりに4.2%に下降しましたが7月には5.0%に悪化しています、消費者物価指数は昨年の秋から2%に乗せていますがリーマンショツク前の3%と比較すれば高水準とはいえないのです。NYの第3四半期の賃貸住宅の家賃は6年ぶりに1%下降しています、11日の会合の内容は12月以降までは公開されないと観測されています、言い換えればNY連銀の動向が政策金利引き上げのカギを握るといえるのです、市場はすでに織り込み始めてはいます、金相場のオンス当たりの価格が1250ドル近くまで下降しているのが所見されています、大統領選挙間の前の引き上げはまずありえません、債券市場の動向に注目しなければなりません: また経済環境では原油市場に変化がが所見されます、今まで非協力なスタンスで原油の生産調整に反対していたサウジが同調しWTIは49.81ドル、ブレンドは51.93と価格は堅調に推移しています、問題はシエールガスの採算の水準が原油価格50ドルに来れば収益が予測されるため、すでに廃坑気味のリグが再活動に入り増加傾向にあることです、大手はまだ顕著な動向を示していませんが、原油価格のさらなる上昇を抑える要因にもなるので楽感はできません、商品市場で目立つのは穀物市場の軒並みの価格下落です、背景にはトウモロコシと大豆の記録的な豊作の観測です: もし金利政策に上昇の傾向が出れば債券市場は売り込まれ、常識的には株式市場もベアー観測となり貴金属の価格も下降し始めます: その他の金融市場に影響を与えるのは無論大統領選挙の行方です、現地の生の観測が出来ない日本ではマスコミの情報以外にはありませんので予測は控えます、2回目の討論会における共和党候補の言動が決め手になりそうです、大統領候補者は共和、民主からの2名と報道されていますがもう1名いることはあまり知られていません、3回目の16日には大勢が決まるかもしれません、もしトラムプ氏優勢となれば金融市場は大きく反応するでしょう、無論ネガテブにです、皮肉なことに一時は歴史的に低い支持率であつたオバマ大統領の支持率が60%近くまで上昇、すなわち今の候補2名よりはましとの有権者の反応なのです、


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