腕時計修理専門店・トゥールビヨン店主のブログです
腕時計の修理の詳細や腕時計のトリビア、店主の個人的な趣味の話などを気の向くままに書いております。
 



高級時計の修理を承っている弊社としてとても気になる事件が起こりました。

「トケマッチ」

高級腕時計を持ち主から預かって使いたい人にレンタルし、預けた人も腕時計のランクに応じた月額の預託料を受け取ることができるというサービスを運営してましたが、ことし1月31日、ホームページで突然会社の解散とサービスの終了を発表し、利用者から「預けていた腕時計が戻ってこない」と被害の訴えが相次いでいました。

全国13都府県の警察が、時計を預けた40人以上から被害届を受理して運営会社社長の逮捕状を取り、業務上横領容疑で指名手配したそうです。

先月末の時点で約190人の被害を確認していて、少なくとも866本、約18億2000万円相当の腕時計が返却されていないらしい。

驚きの金額。

が、容疑者は1月31日にドバイに向けて出国していたことが判明。

しかも出国直前に多くの時計が一斉売却されていたことも分かっている。

完全に計画的ですやん!

警視庁はICPOを通じて国際指名手配する方針だとか。

銭形警部がどこまでもしつこく追いますので、すぐ捕まると思います。


しかし、高級時計をレンタルって、その運営会社が所有している時計を客にレンタルするんなら
何となく分かるが、他人から預かった時計を会社がスルーして第3者に貸すってどうなん?

しかも希少性の高いプレミア価格の付いている高級時計ですよ。

高級時計を借りるのも気使うが、貸す方も心配じゃなかったんだろうかしら?

よほど信頼して貸したんだろう...


この事件のポイントは「預託金」というシステム。

時計の所有者に毎月「預託金」が支払われていたようで。

所有者「時計何本も持っていて普段殆ど使わないから預けておけば毎月そこそこのお金が貰えるからいいや」

ということだな。

それで1000本近い高級時計を集めることができたってことか。

それにしても幾ら預託金が貰えるといってもかなりリスクが高いような気がします。

傷がついたらどうしよう、壊されたらどうなる...

まさか返ってこないとは思わなかった...んだろうなぁ。


殆どの高級時計には固有番号が刻印されていますので、古物商、ブランド買取店等に転売されたのであれば必ず足が付きますので所有者に返ってくる可能性は高いと思いますが、個人に転売してたり海外に持って出られたらアウトかもしれないなぁ。

何とか無傷で所有者に戻ることを切に願います。


では、修理品のご紹介。
こちら↓

ROLEX エクスプローラー Ref.14270 自動巻き

大阪市平野区在住のI様所有。
分解掃除、ゼンマイ交換、テンプ調整、パッキン交換、防水検査を行いました。

黒の文字盤に3・6・9のインデックスでお馴染みのご存じエクスプローラー。
固有番号がA品番なので1999年~2000年に製造されたモデル。
エクスプローラーⅡという24時間針が付いたモデルは「エクスプローラーツー」と呼びますが、このモデルは「エクスプローラーワン」とは言いません。
「エクスプローラーワン」と言うと「はは~ん、ロレックスにそんなに詳しくない人ね」と思われますのでご注意を。
I様大事にお使いくださいませ。


根本的にここ数年、直営店や正規代理店で定価で買うことができず、転売ヤーが横行して価格が3倍にも4倍にも跳ね上がってしまうというのがそもそも間違っているんだと思う腕時計修理専門店トゥールビヨン店主
うちの常連のお客様が「店に買いに行っても全然売ってくれないんだよ」と嘆いてました。

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )