4月15日午前、岸田文雄首相が和歌山市の雑賀崎漁港で、衆議院和歌山1区の補欠選挙の応援演説を始める直前に、筒状の爆発物が投げ込まれた。
投げ込んだのは兵庫県の木村隆二容疑者(24)で、逮捕された後、覚悟の面持ちで弁護士が来るまで話さないと述べ一切口を閉ざしている。
彼が、持参した筒状の爆発物は、当初はそれほど殺傷力のあるものだと思われていなかったが、警察の調査が進むにつれてそうではなくかなり危険なものだったことが分かってきた。
木村容疑者は、鉄製で筒状の物を2本持っていて、その内の1本は岸田文雄首相めがけて投げ、着弾後ボーンという音と共に白煙が立ち上った。
この程度で幸い死傷者が誰も居なかったが、実は爆発した後40Mほど空中を飛んで近辺の建物にぶつかり数か所傷がついていたことが分かった。筒の中にボルトやナットなどの金属部品が入っていたようだ。
若し、これが人に当たった場合は相当な被害に及んだことが想定される。警察官が何人か軽傷を負ったようだが、岸田首相はもとより、他の人に被害が及ばなかったことは幸いだった。
ただ、このような殺傷力の高い爆発物を用いたことは、罪状としてはかなり重くなる可能性がある。また、木村容疑者は刃物も持っていたとのことだ。
このような事件が起こるごとに、要人の警護が厳しくなり、選挙活動も一定の制約の中で進めなければならなくなる。その点からも、選挙妨害は民主主義に対する挑戦と言わなければならない。
今回の事件の容疑者がどのような動機で犯行に及んだのか現状では分からないが、昨年の安倍晋三元首相に対する銃撃事件とは動機が異なるような感じがする。
しかし、このような事件は連鎖的に起こる可能性が高いので、また、同様な事件が起こりかねない。
今回の事件は、現役の首脳を狙ったもので、世界にも広く報道されたようだ。現在、外相、環境相会議が行われているが、5月19日から21日までいよいよ広島でG7首脳会議が開催される。
世界では治安の良い国として知られている日本が、G7前に首相が狙われるという前代未聞の事件が起こった。G7会議とは別にシークレットについても世界から試される事態になっている。「関連:4月16日」