正さん日記

世の中思いにつれて

とんちんかんに聞こえた、外国人記者に対する安倍首相の応答

2015-10-05 16:06:26 | 政治

 安倍晋三首相が国連演説をした後の記者会見における発言にはいささか面食らった。

 外国人記者が、シリア難民受け入れについて日本の対応を質問したのに対し、「日本は、875億円の支援をしたい。移民受け入れについては、その前に女性の活躍問題、年金問題などやるべきことがある」と述べ、暗に難民受け入れについては考えていないとも受け取れる発言をした。

 難民を移民と置き換えたのは、答弁する用意がなかったのでわざとめくらまし的な応答をしたのか、それとも難民を本当に移民と同等視したのか真実は分からないが、外国ではどのように報道されたのだろうか。

 シリア難民については、一部が欧州に押しかけ、EUでは参加各国に受け入れ人数を割り当てているが、ドイツをはじめ旧西欧諸国はこれに応じているものの、旧東欧諸国はハンガリーを中心に受け入れを拒んでいる。

 地理的にも日本にくるシリア難民は余りいないようだが、それでも60人程度が難民申請をしているのに対し、認めたのが僅かに3人に止まっている。

 欧州諸国は、大陸が繋がっている中東からなどからの、いわゆる移民は日常的に往来しているため、難民についても、それほど違和感なく受け入れることは難しくはないと思うが、日本の場合は、中東とは距離的にも遠く、何よりも島国で、100年ちょっと前までは鎖国をしていたこともあり、どうしても移民の受け入れについては、国民ももろ手を上げて賛成しかねる点がある。

 しかし、難民は未来永劫に定住するより、祖国が安定すればいずれ帰国する人の方が多いと思う。そういった観点から、日本も人道的立場や国際社会へ貢献する意味からもう少し難民受け入れを緩和することが必要な感じがする。

 安倍首相が唱える積極的平和主義の意味は難解だが、少なくても純粋な意味の積極的な平和を希求するためにも、ここでひと肌脱げば国際社会から一定の評価がされると思う。

 冒頭の外国人記者に対する安倍首相の返答は、その記者の求めた内容にほど遠いとんちんかんな返事だった。

 しかし、安倍首相が国会で時折みせた不誠実な答弁と同様な意図で、外国人記者を煙に巻くために使ったとしたら日本の信用を傷つけたことになる。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする