正さん日記

世の中思いにつれて

緊縮反対派が勝利、ギリシャの国民投票、戸惑うEU各国

2015-07-08 16:40:42 | 世界

 7月5日にギリシャでEUが示した経済緊縮案を受け入れるか否かの国民投票が行われ、反対約61%,賛成約39%と、双方が拮抗するだろうとの予想に反して、反対派が圧勝した。

 国民投票は、EUから年金水準引き下げや支給年の延伸、付加価値税の引き上げなど緊縮財政の受け入れを迫られたチプラス首相が、イチカパチカの大勝負に打って出たもので、結果は反対票を投じるよう訴えたチプラス首相が一先ず勝利した形となったが、この先はEUの金融支援がなければ、ギリシャの財政は破綻し、国民の生活はますます厳しくなることが予想される。

 既に6月30日には、IFM(国際通貨基金)に15億ユーロ(約2,100億)の返済ができずIMFは、今回は延滞扱いとしたが、今後、逐一借金の返済期限が到来し、返済不能状態が続けば、早晩。デフォルト(債務不履行)の事態を迎えギリシャに対し破綻国家の烙印が押される。

 ギリシャの国民投票の結果を受けて、7月7日、ユーロ圏各国はベルギー・ブリュッセルで緊急の首脳会議を開いた。一方、ギリシャのチプラス首相は、新たな金融支援を要請し、債務の削減を求めた新たな支援を要請したが、EU側は9日までに財政再建の具体案を出すよう求め、ギリシャへの支援再開について12日までに結論を出すことを決めた。

 ギリシャは20日に巨額の国債の償還期限を控える。次の首脳会議までに合意できなければ、手続きが間に合わない恐れもあり、ギリシャが今後、EU側が納得できる提案を行えるかが焦点になる。

 ギリシャの金融機関にはユーロの備蓄に底が見えているとのことだ。もし共通通貨ユーロがなくなった場合、にわかに旧通貨ドラクマに回帰する分けにもいかないだろう。

 もし、そうなると、ギリシャはユーロから脱退を余儀なくされ国家そのものが路頭に迷うことになる。また、ユーロの信頼も大きく損なわれ国際経済への打撃は計り知れない。

 その前にEUが何らかの形で妥協し、抑制的な金融支援に踏み切るか。チプラス首相や反対票を投じたギリシャ国民はそれを狙っているのかも知れない。「関連:6月29日

 

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