Sightsong

自縄自縛日記

ジョー・モフェット『More of It and Closer』

2018-10-31 07:05:33 | アヴァンギャルド・ジャズ

ジョー・モフェット『More of It and Closer』(Tubapede Records、-2018年)を聴く。(本日2018/10/31発売ということだから、程なくしてbandcampでも見つけられるはずである。)

Joe Moffett (tp)

ヴォイスアーティストの山崎阿弥さんがご紹介くださった作品であり、だからこそなのか、かなり変わっている。

それは旋律よりも音色に対する常ならぬ追求姿勢であり、『Ad Faunum』(Not Two、2010年)でも違和感として残っていたものだった。同盤はソロではなくカルテット(しかもベースふたり)であり、違和感とは、アンサンブルや各人の即興の絡みよりも、モフェットの音がもたらすものなのだと、あらためて気付かされる。実はここに萌芽があった。

その面白さは、「Earth Tongue」グループ名での『Ohio』(Neither/Nor Records、2015年)において、もっと前面に出た形となっている。ここではチューバのダン・ペック、パーカッションのカルロ・コスタと組んでいて、かれらも同じように音色への追及と執着をみせる。その結果、各人の音色の提示がサウンド全体の響きを作り上げており、また混ざりあってもいるのだが決して融合することはなく、たとえばモフェットの生々しさも、楽器の存在を意識せざるを得ないペックの共鳴も、耳の触手を伸ばすことによってアクセスできるものとなっている。

トランペットの完全ソロということでいえば、25分ほどのパフォーマンスの記録『Majick』(2017年)と比較できる。これを音色の試行作品として1枚の絵画になぞらえるとすれば、今回の『More of It and Closer』は6枚の絵画の展覧会のようなものだ。ロングトーンで連続的に、つまり旋律ではなくポルタメントで、うねうねとした流れと、どこかその先にあるもののイメージを強く喚起させられる。音の発生源を楽器から身体側に引き寄せる曲面もある。それは共鳴そのものよりも、息遣いであったり、唇の震えであったりして、それらが楽器で増幅させられているのは確かなのだが、しかしサウンドの注視は生々しい身体となっている。そういったひとつながりの音が、何度も何度も飽くことなく提示され、直前の過去との違いを際立たせる。差異と反復、固執、試行、結果の当てはめを期待しない提示、まるで生きることそのものだ、そして6度の人生。

最近来日したピーター・エヴァンスのトランペット・ソロは、身体機能と楽器演奏の拡張をみごとに体現し驚かせてくれたわけだが、モフェットの追求する方向はエヴァンスとはまったく異なっている。どちらかといえば、徳永将豪さんのサックスソロを想起させられる。仮に来日することがあれば、モフェット・徳永デュオを観てみたい。

Joe Moffett『Ad faunum』

Joe Moffett (tp)
Noah Kaplan (ts)
Giacomo Merega (b)
Jacob William (b)
Luther Gray (ds)

Earth Tongue『Ohio』

Joe Moffett (tp, cassette player)
Dan Peck (tuba, cassette player)
Carlo Costa (perc)

Joe Moffett『Majick』

 

Joe Moffett (tp, amp, objects)


喜多直毅クアルテット「文豪」@公園通りクラシックス

2018-10-28 22:14:05 | アヴァンギャルド・ジャズ

今回の喜多直毅クアルテット2デイズのタイトルは「文豪」。2日目に足を運んだ(2018/10/28)。

Naoki Kita 喜多直毅 (vln)
Satoshi Kitamura 北村聡 (bandoneon)
Shintaro Mieda 三枝伸太郎 (p)
Kazuhiro Tanabe 田辺和弘 (b)

1. 月と星のシンフォニー
2. 孤独
3. 死人〜酒乱
4. 文豪
5. 疾走歌
6. 厳父

曲間に緊張を解かず、通しの演奏を1時間続けるという独特のスタイル。コンサートのたびに言葉で縛りをかけるのもそれと無縁ではないだろう。

「月と星のシンフォニー」(『Winter in a Vision 2』所収)では、ふと訪れた静寂と、そこでの震えるヴァイオリンの声に、いきなりこのドラマに惹きこまれる。そこからの悦びの盛り上がり。と思うと、喜多さんは弦を激しくはじいて安寧を許さない。「孤独」はバンドネオンが主導してはじまり、全員で感情のレベルを持ち上げてゆく。タンゴのタテの強いノリと、そこから脱出せんとする意図との相克といった印象を持つ。それと関係してか、各人の音が複数の層を成して、それらが合致するときの濁りとハーモニーという矛盾が共存しているように聴こえた。そのような矛盾を抱え込むことが、このクアルテットの魅力に違いないとも思えた。

「死人」から「酒乱」へ(『Winter in a Vision / 幻の冬』所収)。静かなバンドネオンからはじまり、ノイズも使いながら騒乱的となってゆく。喜多さんは弦にクリップを挟み、短い音を出す。コントラバスもノイズを発し、三枝さんは内部奏法を行う。ときに激しい展開があって、ときに静かな間があり、そのたびに楽器の肉声が届いてくる。「文豪」が今回の新曲だろうか、音風景がめまぐるしく変わってゆき、ヴァイオリンとバンドネオンとが前面に出ては退いてゆくようだ。四者による厚みに驚く。野太いドラマというのか。

そして「疾走歌」(『Winter in a Vision / 幻の冬』所収)。文字通り疾走するように小刻みにはじまるのだが、それは精神的な焦燥感でもあるようで、聴いていると、演奏者がこの音楽を全員で創出し、一方ではそれに呑みこまれることへの抵抗もあり、それがスリリングなものに感じられた。ピアノが撒く火花も素晴らしい。コントラバスは終始音楽に酸素を注入している。(このあたりで田辺さんが勢い余って譜面台を倒したのだが、サウンドに強さがあって何の影響も受けなかった。)

「厳父」は前回コンサートのテーマだった。三枝さんのピアノが力強く下から持ち上げ、上でさまざまな感情と結びついた旋律が何本も踊る。やがて安寧の時間があるのだが、再び、四者が激しいドラマを創出する。聴く方も切れそうな迫力がある。最後は和解のようなイメージを持ったのだが、果たして何がこの曲に込められたのだろう。

演奏後の床には、楽譜の数々が散乱している。過ぎ去っていく時間や棄てられていく感情の痕跡にもみえた。

Fuji X-E2、XF35mmF1.4、XF60mmF2.4

●喜多直毅

ロジャー・ターナー+喜多直毅+齋藤徹@横濱エアジン(2018年)
ファドも計画@in F(2018年)
齋藤徹+喜多直毅@板橋大山教会(2018年)
齋藤徹+喜多直毅+外山明@cooljojo(2018年)
齋藤徹+喜多直毅+皆藤千香子@アトリエ第Q藝術(2018年)
ロジャー・ターナー+喜多直毅+齋藤徹@横濱エアジン(JazzTokyo)(2017年)
翠川敬基+齋藤徹+喜多直毅@in F(2017年)
喜多直毅+マクイーン時田深山@松本弦楽器(2017年)
黒田京子+喜多直毅@中野Sweet Rain(2017年)
齋藤徹+喜多直毅@巣鴨レソノサウンド(2017年)
喜多直毅クアルテット@求道会館(2017年)
ハインツ・ガイザー+ゲリーノ・マッツォーラ+喜多直毅@渋谷公園通りクラシックス(2017年)
喜多直毅クアルテット@幡ヶ谷アスピアホール(JazzTokyo)(2017年)
喜多直毅・西嶋徹デュオ@代々木・松本弦楽器(2017年)
喜多直毅+田中信正『Contigo en La Distancia』(2016年)
喜多直毅 Violin Monologue @代々木・松本弦楽器(2016年)
喜多直毅+黒田京子@雑司が谷エル・チョクロ(2016年)
齋藤徹+かみむら泰一、+喜多直毅、+矢萩竜太郎(JazzTokyo)(2015-16年)
うたをさがして@ギャラリー悠玄(2015年)
http://www.jazztokyo.com/best_cd_2015a/best_live_2015_local_06.html(「JazzTokyo」での2015年ベスト)
齋藤徹+喜多直毅+黒田京子@横濱エアジン(2015年)
喜多直毅+黒田京子『愛の讃歌』(2014年)
映像『ユーラシアンエコーズII』(2013年)
ユーラシアンエコーズ第2章(2013年)
寺田町の映像『風が吹いてて光があって』(2011-12年)
『うたをさがして live at Pole Pole za』(2011年)


ムー展@池袋パルコミュージアム

2018-10-28 20:31:56 | アート・映画

はっと気が付くと、大注目の「ムー展」が終わりそうになっている。しかも、なぜか、ドラマーの井谷享志さんや地下音楽の剛田武さんなど意外な方々が報告をアップしている。これはダメだと思い焦って池袋のパルコミュージアムに駆けつけた。

わたしは高校1年生の1年間だけ『ムー』を愛読した(1986年)。別冊のムックや新書版のムーブックスも結構熱心に読んだ。従ってオカルトには結構詳しくなった。のちに『X-Files』というアメリカのドラマが流行ったとき、そんなこと前から知ってるわ、子供だましだな~と、何故か上から目線で見ていた。あとから考えると実にくだらない。

というようなご同輩が多いのかなと思ったのだが、意外にかなり若い人たちも会場で熱心に観ている。オカルトはすたれないんだな。

そんなわけで、展示はなかなか楽しかった。ビッグフットの足型。1986年、山形市西川町に突如出現したミステリーサークル(つまり、草むらが円形になぎ倒されたもの)の取材のため『ムー』取材班(笑)が使ったガイガーカウンター。

生頼範義の原画もある。その絵を使った、KAMIYAによるレコード『ムー』。いや知らないし。帰ってから調べると何曲か聴くことができた(>> リンク)。なかなか味わいがあって宇宙的で未来的で過去的でいいじゃないですか。えっジャズギタリスト?

横にはサイババが出した砂も展示されている。そしてユリ・ゲラーが曲げたスプーン。サインが書いてある。欲しい。

出口にはTシャツが売られていて、昨夜浦安の某バーで某氏から3500円以下なら買ってきてくれ、好みは怪獣系か宇宙系だと頼まれたのだが、値段はそれよりも高かった。わたしも断念したが、その代わりに、宇宙人が捕獲された有名な写真のトートバッグを手に入れた。その足で行ったライヴ会場で、やはりムー的な喜多直毅さんたちに自慢した(馬鹿)。

ふっふっふっ。


長沢哲+近藤直司+池上秀夫@OTOOTO

2018-10-28 19:31:26 | アヴァンギャルド・ジャズ

東北沢のOTOOTO(2018/10/27)。

Tetsu Nagasawa 長沢哲 (perc)
Naoji Kondo 近藤直司 (ts, bs)
Hideo Ikegami 池上秀夫 (b)

3人の名前を見ればどフリーなのか即興なのか、しかしそのような分類には意味がない。OTOOTOは満員。

ファーストセット。長沢さんはマレットで柔らかく音を出し、呼応して、他のふたりはマージナルな部分の音で手探りをするようなはじまりの印象。池上さんは指から弦に移行し、軽く擦るようにも動く。近藤さんは次第に音を得る。そしてスティックによりサウンドが前に動き出した。ピチカートとブラシとの重なりの中にテナーが入り、鳥のごときマルチフォニックを発する。

やがて短いリズムの時間があった。長沢さんは静かにリズムを変え、ふたりがコントラバスを手で、テナーをマウスピースのカバーで叩く。近藤さんはテナーで突っつくような音、それがここに来てフラジオ、フリーキー、そして痺れる咆哮へと歩を進めてゆく。パーカッションもコントラバスも咆哮にあわせてエネルギーを高めた。

静まって、複数のシンバルによる複層の響き(!)があり、弦のピチカートとさらに重なる。ふたたびマレットの柔らかい響きで演奏が終わった。

セカンドセット。一転して、3人ともノイジーに攻める。やがて呼吸が合ってきて、タイミングを同調させてのリスタートを繰り返す。円環を思わせるブラシ、音域の広いコントラバス。近藤さんはバリトンで風を起こし、池上さんもこそげるようにしてやはり風を起こす。音を精製したような美しいブラシの音。バリトンによるフレーズの繰り返しが素晴らしい。

また静かになり、ここからシンバルの響きとともにバリトンがブルージーに入ってきて太くうねる。長沢さんがブラシで走ってもバリトンは執拗にうねるうねる。そして池上さんはというと、一音一音を入念に選び、確信犯的に刻む。このあたりがもっとも動悸のする時間だった。

長沢さんは、左右のマレットで微細なずれ(!)をひき起こす。(いちいち「!」を付けるのにはわけがあるのだ。)バリトンのフラジオ、コントラバスが入っても、長沢さんは執拗に叩いた。

Fuji X-E2、7artisans 12mmF2.8、XF35mmF1.4

●長沢哲
齋藤徹+長沢哲+木村由@アトリエ第Q藝術(2018年)
#07 齋藤徹×長沢哲(JazzTokyo誌、2017年ベスト)
長沢哲『a fragment and beyond』(2015年)

●近藤直司
のなか悟空&人間国宝『@井川てしゃまんく音楽祭』(2016年)
のなか悟空&元祖・人間国宝オールスターズ『伝説の「アフリカ探検前夜」/ピットインライブ生録画』(1988年)

●池上秀夫
種まき種まかせ 第2回ー秋の手-@Ftarri(2018年)


齋藤徹+長沢哲+木村由@アトリエ第Q藝術

2018-10-27 01:18:29 | アヴァンギャルド・ジャズ

成城学園前のアトリエ第Q藝術(2018/10/26)。

Tetsu Saitoh 齋藤徹 (b)
Tetsu Nagasawa 長沢哲 (perc)
Yu Kimura 木村由 (dance)

個人的には2017年のベストギグだった齋藤徹・長沢哲デュオから約1年。それに木村由さんが加わる。音響の素晴らしいアトリエ第Q藝術。そしてもうひとつのライヴを終えたらテツさんが静養に入る。そんなわけで、なんとしても見届けなければならぬと思い駆けつけた。

ファーストセット。やや不穏なテツさんの弓弾きに続き、長沢さん(もうひとりのテツさん)がマレットで柔らかく叩きはじめる。白い面を付けた木村さんは、さっきまで笑っていたのに人から鬼に変貌していた。気配もしない横の動きに驚かされる。音風景はテツさんがリードして変えているように聴こえる。だがそれは、勿論、音と動きの主従を意味しない。三者がそれぞれ別の世界を展開し、その三者がなぜだか同じ世界に共存していることが実に奇妙で嬉しく思える。

木村さんが靴を脱ぎ、長沢さんがブラシで音に速度という要素を付けることにより、潮目が変わった。テツさんは脱ぎ捨てられた靴をコントラバスで弄び、コントラバスの横に倒れ、また木村さんは壁で妖精を思わせる動きをみせる。その物語は、テツさんの弾く「Amazing Grace」のような旋律で彩りを添えられた。長沢さんはしばらくして再びマレットに戻る。しかし、マレットでサウンドを挟む起承転結とはならない。予想のつかない展開があり、世界は急に幕を閉じた。

セカンドセット。先の鬼と妖精ではなく、いま木村さんは生命を得たり失ったりするような動きをみせ、亡霊のごとき存在となっている。長沢さんがやや野蛮に攻め、前面に出てきたように感じる。そうであっても、細分化され、繊細極まりないパーカッションだ。三者の音と動きから目を離すことができない。

テツさんはオリジナル「浸水の森」の旋律からはじめ、言葉と代替不可能にも関わらず言葉的な音を提示してゆく。テツさんの文字通り独特の音色が説明できない言葉的なものの核となっている。その中で、強く弦をはじく音も、木村さんの絶望や盲執も、ドラマを観るがごとき印象を与える。長沢さんのパルスがそれを震わせ続けた。

柔らかい響きと木のにおいがする第Q藝術での、忘れがたいパフォーマンスだった。

Fuji X-E2、7artisans 12mmF2.8、XF60mmF2.4

●齋藤徹
ロジャー・ターナー+喜多直毅+齋藤徹@横濱エアジン(2018年)
かみむら泰一+齋藤徹@喫茶茶会記(2018年)
永武幹子+齋藤徹@本八幡cooljojo(JazzTokyo)(2018年)

かみむら泰一+齋藤徹@本八幡cooljojo(2018年)
DDKトリオ+齋藤徹@下北沢Apollo(2018年)
川島誠+齋藤徹@バーバー富士(JazzTokyo)(2018年)
齋藤徹+喜多直毅@板橋大山教会(2018年)
齋藤徹+喜多直毅+外山明@cooljojo(2018年)
かみむら泰一+齋藤徹@本八幡cooljojo(2018年)
齋藤徹+喜多直毅+皆藤千香子@アトリエ第Q藝術(2018年)
2017年ベスト(JazzTokyo)
即興パフォーマンス in いずるば 『今 ここ わたし 2017 ドイツ×日本』(2017年)
『小林裕児と森』ライヴペインティング@日本橋三越(2017年)
ロジャー・ターナー+喜多直毅+齋藤徹@横濱エアジン(JazzTokyo)(2017年)
長沢哲+齋藤徹@東北沢OTOOTO(2017年)
翠川敬基+齋藤徹+喜多直毅@in F(2017年)
齋藤徹ワークショップ特別ゲスト編 vol.1 ミシェル・ドネダ+レ・クアン・ニン+佐草夏美@いずるば(2017年)
齋藤徹+喜多直毅@巣鴨レソノサウンド(2017年)
齋藤徹@バーバー富士(2017年)
齋藤徹+今井和雄@稲毛Candy(2017年)
齋藤徹 plays JAZZ@横濱エアジン(JazzTokyo)(2017年)
齋藤徹ワークショップ「寄港」第ゼロ回@いずるば(2017年)
りら@七針(2017年)
広瀬淳二+今井和雄+齋藤徹+ジャック・ディミエール@Ftarri(2016年)
齋藤徹『TRAVESSIA』(2016年)
齋藤徹の世界・還暦記念コントラバスリサイタル@永福町ソノリウム(2016年)
かみむら泰一+齋藤徹@キッド・アイラック・アート・ホール(2016年)
齋藤徹+かみむら泰一、+喜多直毅、+矢萩竜太郎(JazzTokyo)(2015-16年)
齋藤徹・バッハ無伴奏チェロ組曲@横濱エアジン(2016年)
うたをさがして@ギャラリー悠玄(2015年) 
齋藤徹+類家心平@sound cafe dzumi(2015年)
齋藤徹+喜多直毅+黒田京子@横濱エアジン(2015年)
映像『ユーラシアンエコーズII』(2013年)
ユーラシアンエコーズ第2章(2013年)
バール・フィリップス+Bass Ensemble GEN311『Live at Space Who』(2012年)
ミシェル・ドネダ+レ・クアン・ニン+齋藤徹@ポレポレ坐(2011年)
齋藤徹による「bass ensemble "弦" gamma/ut」(2011年)
『うたをさがして live at Pole Pole za』(2011年)
齋藤徹『Contrabass Solo at ORT』(2010年)
齋藤徹+今井和雄『ORBIT ZERO』(2009年)
齋藤徹、2009年5月、東中野(2009年)
ミシェル・ドネダと齋藤徹、ペンタックス43mm(2007年)
齋藤徹+今井和雄+ミシェル・ドネダ『Orbit 1』(2006年)
ローレン・ニュートン+齋藤徹+沢井一恵『Full Moon Over Tokyo』(2005年)
明田川荘之+齋藤徹『LIFE TIME』(2005年)
ミシェル・ドネダ+レ・クアン・ニン+齋藤徹+今井和雄+沢井一恵『Une Chance Pour L'Ombre』(2003年)
往来トリオの2作品、『往来』と『雲は行く』(1999、2000年)
齋藤徹+ミシェル・ドネダ+チョン・チュルギ+坪井紀子+ザイ・クーニン『ペイガン・ヒム』(1999年)
齋藤徹+ミシェル・ドネダ『交感』(1999年)
齋藤徹+沢井一恵『八重山游行』(1996年)
久高島で記録された嘉手苅林昌『沖縄の魂の行方』、池澤夏樹『眠る女』、齋藤徹『パナリ』(1996年)
ミシェル・ドネダ+アラン・ジュール+齋藤徹『M'UOAZ』(1995年)
ユーラシアン・エコーズ、金石出(1993、1994年)
ジョゼフ・ジャーマン 

●長沢哲
#07 齋藤徹×長沢哲(JazzTokyo誌、2017年ベスト)
長沢哲『a fragment and beyond』(2015年)

●木村由
庄田次郎トリオ@東中野セロニアス(2018年)
宙響舞@楽道庵(2017年)
河合拓始+木村由@神保町試聴室(2016年)


ボビー・マクファーリン『Nice 1982』

2018-10-26 07:55:17 | アヴァンギャルド・ジャズ

ボビー・マクファーリン『Nice 1982』(Jazz Time、1982年)を聴く。

Bobby McFerrin (vo)
Chico Freeman (ts, fl)
Von Freeman (ts)
Clyde Criner (p)
Cecil McBee (b)
Billy Hart (ds)

ボビー・マクファーリンとチコ・フリーマンといえば、同じ1982年のチコの作品『Tradition in Transition』(邦題:輪廻学)を思い出すわけだが、確かに、セシル・マクビー、ビリー・ハートとメンバーも共通している。サウンドも同じようなもので、いまとなってはどうしてもその時代のものに聴こえる。

だが、マクファーリンのヴォーカルが唯一無二のものであった力は消えないし、何といってもヴォン・フリーマンの参加である。ちょっと吹いただけで場がアナーキーな雰囲気に一変する、これは息子のチコとは正反対のキャラなのだ。いやチコが生真面目に組み上げる音も偏愛しているのだが。


エリザベス・ミラー+クレイグ・ペデルセン+秋山徹次+中村としまる@Ftarri

2018-10-25 08:00:45 | アヴァンギャルド・ジャズ

水道橋のFtarri(2018/10/24)。

Elizabeth Miller (amplified clarinet)
Craig Pedersen (amplified trumpet)
Tetuzi Akiyama 秋山徹次 (g)
Toshimaru Nakamura 中村としまる (no-input mixing board)

1時間ほどの演奏を1セット。自分としては昨年から何度か観てきたエリザベスさん、クレイグさんのライヴの中でベスト。

4人それぞれの脈動がまったく異なる背景を持っているようで、まったく異なる表出を行う。中村さんのエレクトロニクスは慣性と加速度が大きい。油断もなにもできずどこかに踏み込んで移動するマッスの恐ろしさがある。秋山さんはギターを横に置き、金尺や棒を挟み、バターナイフやブロッターや回転子を用いて音を創出する。容赦のなさという点では共通していても、素材のナマ感をより感じさせる。

中に座ったふたりは、管のマージナルな音を中心に増幅する。それはまさに、山猫軒の南達雄さんが書いておられたように呼吸そのものであり、ときにこちらが同調させられ、ときに無情に離れてゆく。クレイグさんはピストン分解もその音に混ぜ、管を鳴らしたときには呼吸との対比で目が醒めるようだった。エリザベスさんのクラは、呼吸であるだけに、木管らしさが強調されているように思えた。

今後、このカルテットによる昨年(2017年)の録音、クレイグさんのトリオ(ギター、ドラムス)、エリザベスさんのソロ、山㟁直人さんとのトリオ(山猫軒、2018/10/22)が作品として出る予定とのことである。

Fuji X-E2、7artisans 12mmF2.8、XF60mmF2.4

●クレイグ・ペデルセン、エリザベス・ミラー
クレイグ・ペデルセン+エリザベス・ミラー+吉本裕美子+照内央晴@高円寺グッドマン(2018年)
クレイグ・ペデルセン+中村としまる、エリザベス・ミラー+広瀬淳二@Ftarri(2018年)
クレイグ・ペデルセン+エリザベス・ミラー+徳永将豪+増渕顕史+中村ゆい@Ftarri(2017年)
クレイグ・ペデルセン+中村としまる@Ftarri(2017年)
毒食@阿佐ヶ谷Yellow Vision(2017年)
クレイグ・ペデルセン、エリザベス・ミラーの3枚(2016-17年) 

●中村としまる
クレイグ・ペデルセン+中村としまる、エリザベス・ミラー+広瀬淳二@Ftarri(2018年)
フタリのさとがえり@Ftarri(2018年)
竹下勇馬+中村としまる『Occurrence, Differentiation』(2017年)
クレイグ・ペデルセン+中村としまる@Ftarri(2017年)
広瀬淳二+中村としまる+ダレン・ムーア@Ftarri(2017年)
Spontaneous Ensemble vol.7@東北沢OTOOTO(2017年)
中村としまる+沼田順『The First Album』(2017年)
内田静男+橋本孝之、中村としまる+沼田順@神保町試聴室(2017年)
『OTOOTO』(2015、17年)
山内桂+中村としまる『浴湯人』(2012年)
中村としまる+ジョン・ブッチャー『Dusted Machinery』(2009年)

●秋山徹次
「響きの今」(ジョン・ラッセル、ストーレ・リアヴィーク・ソルベルグ、ピーター・エヴァンス、秋山徹次)@両国門天ホール(2018年)
高島正志+古池寿浩+秋山徹次「Blues Frozen Xīng ブルース 凍てついた星」@Ftarri(2018年)
ファビオ・ペルレッタ+ロレンツォ・バローニ+秋山徹次+すずえり@Ftarri(2017年)
池田謙+秋山徹次@東北沢OTOOTO(2017年)
『OTOOTO』(2015、17年)


ハービー・ハンコック『Chicago 1981』

2018-10-22 23:53:02 | アヴァンギャルド・ジャズ

ハービー・ハンコック『Chicago 1981』(Hi Hat、1981年)を聴く。発掘シリーズ、ヴァイナル。

Herbie Hancock (p)
Buster Williams (b)
Tony Williams (ds)
Wynton Marsalis (tp)

本盤の録音日は不明ながら、名盤『Quartet』や『Velden 1981』と同じ年の演奏である。

ウィントン・マルサリスはこのとき19歳か20歳。最近ではさらにかれのことを褒める人がいなくなっているような気がするが、いや確かにその理由は十分あるのだが、それでも良いものは良い。完璧にコントロールされて、パワーがあるのに抑制が効いていて、その結果音を摘まむように聴こえて、とても色気がある。吹きっぱなしの下品なものでないし、抑制してしょぼいものでもない。しかも余力と余裕があって遊んでいたりもする。特に「The Eye of the Hurricane」(上の2枚でも演奏)を聴くとケチのつけようがない。

さらに『Quartet』と同じく「The Sorcerer」や「Round Midnight」を演奏しているし、トニー・ウィリアムスの名曲「Sister Cheryl」を聴いてもウォレス・ルーニーなんぞとの格の違いがよくわかる。

たしかにバスター・ウィリアムスの軽いベースはダサいけど、まあいいじゃないか。時が時ならもの凄く持て囃されていたに違いない発掘盤。古くさいのかな。古くさいんだろうな。まあいいじゃないか。

●ハービー・ハンコック
ハービー・ハンコック『Jazz in Marciac 2017』(2017年)
小沼ようすけ+グレゴリー・プリヴァ、挟間美帆 plus 十@Jazz Auditoria(2017年)
ドン・チードル『MILES AHEAD マイルス・デイヴィス空白の5年間』(2015年)
ハービー・ハンコックの2014年来日ライヴ(2014年)
『A Tribute to Miles Davis』(1992年)
ベルトラン・タヴェルニエ『ラウンド・ミッドナイト』(1986年)
ハービー・ハンコック『VSOP II TOKYO 1983』(1983年)
ハービー・ハンコック『Velden 1981』(1981年)
ジャッキー・マクリーン『The Complete Blue Note 1964-66 Jackie McLean Sessions』(1964-66年)
マイルス・デイヴィスの1964年日本ライヴと魔人(1964年) 


安東ウメ子『Ihunke』

2018-10-22 22:26:18 | 北海道

安東ウメ子『Ihunke』(Chikar Studio/Pingipung、2001年)を聴く。再発のレコード2枚組である。

安東ウメ子(ウポポ、ムックリ)
鈴木キヨシ(perc)
OKI(トンコリ、key)
レクポ(ウポポ)

いや何という声なのかと震える。嬉しくて怖くて嬉しくて怖い。安東ウメ子さんの声はどこかへと向けて奥深く、どこかで響いている。口腔と頭蓋全体を響かせているのだろうか。

繰り返しと発展。OKIの素晴らしいトンコリ。お茶目なムックリ。

●アイヌ
マレウレウ『cikapuni』、『もっといて、ひっそりね。』(2016年)
MAREWREW, IKABE & OKI@錦糸公園(2015年)
OKI DUB AINU BAND『UTARHYTHM』(2016年)
OKI meets 大城美佐子『北と南』(2012年)
『今よみがえるアイヌの言霊~100枚のレコードに込められた思い~」』
新谷行『アイヌ民族抵抗史』
瀬川拓郎『アイヌ学入門』
植民地文化学会・フォーラム「内なる植民地(再び)」

新大久保のアイヌ料理店「ハルコロ」
上原善広『被差別のグルメ』
モンゴルの口琴 


バーナード・パーディ『Cool Down』

2018-10-22 00:57:28 | アヴァンギャルド・ジャズ

バーナード・パーディ『Cool Down』(Sugar Road Records、-2017年)を聴く。

Bernard Purdie (ds)
Brian J (g, vo, perc)
Pete Shand (b)
Ivan Neville (key, vo)
Special guests:
Anthony Cole (vo)
Mayteana Morales (vo)
Cyril Neville (vo)
Chauncey Yearwood (vo, perc)
Stephane San Juan (perc)
Morgan Price (sax)
Nadav Nirenberg (tb)
Jay Jennings (tp)
Hadar Noiberg (fl)

「ダチーチーチー」で「コテコテ」である、以上。

というわけでもないのだけど、何にしてもパーディーが元気で喜ばしい。1939年生まれというからもうすぐ80歳か。他に言うこともないなあ・・・、んん~プリティ。

●バーナード・パーディ
リューベン・ウィルソンにお釣りをもらったこと(2002年)
バーナード・パーディ『Soul Is ...』(1972年)
ブーガルー・ジョー・ジョーンズ『What It Is』
(1971年)
ブーガルー・ジョー・ジョーンズ『Right on Brother』(1970年)
アレサ・フランクリンの5枚組(1967-71年)


ダニー・マッキャスリン『Blow』

2018-10-21 23:27:12 | アヴァンギャルド・ジャズ

ダニー・マッキャスリン『Blow』(Motema Music、-2018年)を聴く。

Donny McCaslin (ts, fl, alto fl, cl)
Jason Lindner (syn, p, wurlitzer)
Tim Lefebvre (b)
Jonathan Maron (b)
Nate Wood (b, ds)
Mark Guiliana (ds)
Zach Danziger (ds)
Steve Wall (wurlitzer, drum programming, g)
Ryan Dahle (g, mellotron, vo)
Ben Monder (g)
Jeff Taylor (vo)
Gail Ann Dorsey (vo)
Sun Kil Moon (vo)

変わっているようでいてマッキャスリンはマッキャスリン。ヴォーカルと曲想によるポップな感覚は前からのものだし、エフェクトの多用もそれに貢献している。

その中でマッキャスリンはさまざまなフレージングと音色をハイテクで駆使し、それをフラットに展開する。フラットということは自己完結のドラマではないから、マインドが外に開かれたものなのだ。

いや~、カッチョいいな。超素敵。こういうの大好き。

ドラマーは三者三様なのだが、マーク・ジュリアナが登場すると、ビートをすべて人力で切り開いていくようでグッとくる。

●ダニー・マッキャスリン
デイヴィッド・ビニーと仲間たち@Nublu(2017年)
マリア・シュナイダー・オーケストラ@ブルーノート東京(2017年)
ダニー・マッキャスリン『Beyond Now』(2016年)
デイヴィッド・ボウイ『★』(2015年)
ダニー・マッキャスリン@55 Bar(2015年)
ダニー・マッキャスリン『Fast Future』(2014年)
ダニー・マッキャスリン『Casting for Gravity』(2012年)
フローリアン・ウェーバー『Criss Cross』(2014年)
マリア・シュナイダー『The Thompson Fields』(2014年)
マリア・シュナイダー『Allegresse』、『Concert in the Garden』(2000、2001-04年)
 


ゲイリー・バートン+スティーヴ・スワロウ『Hotel Hello』

2018-10-21 22:34:32 | アヴァンギャルド・ジャズ

ゲイリー・バートン+スティーヴ・スワロウ『Hotel Hello』(ECM、1974年)を聴く。

Gary Burton (vib, org, marimba)
Steve Swallow (b, p)

ここではスティーヴ・スワロウはベースだけでなくピアノも弾いているのだが、どちらにしても、過剰にエモーショナルでエロチックでセンチメンタルで変態的なテイストが漂うことが面白い。もちろんスワロウのベースの音が出てくるとそれは唯一無二、なんだか自分が罪深いような気がして発狂しそうになる。ゲイリー・バートンの透明感あるヴァイブもそのようなテイストに聴こえるのはなぜだろう。

最初にベースを弾くタイトル曲も良いし、カーラ・ブレイの名曲「Vashkar」でもバートンのオルガンをバックにスワロウ色だらけのベース、なんというかもう。

●ゲイリー・バートン
ゲイリー・バートンのカーラ・ブレイ集『Dreams So Real』(1975年)

●スティーヴ・スワロウ
スティーヴ・キューン『Jazz Middelheim 2015』(2015年)
カーラ・ブレイ『Andando el Tiempo』(2015年)
カーラ・ブレイ+アンディ・シェパード+スティーヴ・スワロウ『Trios』(2012年)
チャーリー・ヘイデンLMO『Time/Life』(2011、15年)
スティーヴ・スワロウ『Into the Woodwork』(2011年)
ケニー・ホイーラー『One of Many』(2006年)
ポール・モチアン『Flight of the Blue Jay』(1996年)
日野元彦『Sailing Stone』(1991年)
ゲイリー・バートンのカーラ・ブレイ集『Dreams So Real』(1975年)
アート・ファーマー『Sing Me Softly of the Blues』(1966年)
ポール・ブレイ『Complete Savoy Sessions 1962-63』(1962-63年)


種まき種まかせ 第2回ー秋の手-@Ftarri

2018-10-21 09:30:30 | アヴァンギャルド・ジャズ

水道橋のFtarriで、「種まき種まかせ」というインプロの企画(2018/10/20)。

Kokichi Yanagisawa 柳沢耕吉 (企画, g)
Jumpei Ohtsuka 大塚惇平 (笙)
Chiho Suzuki 鈴木ちほ (bandoneon)
Yusuke Kawamura 川村祐介 (tp)
Hideo Ikegami 池上秀夫 (b)

2回の演奏が対照的な面白さがあった。

最初は柳沢さんが微かな弦の音を出してゆき、誰が最初に反応するかと見ていると、ちほさんが合図を出すかのように蛇腹でエアの音を出した。そして笙とコントラバスが続く。池上さんは弓の先でこそぎ、また手のひらで弦を叩くという、間合いを体現したようなプレイ。川村さんは「その時」を待っているのかなかなか動かず、それがまた緊張感を付加していた。柳沢さんがカセットテープで蝉の鳴き声を再生し、息の通り道ができた。

セカンドセットでは、逆に、最初から全員が音を重ね合わせる。笙とバンドネオンがポルタメントでドローンを形成し、さらに、川村さんのトランペットも変化を付けてその中に混じる。池上さんのプレイはまたユニークで、弓で弦を叩くのだが、半分力を抜いており、弦からはじき返される力と弦に当てる力とが奇妙なバランスを取って、偶然的な音の群れを出した。それぞれの楽器の音は消しあうことなく、違いが際立つものとなった。

終わりは示し合わせて一本締め。演奏後、それを演奏前にすることとの違いや、「よーおっ」と掛け声を入れないことの意味などについて、なぜか座ったまま反省会をしていた。

Fuji X-E2、7artisans 12mmF2.8、XF60mmF2.4

●大塚惇平
ユーラシアンオペラ東京2018(Incredible sound vision of Eurasia in Tokyo)@スーパーデラックス(2018年)
即興パフォーマンス in いずるば 『今 ここ わたし 2017 ドイツ×日本』(2017年)
齋藤徹ワークショップ「寄港」第ゼロ回@いずるば(2017年)

●鈴木ちほ
impro cats・acoustic@なってるハウス(2018年)
鈴木ちほ+荻野やすよし(solo solo duo)@高円寺グッドマン(2018年)
鳥の未来のための螺旋の試み@ひかりのうま(2017年)
毒食@阿佐ヶ谷Yellow Vision(2017年)
晩夏のマタンゴクインテット@渋谷公園通りクラシックス(2017年)
北田学+鈴木ちほ@なってるハウス(2017年)
りら@七針(2017年)
齋藤徹+類家心平@sound cafe dzumi(2015年) 


後藤篤+レオナ@國學院大學

2018-10-21 09:04:28 | アヴァンギャルド・ジャズ

國學院大學に足を運び、屋外での後藤篤・レオナ初デュオ(2018/10/20)。はじめて来たのだが、駅から結構遠く、コミュニティバスを使った。

Atsushi Goto 後藤篤 (tb)
Reona レオナ (tap)

大学見学に来たと思しき親御さんや小さな子どもたちが見つめ、強風が吹き荒れるなかでのパフォーマンス。

「The Great Pretender」で賑々しくはじめ、次は、レオナさんによると「18時間飲み続けて中野坂上の電柱に頭をぶつけた」(?)という経験から作られた「電柱」。山あり谷あり跳躍ありという展開となると、トロンボーンの音色が急にユーモラスなものに聴こえてくる。次の「Smile」ではレオナさんの小から大への動きなどが目を引いた。最後は「Take the "A" Train」。後藤さんのぶりぶりと加速するような音があり、そして、途中の何度も繰り返す旋律が奇妙にも変えられ、そのたびにソロ交換のようにレオナさんの踊りに視線が移る面白さ。

Fuji X-E2、XF60mmF2.4、7artisans 12mmF2.8

●後藤篤
原田依幸+後藤篤@なってるハウス(2017年)
後藤篤『Free Size』(2016年)
秘宝感とblacksheep@新宿ピットイン(2012年)
『blacksheep 2』(2011年) 

●レオナ
晩夏のマタンゴクインテット@渋谷公園通りクラシックス(2017年)
板橋文夫+纐纈雅代+レオナ@Lady Jane(2016年)
板橋文夫『みるくゆ』(2015年)


原田依幸@アケタの店

2018-10-20 00:41:21 | アヴァンギャルド・ジャズ

アケタの店にて、原田依幸グループ(2018/10/19)。

Yoriyuki Harada 原田依幸 (p)
Hideo Tokioka 時岡秀雄 (ts)
Hideaki Mochizuki 望月英明 (b)
Toshiaki Ishizuka 石塚俊明 (ds)

はじまりも終わりも潔いというか、なにものかへの未練が断ち切られているといおうか。

時岡さんも望月さんも目を閉じて、常に自分が介入するタイミングを狙っている。石塚さんも豪放に見えながら、やるべきことをそのたびごとに見出して動いている。それだけに終始しずかに沸騰するような感覚が満ち満ちている。

原田依幸のピアノはためらいのない昇り龍のようだ。怒りや凶暴性や勢いにまかせてのものではない。そこに静かな覚悟がある。

Fuji X-E2、7artisans 12mmF2.8、XF60mmF2.4

●原田依幸
原田依幸+川下直広『東京挽歌』(2017年)
原田依幸+後藤篤@なってるハウス(2017年)
生活向上委員会2016+ドン・モイエ@座・高円寺2(2016年)
「KAIBUTSU LIVEs!」をエルマリート90mmで撮る(2)(2010年)
原田依幸+鈴木勲『六日のあやめ』、『一刀両断』(1995、2009年)
くにおんジャズ(2008年)
「KAIBUTSU LIVEs!」をエルマリート90mmで撮る(2007年)
生活向上委員会大管弦楽団『This Is Music Is This?』(1979年)
『生活向上委員会ニューヨーク支部』(1975年)