上砂理佳のうぐいす日記

「夏への扉」展では暑い中、たくさんの方にお越しいただき誠にありがとうございました!★

イタリアの圧倒的な「赤」

2005-09-13 | うぐいすとお仕事
なんか、今世に珍しいボケボケの写真ですが…「ボローニャ国際絵本原画展」行ってきました。前にも書きましたが、イタリアの芸術都市・ボローニャ市の主催する「子供のための絵本フェア・イラストレーション部門での公募作品展示」という催しです。
今回は25周年記念、とかで、過去のポスターアーカイブ・年表も併せて展示。ヘルメ・ハイネのポスターとかあるよ。懐かしい思い。いや~。あの五味太郎氏も昔「入選」してはったという事ですか?(応募していたの!?)

やはり、日本人がた~くさん入ってます。地元イタリアと互角の入選者数。技法も様々に凝っていて素晴しい。でもでも、予想通り、韓国勢が進境著しい!何人いるの!?って感じ。「アジアンテイストか?」と言われたら「???」だし、でも日本とは何かどこかが違う(ような気がする)。日本の感覚の方が繊細かな。韓国は、欧米の感覚に近いような。そうそう、韓国か台湾か忘れてしまったけど、水墨画でダイナミックに自然描写してる人がいて、素晴しかった。

ロシアで「ウエストサイド物語」の挿絵を描いてる人がいて、思わず「ベル&アゴ!」と叫んでしまう(笑)…現代的で突き抜けてて、一見したところロシアなんて解らない。コサック帽、冬、雪、森、暗い空…ってイメージだけで思い込んでいては駄目なのね。日本が、フジヤマ、ゲイシャ、スシ…だけでは無いのと同じね。若い世代のロシア人の入選者は、過去最高に思えました。それだけ、経済的混乱が落ち着いてきた、って事かなー。
アメリカはやはり入選者なし。つうか、興味ないのかな?応募自体が少ないのでは。あとはフランス、クロアチア、ドイツ、ベルギーなどが多数。フランスは、やっぱキャラクターが「濃い」ですね。アクが強い。いかにも…お国柄かな。

イタリアの絵はいつも思うけど、「赤の魅力」が素晴しい。ルネサンス絵画・宗教画で、落ち着いた色調に赤がポーンと浮き出ているのと同じ、効果的な印象を与えてる。日本には無いですね。この深い赤は。
そして、人物の陰影が濃い。特に「顔」は。私はかつて欧州に旅行した時、つくづく思いました。「こんな漫画みたいな面白い顔の人がゴロゴロ街歩いてたら、そりゃ、ああいう絵を描きたくなるよねえ」と。ガイジンさんは皆、「キャラが立ってる」の。顔の彫り・シワ・パーツのデカさ…絵になる、絵になる~。魔法使いのおばあさんみたいな人がウヨウヨいるんだもの。日本人の顔の「薄味」では、絶対に太刀打ち出来ない。ビーフシチューと湯豆腐くらいの差があるよ…。

欧米の「立体感」と、日本の「平面感」は、絵でもスケートの世界でも同じだと思う。段々と差が縮まってきたかに思えるけど、まだまだ。陰影が深けりゃいい、ってもんでもないけど、「芸術文化の底力」がなんか違うのよ。でもでも、ガイジンさんが日本髪でキモノ着て、歌舞伎の演技やってたら、やっぱり「なんか違う」ってのと同じかな。日本は日本の美があるから、やはりそこから出発しないと始まらないんだろうか。
しかし、ボローニャ展で毎年、イタリア人画家の深い描写や構図、圧倒的な配色・赤の魅力に、強烈なパンチを食らってしまうのは事実なのでした。このトシにして俄然、ヤル気出た。私も挑戦するか。
(「板橋区立美術館」のHPに、ボローニャ応募の詳細があります。興味を持った人は見てみよう~
コメント (3)
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