とくおかレディースクリニック~ブログ~

日々、徒然なるままに、書き込んで参ります。
どうか宜しくお付き合い下さい。

1月の診療部便り

2022年01月05日 | 看護部・検査部便り
1月の診療部便り

明けましておめでとうございます🎍

当院にお通いの皆さまの一日も早いご妊娠を目指し、
お一人お一人に合わせた最善の治療を提供できるよう精進して参ります。
本年もどうぞ宜しくお願い致します!

今回は、慢性子宮内膜炎検査についてお話致します。

慢性子宮内膜炎とは、子宮内膜に軽度の炎症が持続的に起こっている状態をいいます。
原因は大腸菌、連鎖球菌などの細菌感染といわれていますが、不明な部分が多いです。

体外受精で胚移植を繰り返しても着床に至らない反復着床不全や、
初期流産の原因のひとつとして慢性子宮内膜炎が考えられます。

慢性子宮内膜炎は症状がないことがほとんどで(ごく稀に不正出血や骨盤痛がある場合もあります)、
一般的な婦人科検査では診断されません。
子宮内膜基底層の組織を採取し免疫染色(CD138染色)を行い、
染色された形質細胞(CD138陽性細胞)の数を調べます。

数が正常値以上であった場合を慢性子宮内膜炎と診断し、抗生剤で治療します。
検査は軽度の痛みや違和感がありますので、鎮痛剤(座薬)を使用します。
結果が出るまでに約3週間程かかります。
検査をした周期や、結果によって抗生剤を服用している期間は、
タイミング治療・人工授精・胚移植等の不妊治療は実施できません。

慢性子宮内膜炎については研究段階であり、
着床率や出生率が低下するとの報告がある一方で、影響しないという報告もあります。

日本生殖医学会の最新のガイドラインでは、
【本検査の不妊治療における有効性については、明らかとなっていないが、その施行を否定する根拠も認められない】
とされています。

検査についてご興味のある方や、ご不明な点があればスタッフにお声掛け下さい。


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