「華麗なる一族」を見てみた！

「華麗なる一族」を見てみた。

新聞のテレビ欄に「阪神銀行」やら「阪神特殊製鉄」なる単語が並んでいたので関西を舞台にしたドラマなんかなと思っていたけど、関西どころかピンポイントだったみたい。万表財閥の阪神銀行の本店があり、万表一族の豪邸が芦屋の高台にあるという設定に驚く。

時代設定は昭和42年、まさに昭和臭の香り立つ真っ只中ではないか！というわけで本来ならば「親近感」を抱いて然りなのであるが、これが全く親近感が沸かないのである。まあ、私の一族が「華麗ではない」という差異があるにしても、ブラウン管の向こうの世界は私のかつて居た世界とは全く別の世界に仕上がっている。

残念な事だが、ついこの前であったはずの「昭和」の風景が既に全てセットでないと表現できないようである。これには何とも言いようの無い寂しさを覚えた。都市は時間の流れと共に継続しているはずなのに、また同時に時間の流れと共に絶えず変化してしまっていたのである。「線」として捉えていた街の姿を「点」として捉えるとき、それは単なる「過去」でしかないのだ。

私がこのドラマを見るに至った過程は至極単純である。別に木村拓也が目当てと言うわけではなく、今日たまたま書店にて「読み応えのありそうな分厚い文庫本」を探していて、ふと「華麗なる一族」の文庫本が目に留まり、そういえば「今夜からTBSで同名のドラマが始まるな」ということを思い出し、軽い気持ちで見始めたというわけである。

きっと、これが運の尽き・・・なんだろうな。
来週から、毎週日曜日は「華麗なる一族」を見る日になってしまったのである。