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【cinema】『ラスト5イヤーズ』

2015-09-16 00:05:34 | cinema

'15.05.09 『ラスト5イヤーズ』鑑賞@ヒューマントラストシネマ有楽町

 

とっても公開楽しみにしていた作品。試写会応募したけどハズレ。期限切れ直前の入会特典無料鑑賞券利用して見に行ってきた~

 

 

ネタバレありです! 結末にも触れています!

 

「キャシーとジェイミーは出会ってから5年で破局。離婚することになった。キャシーは何故ジェイミーが去ったのか考えるが・・・」っていうあらすじは、ちょっと作品の趣旨とは違う。一応お決まりだから書いてるけど、結末に触れているもなにも、チラシなどに"破局を迎えた夫婦の5年間を、妻は別れから出会いまで、夫は出会いから別れまでを描く"って書いてるし(笑) 本当にその通りで、それだけ。正直、映画のネタとしてはありがち。なので、これは主演2人の歌を聴きに行く映画。そう、これはミュージカル作品で、それが見に行った理由。

 

「マディソン郡の橋」でトニー賞音楽曲賞(2度目)・編曲賞受賞し、作曲家、指揮者、ピアニスト、ディレクターなど複数の肩書を持つジェイソン・ロバート・ブラウンが、自身の体験をもとに脚本と作曲を手掛けたミュージカル作品「ラスト・ファイブ・イヤーズ」の映画化。元の作品は2001年タイム誌が選ぶベストショー10に選出され、オフ・ブロードウェイで大ヒット。脚本を手掛けたってことは要するに作詞もしたってことかな? 実は、このジェイソン・ロバート・ブラウンは、2013年に東京と大阪で上演された「4Stars」(感想はコチラと、コチラ)の演出家兼ピアニストとして出演していた。まだ若くて素敵な人だったけど、このジェイミーのモデルがご自身ってことなのかな? う~ん(笑) ちなみに今作の監督・製作・脚本は『P.S.アイラブユー』(未見)のリチャード・ラグラヴェネーズ。

 

諸事情により感想書くのが遅れまくり4か月経ってしまった

なるべく詳細に感想書きたいけど、たぶん無理

 

冒頭、2人が暮らした部屋でジェイミーの置手紙を読むキャシー。ジェイミーは行ってしまった。ジェイミーは私が悪いと言うけど、本当にそう? ジェイミーは新たな世界に向かって行ったけれど、自分は取り残されたままと歌う。これは、一方的に別れを告げられた側が誰しも感じることだと思う。お互いすれ違いを感じていたかもしれないけれど、ジェイミーは自分の気持ちに整理をつけて出て行ったわけで、キャシーはここから整理していかなくてはならない。とはいえ、ジェイミーも全てスッキリしてしまっている訳でもないと思うけれど。4Starsで4人で歌ったこの曲。美しい旋律だけど、こんな苦しくて悲しい内容だったのか 2人が離婚してしまうこと、キャシー側は別れから、ジェイミー側は出会いから描くことは知っていたけど、曲や細かいストーリーについては全く予備知識を入れずに見た。なので、この冒頭の歌詞だけ見ていたら、キャシーは一体何をしてしまったのか?と思ったのだけど・・・(Still Hurting/別れの時)

 

全編ミュージカルの作品なので、セリフは全て歌。歌詞の内容がストーリーや、主人公たちの思いを語ることになるので、とっても重要。なので本来は全曲紹介しつつ、感想を入れて行こうと思っていたのだけど、もう無理 なので印象に残ったシーンについて感想書いて、その時の曲を載せておこうかなと思う。そして、最後に全曲リストを載せておく。

 

先に書いてしまうけれど、全体を見て感じたことは、どっちもどっち(笑) 冒頭ではキャシーが手紙を読んで歌っているので、ジェイミーの手紙のニュアンスもキャシーの受け取り方だし、別れを突き付けられた直後の心理としては、自分を責めてしまう部分もあると思う。でも、個人的にはジェイミーもジェイミーだったし、もし本当にキャシーが悪い的なニュアンスのことを書いているのだとしたらヒドイと思う。DVとか浮気とか離婚の原因が一方的に相手側にある場合もある。ずっと我慢してきたのだから、最後に思いをぶちまけたくなることもあるかもしれない。でも、あくまでこの2人を見た場合どっちもどっちなのに、別れの手紙に君のせいだから的なニュアンスを入れるのはどうかと思う。字幕の問題もあるのかもしれないけれど、個人的にこの点でジェイミーはズルイと思った。あなたにも原因はあったでしょ?と言いたくなる(笑)

 

冒頭のシーンから一転。ジェイミー目線で出会った直後の2人。宗教の違う2人だけど、こんな天使みたいな理想の女性に出会ってしまったと歌いまくるジェイミー。気持ちは分かるが落ち着け(笑) 出会ったばかりで、今まさに恋が始まったわけだから、もう一緒にいるだけでうれしくてうれしくて、いつでも手をつないでいたし、見つめていたいという気持ちは分かる。分かるけど、ちょっとこんなに激しく告白されたら引く(笑) まぁ元は舞台のミュージカル作品なのでこのくらいはOKかもしれないけれど、いきなりベッドシーンなのもビックリ。(Shiska Goddess/運命の出会い)

 

2人のすれ違いには、それぞれの仕事が大きく関係している。キャシーは売れない舞台女優で、ジェイミーは売れっ子新人作家。出会った頃は2人ともそれぞれの目標に向かって頑張っている時だったので、お互い励まし合って刺激になっていた。でも、ジェイミーの本が出版されることが決定し、さらにその本がベストセラーとなると様子が違ってくる。キャシーは相変わらずオーディションに落ちまくる。まだ若い彼女だけど、求められている役には年を取り過ぎている場合も やっと役が取れてもオハイオ公演。アルバイトをしながらオーディションを受け、舞台用の衣装も作らなければならない。一方のジェイミーはどんどん売れていく。ジェイミーは華やかな世界を知る。女性からの誘惑も多い。(A Miracle Would Happen/When You Come Home To Me/成功と誘惑) この頃には結婚しているので、出版記念のパーティーにもキャシーを同伴するけれど、こういう場に慣れていないキャシーには苦痛。とはいえ、夫のためのパーティーなのだから、もう少し頑張れとも思うし、出版業界と舞台業界は畑違いなのかもしれないけれど、そう遠い業界とも思えないので、もう少し社交的にふるまえば、何かの道が開けるかもしれないのにと思ったりもする。

 

これらのシーンが描かれる前、出会いのシーンの直後。オハイオで2人がケンカするシーンがある。後のシーンでオハイオ公演は最悪だから行きたくないと言っている(A Summer in Ohio/夢と現実のギャップ)けど、結局それしか仕事がないので出演している。そういうイライラもあるのかもしれないけれど、会いに来たジェイミーが直ぐに帰らなければならないと言うと、キャシーの様子が一転する。この日は彼女の誕生日だったようで、ハッキリ言うけどムカツクわ!妻の誕生日くらい一緒に祝いなさいよとわめき散らす。もちろん歌ってますが(笑) ジェイミーは出版パーティーに出席しなければならなかったんだったかな? 日本では分からないけど、アメリカだとパートナー同伴とか多いのじゃないかな? 妻はオハイオ公演中なのだから、その辺り譲歩している部分もあるのだろうし、New Yorkから会いに来てはいる。オハイオまでどのくらい時間がかかるのか分からないけど、努力はしていると思う。このキャシーのキレっぷりはスゴイなと思ったし、夫の仕事のジャマをしてはダメだよとも思うのだけど、ジェイミーももう少し上手く立ち回ればいいのにと思ったりもする。事前にきちんと説明して、誕生日は無理だけれど別の日に2人でお祝いするという方法だってあったわけで、キャシーだって誠意をもって話せば分かってくれないことはないと思う。そもそも、どうしても出席しなければならないパーティーなのか? 現実から逃避したいだけじゃないのか? 湖のような風光明媚な場所での修羅場はなかなか印象深かった(笑) アナ・ケンドリックのキレっぷりがスゴイ。(See I'm Smiling/破局への道)

 

とはいえ、ジェイミーは確かに努力はしていた。クリスマスには落ち込み気味のキャシーのために、人形劇的なものを1人上演して楽しませたりする。ただ、これも最終的にはキャシーは喜んだけれど、最初のうちはちょっぴり迷惑そうだったり(o´ェ`o)ゞ 迷惑というとちょっと語弊があるけど、要するにそういう気分でもないし、キャシーはそういうノリになるタイプではないのかも? 2人の価値観とか性格がピッタリ一致する必要は別にないと思う。1人が落ち込みやすい性格で、1人が楽天的な性格でも、上手くかみ合えば相乗効果となる場合もあると思うし。でも、どちらかがそれをムリだと思ってしまうとねぇ(The Schmuel Song/初めてのクリスマス)

 

前述したけど、キャシーは女優を目指しているわりにあまり社交的な性格ではないようで、ジェイミーの出版パーティーに出席するものの気が重い。何度も言うけどパートナー同伴の方がよいのであれば、苦手でもジェイミーのために頑張るべきだとは思う。夫のために愛想を振りまくことだって時には必要。相手を思えば頑張れるはず。でも、キャシーはあまり頑張れない。まぁ、それを責めることはできないのだけど、もう少し頑張ってもいいのにとは思った。同時にジェイミーももう少し気を使ってあげればいいのにとも思う。もちろん、主役であるジェイミーをさりげなくサポートできる妻もいると思うけれど、キャシーはそういうタイプではないのだから、その辺りを悟って彼女がもう少しリラックスできるように、気にかけているフリでもできれば・・・ と、エラそうなことをツラツラ言っているけど、それは他人ごとだからであって、自分だってそんなにご立派な人間じゃない まして、まだ若い2人がお互いの気持ちよりも自分を優先してしまったり、お互いの気持ちをミスリードしてしまっても仕方がないかもしれない。

 

2人の関係は結婚式(The Next Ten Minutes/結婚のとき)をピークとしてどんどんすれ違っていき、冷めて行ってしまう。前述したとおり、それには大きく仕事が関係している。出会ったタイミングが悪かったのかも。ジェイミーが小説家として既に成功していたら? キャシーの仕事が上手く行ったら? もしくは、仕事に見切りをつけられていたら? それは誰にも分からない。結局、ジェイミーは別れを決意する。(Nobody Needs To Know/愛が壊れたとき)

 

前述したとおり、キャシーは別れから出会い、ジェイミーは出会いから別れの流れで描いている。それらは交互に出てくるので、見ている間はあまり流れが交差しているという感じではなかったのだけど、ラスト完全に交差する。Goodbyeというセリフが、キャシーが見ている"今"とジェイミーが見ている"今"が違うことによって、意味が全く違ってくる。キャシーは明日までGoobyeの楽しい別れ、ジェイミーはもう明日のないGoodbye。この曲は辛かったし、そして上手いなと思った。(Goodbye Untill Tomorrow/Could Never Rescue You/旅立ちのとき)

 

正直に言うと、キャシーにもジェイミーにも共感はなった。出会った頃はすぐエッチしちゃうし(笑) キャシーの実家に向かう車のなかで欲情しちゃって、車を止めてエッチとかビックリ(I Can Do Better Than That/実家へドライブ) それは愛情ではなくて欲情なのでは? まぁいいけど(笑) 女性だからどちらかといえばキャシーの気持ちの方が分かりやすかったし、ジェイミーの自分勝手な優しさに逆に傷ついてしまう気持ちも分かったけれど、かといってキャシーみたいに感情の起伏が激しい嫁は大変だろうなと思ったりもする(笑) でもジェイミーの浮気は許せいないし、それすらキャシーのせいのようにした置手紙には腹が立った(*`д´) まぁでも、お互いに自分勝手な部分があったから別れてしまったわけだからね。その辺り、ジェイソン・ロバート・ブラウンの反省点でもあるのかも?

 

画面に登場する人はいるけど、キャストは2人のみ。実際の舞台も2人芝居。ジェイミーのジェイミー・ジョーダンは「Newsies」でトニー賞ノミネート経験のある実力派だけあって、さすがに歌が上手い。声もいい。ジェイミーは基本いい人なんだけど、この映画に関して言えば、2人のダメな部分を見せたいのかなと思うので、いい人とは言い切れない感じを好演していたと思う。好青年感満載ではないけど、どこか共感させる感じはよかった。自身は共感はしなかったけど(笑) 同じくいい人とは言い切れないキャシーのアナ・ケンドリック。12歳の時に「上流社会」でトニー賞ノミネート経験あり。こちらも歌が上手い。小柄で華奢なのに声量もある。正直、アナケンドリックの顔はあまり好みじゃなかった。でも、笑うとカワイイ そりゃ出会った直後に有頂天になるよ(笑) キャシーが捨てられてしまったところから始まるわけで、ちょっと不利なスタートだったけれど、彼女のダメな部分も含めて共感できる人もいるのでは? 良かったと思う

 

とはいえ、これは失敗談なので、要するに共感し過ぎてもダメなんだよね? 自分にも思い当たる節があったら、教訓として生かせばいいのだし。それじゃダメだと思えれば、彼らよりは少し余裕があるのかもしれない。ストーリー自体は若い2人が出会って情熱的に結婚したけど、現実は厳しくすれ違い別れてしまったというだけの話で、それ自体は特別感動的な話でもない。だからこれは、ミュージカルであることを楽しむ作品。なので、ミュージカルが苦手な人はダメだと思う。自分はミュージカル作品として楽しめた。

 

見てからすでに4か月も経ってた 当然ながら上映終了しているので、気になる方はDVDで! ミュージカル好きな方おススメ。アナ・ケンドリック好きな方是非。

 

【曲名リスト】

#01:Still Hurting/別れの時

#02:Shiska Goddess/運命の出会い

#03:See I'm Smiling/破局への道

#04:Moving Too Fast/何かが始まる予感

#05:A Part Of That/消えない不安

#06:The Schmuel Song/初めてのクリスマス

#07:A Summer in Ohio/夢と現実のギャップ

#08:The Next Ten Minutes/結婚のとき

#09:A Miracle Would Happen/When You Come Home To Me/成功と誘惑

#10:Climbing Uphill/夢と自立

#11:If I Didn't Belive in You/すれ違い

#12:I Can Do Better Than That/実家へドライブ

#13:Nobody Needs To Know/愛が壊れたとき

#14:Goobye Untill Tomorow/Could Never Rescue You/旅立ちのとき


そういえば、4StarsでRaminが歌ったMoving Too Fastよかったな

 

『ラスト5イヤーズ』Official site

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