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【cinema】『デビル』(試写会)

2011-07-14 22:35:40 | cinema
'11.07.07 『デビル』(試写会)@よみうりホール

お友達のmigちゃんのお誘い。気になってたので鑑賞♪ なんだかんだと言っても、結局見てしまうシャマラン作品。まぁ、今回は原案と製作のみですが…


*ネタバレありです!

「転落事故が起きたばかりの高層オフィス・ビル。偶然同じエレベーターに乗り合わせた5人の男女。突如エレベーターが停止してしまい、閉じ込められてしまう。電気が消える度、人が殺されていく。犯人は誰なのか…」という話。これは密室サスペンス・ホラーという感じでしょうか… 展開的にはベタだけど、王道ゆえに見所がきちんと用意されていて、飽きてしまうことはない。それなりにおもしろいけど、全く怖くない(笑)

実は見る前、配給会社の人が、女性の方は関係者席にどうぞと言うので、最前列の2人席へ移動。おトイレ行って戻ってきても、まだ関係者席への誘導していて、そのアナウンスを落ち着いて聞いたところ、どうやらリアクションをカメラで撮影、鑑賞後コメント撮りが条件だったらしい! それはムリってことで席移動。個人的にあの暗視カメラの映像のリアクション & 声を揃えてのコメントCM好きじゃないので… 周囲でもあんまり評判よくないので、やめた方がいい気がする。余計なお世話だけど(笑)

で、上から見てたら、元いた席の直ぐ近くでカメラ撮ってたけど、多分私達の映像はカットだと思う。全くリアクションしてないので(笑) 怖くないから… ホラー映画なのに怖くないって言っちゃうと全否定になってしまうけど、閉じ込められた5人の中に犯人がいるんじゃないかってことで、捜査やストーリーが展開して行くので、密室サスペンスとしても楽しめる。タイトルが『デビル』である以上、悪魔が出てくるのは分かっているわけだから、逆にその設定を受け入れやすかった。キリスト教徒の方々は、幽霊などよりも悪魔の方が怖いらしく、しばしば悪魔登場の映画が作られる。日本人としては悪魔ってピンとこない。漠然とした理解だし、そもそも信じていないので怖くない。ホラー映画ならば、例えば『エクソシスト』は傑作だと思うけど、知らずにサスペンスだと思って見てたら、実は悪魔の仕業だってオチだとガッカリする。そのオチにしちゃったら何でもありじゃんと思ってしまうし。でも、それは悪魔を信じていないからなんだよね。欧米人にとってみれば悪魔は恐怖の対象なのでしょう。

個人的には悪魔憑きとかっていうのは、精神病の一種であって、エクソシストっていうのは、ある意味催眠療法なのかなと思っているけれど、この作品では犯人は悪魔そのもの。一応人間の姿はしているけれど、悪魔。だって『デビル』だって言ってるから(笑) ということは、ネタバレも何も乗り合わせた人達の中の誰かが悪魔なわけで、それならばスッキリ犯人逮捕とはならないけれど、一応犯人は特定されるということ。なのでサスペンスとして見ても、それなりにおもしろい。超常現象的なシーンもあるけれど、犯人が自分は悪魔だと思い込んでいる人物としても、十分成り立つストーリー。正直、現時点では事件なのか、自殺なのか分かっていない転落事故が起きたばかりのオフィスビルが、何事もなかったように稼動しているのはどうか? とか、ツッコミどころ満載だったりするのだけど、まぁその辺は話を進める上では必要な部分でもあるので問題なし。転落死についていえば、製作者であるシャマランの『ハプニング』同様、オープニングでドーンっと落下してくるっていうのをやりたかったんだと思うので、それだけでOK。だって、この事故全然生かされてないし(笑)

この転落死を捜査していた刑事が現場に駆け付ける。かなりの高層ビルだけど、ビル管理室には2人しかいないっていうのも不自然な気もするけど、まぁいいか(笑) 初老の男性と南米系の男性職員。南米系の男性は早い段階で悪魔の存在を訴えるも、初老の男性には相手にされない。このキャラ分けはよかったと思う。2人とも適度に有能(笑) ほとんどの場面が、この管理室とエレベーター内部のみ。後は、管理会社職員と、刑事、刑事の部下がそれぞれ出入りする際に、別の場所が登場するくらい。それもほぼビル内に限られている。その感じはよかったんじゃないかな。特別新しい演出とも思わなかったけど、飽きてしまうことはなかったので。

管理室の声はエレベーター内には聞こえるけれど、エレベーター内の声は管理室には届かない。ケータイも圏外。身元確認が遅くなることと、被害者達の不安が募る効果としてはよかったと思う。被害者の身元は徐々に明らかになっていき、それが彼らが集められた理由でもある。汚い手口を使い、大損した客から恨まれているディーラー、暴力事件ばかり起こしている黒人ガードマン、金持ちの夫との離婚訴訟でもめている女性、スリの老婆、ひき逃げ事件を起こした男性。で、結局その内の1人が実は悪魔で、この人物達に制裁を加えようとしているということ。イヤ、確かにいい人物達ではないので、その設定に特に異論はないけど、悪魔ってそもそもそういう存在なの? 悪魔って善人を悪の道に落とすとか、無差別に殺すとか、そういう存在なんだと思っていた。正義の観点から制裁を加えるっていうのは、悪魔のイメージと違っていたんだけど・・・ それは、まぁいいとしても、この人達確かにいい人物達ではないけど、悪魔がわざわざ出張してきて、制裁を加えるような人物達でもないよね。それなら、もっと制裁を加えられるべき人達たくさんいると思うんだけど・・・。捕まっていない凶悪犯はいくらでもいるし、利権がらみの政治家とかね! まぁ、作品のこじんまり感としてはこんな感じでいいのだけど(笑) でも、初老の管理会社職員は不明だけど、いち早く悪魔の存在に気づく担当としてのメキシコ系職員や、刑事も集められた人物だという設定は面白い。刑事とたった一人生き残る人物との意外な関連も面白かったし、刑事の下した決断も「汝の敵を愛せよ」という教えにのっとったものであって、それこそが人類を救うのだということなのかと思う。

*以下ネタバレ!

犯人については、特別勘がよくなくても分かると思う。だってその人じゃないと、全然おもしろくないし。で、これはアガサ・クリスティーの「そして誰もいなくなった」が下敷きにあるのかな? あれも、法律では裁けない罪を犯した人々を孤島にあつめて、中の一人が次々制裁を加えていた。そして、その犯人が途中で死んだことになっている人物であるというのが、どんでん返しなんだけど、その偽装死因が首吊りだった気がする・・・ ちょっと、自信ないけど。犯人が動き出した時、この作品を思い出していた。

キャストはほとんど知らなかった・・・ 刑事役のクリス・メッシーナは『ジュリー&ジュリア』のジュリーの旦那さん役の人だったんだね。あの旦那さん好きだったのに全然気づかなかった(笑) あと、乗客の1人ジェフリー・エアンドはチラシに『(500)日のサマー』と書かれているのを読んで気づいた。でも、最初に出てきた瞬間、てっきりシャマランお得意のカメオ出演だと思って笑ってしまった。直ぐに間違いに気づいたけれど(笑) こちらも乗客の1人ローガン・マーシャル=グリーンは『アクロス・ザ・ユニバース』に出てたみたいだけど、全く思い出せない・・・ という感じで、とっても地味(笑) まぁ、こういう作品は俳優の演技力とか評価しにくい部分はあるけれど、全体に漂うチープ感には合っていたと思う。ほめてます!

フィラデルフィアの街の感じとか、画がちょっとかっこよかった。クリス・メッシーナの刑事と生存者が帰る夜景とか、ちょっとフィルム・ノワールっぽい画がかっこよかった。オープニングの映像と、エンディングの映像が呼応してるのは、逆にダサい気もするけど、まぁよし(笑)

ということで、全然怖くなかったけど、普通におもしろかった! まぁ、シャマラン作品に怖さを求めて観に行く人もあまりいないかもしれないけれど・・・ でも、何故だか見ちゃうシャマラン映画(笑) 毎回、それなりにおもしろい。今回もそんな感じ。特別、オススメもしないけれど、見て損はしないと思う。

『デビル』Official site


コメント (2)
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