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【cinema】『第二回下北沢映画祭グランプリ準グランプリ作品上映会』

2011-02-06 16:22:00 | cinema
'11.01.22 『第二回下北沢映画祭グランプリ準グランプリ作品上映会』@北沢タウンホール

とっても長いタイトルだけど、昨年秋に下北沢で開催された『第二回下北沢映画祭』でグランプリ、準グランプリを受賞した作品の上映会。各監督の新作も合わせて上映。昨年秋の映画祭には行けなかったのだけど、グランプリを獲得したのは、お友達のmigちゃんの弟さん片岡翔監督の『くらげくん』 なんと観客賞とダブル受賞 『くらげくん』は『PFF Award 2010』で1度見ているけれど、新作『ゲルニカ』が是非見てみたかったし、他の監督の作品も気になったので行ってきた!



北沢タウンホールは初めて行ったのだけど、思っていたより広め。20分前くらいに到着したけど、ロビーはかなり混んでた。3部構成になっていて、まずはグランプリ、準グランプリの作品の上映会から。

★第1部★
『最低』 (30分) 今泉力哉監督 【第二回下北沢映画祭 準グランプリ】

「亜美の家に元ストーカーからと思しき封筒が届く。そこに入っていたのDVDに同姓相手・正雄の浮気現場が映っていると思った亜美は、妹にそのDVDを見てほしいと頼みに行く。一方そのころ、正雄は仕事をさぼってパチンコをしていた。」(チラシより)

これ、何角関係って言うんだろ(笑) 正雄は実は三股をかけている。亜美と浮気相手、そして亜美の妹。亜美のストーカーしげるには、思いを寄せてくれる女性(名前を失念・・・)がいる。それぞれ、何となく一方通行。その感じを少しコミカルに描いている。亜美と正雄は同姓しているくらいだから、もう落ち着いた関係になっているのか、新鮮味がなくなっている。清楚な感じの亜美と違い、積極的で色っぽい浮気相手は刺激的だけど、あまりに積極的になられて引き気味。彼女の妹と浮気なんてそれこそ最低。でも、この妹のロリっぽさが、亜美や浮気相手にない感じでいいんでしょう。そしてなにより刺激的なんだと思うけれど、実際の正雄は刺激を求める遊び人というよりは、優柔不断でだらしなくズルズル系という感じ。この俳優さんが個性的でとってもいい。どう考えてもモテそうじゃない風貌なのもまたいい。でも、意外にモテるのはこんな感じの人って気がして妙に納得。"最悪"じゃなくて"最低"であることに説得力があったのはこの役者さんのおかげ。

個人的にはストーカーしげると、彼に告白して毎回振られる彼女のエピソードが好きだった。ストーカーをしていることを承知で好きになっているのだから、この彼女もちょっと不思議なのでしょうけれど、2人の会話がとっても自然でまるでつき合ってるみたい。そして、化粧っ気の全くないこの彼女、実はけっこう美人。亜美よりこの子の方がいいのに(笑) まぁ、その辺りも多分狙いなのでしょう。おもしろかった!

*しげる役の役者さんは打ち上げに参加。最後、近くの席に来たので「あ、しげるさん」と声をかけてみた(笑) 他の方とお話されていたので、それ以外の会話はなし・・・

『くちゃお』 (3分55秒)奥田昌輝監督 【第二回下北沢映画祭準グランプリ】

「ガムを噛むことが生きがいの小学生くちゃおはクラスの嫌われ者。みんなで風船を一斉に飛ばしても、くちゃおは風船を手放さない。学校からの帰り道、風船ガムを噛みだすと、様々なものに変化していき、空想は飛躍していく。そこへ鳥が飛んできて…」(チラシより)

これも面白かった。水彩画みたいな絵のアニメーション。あえてカクカクした動きに撮ってるんだと思うけど、その画面いっぱいに広がるくちゃおの顔がいい。顔なのに青とか入れちゃってるけど、そのごちゃ混ぜ具合がすごくいい。ちょっと小憎らしい感じがカワイイ(笑) かすれたような男の子の講談口調(?)のナレーションもいい。

『くらげくん』 (14分) 片岡翔監督 【第二回下北沢映画祭グランプリ】

「くらげくんは、ぼくのともだち。くらげみたいなふくをきてるから、くらげくん。くらげくんは、ぼくのことが好き。くらげくんも、ぼくも、男の子なのに。」(チラシより)

2回目の観賞。詳しい感想はコチラに書いているけれど、やっぱり好き。ほんわかした雰囲気の中に、ちょっぴり毒があって、そして切ない。主役2人の子役くんがとってもいい。昨年、国内映画祭で13冠獲得! 納得です。

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少し休憩を挟んで、監督達の新作を上映。時間になって、場内が暗くなったのに、なかなか始まらなくてどうしたのかと思ったら、なんと1本目の今泉監督の作品は、直前まで編集作業をしていて、まさにギリギリ持ち込みだったためだったことが、上映後のトークショーで発覚! こういうのも貴重な体験(笑)

★第2部★
『TUESDAYGIRL』 (44分) 今泉力哉監督

「結婚を間近に控えた関口と高木。リストラされたことを彼女・田代に言えないでいる木村。木村はいきなり田代から「別れたい」と告げられる。ある日、関口は元彼女・青木に結婚することを告げに行く。」(チラシより)

河原でお弁当を食べる木村と関口のシーンから始まる。チラチラ2人の方を見ながら川に石を投げる女子高生2人。実はそのうちの1人がTUESDAYGIRLなんだと思うのだけど、よく考えると主役って誰なんだろう(笑) 多分、木村なんだと思うんだけど、冒頭のシーンではその会話から関口なんだと思っていたし、タイトルやラストシーンからすると、女子高生? イヤそれはないか(笑)

木村と関口のそれぞれのキャラが面白かった。一見すると長髪、ヒゲ、失業中の木村の方がいい加減に見える。同棲中の田代が髪を切っても気づかないし・・・ 逆に関口は同棲中の高木と結婚しようとしているし、田代のほんの少し切った髪にも気づける、ちゃんとした男に見える。

田代は木村が自分に関心のないことに傷ついて不機嫌。高木は関口との結婚が決まって幸せ。でも、関口が元カノとの約束だからと、結婚報告に行ってくると言われて内心穏やかではない。関口の結婚の決意と、この約束が4人に変化をもたらす。

どちらも、男性側の態度や行動に女性側が憤るのだけど、真逆の結果を生む。そして、いい加減に見えていた木村よりも、関口の方がよっぽど女性を傷つける結果になる。結末やプロット自体はそんなに新しくはないのかもしれないけれど、その皮肉さが面白かった。

*木村役と関口役の役者さんも打ち上げに参加されていた。席が遠くて挨拶すらしていないけど、一応、一緒に飲んだことになっている(笑)

『オーケストラ』 (6分30秒) 奥田昌輝監督

「シンプルな線によって描かれたオーケストラが、メタモルフォーゼすることにより奏でる音と映像のハーモニー。」(チラシより)

オーケストラの演奏を線で表現。その線が楽器になったり、音符になったり、演奏者になったりする。絶えず画が動いていて飽きさせない。絵のタッチが違うなと思ったら、これは別の方が描いたのだそう。完成度で言ったらこちらの方が高いように思うけれど、絵や画のインパクトや面白さは『くちゃお』の方が好き。

『ゲルニカ』 (21分) 片岡翔監督

「世界に終わりをみた少女と、少女に世界をみた少年。悲劇は忘れてはいけないのか。忘れるべきなのか。」(チラシより)

良かったコレ! 片岡監督作品は『Mr.バブルガム』、『くらげくん』、『ゲルニカ』しか見ていないけど、この『ゲルニカ』が一番好きかも。

登場人物は少年と少女。そして少女の母。母娘は遠くへ行こうとしている。少女は少年を呼び出す。この2人のシーンがホントに美しい。ただ並んで歩いているだけなんだけど、少年は多分知っているんだと思う。その切なさがスゴイ。

タイトルの『ゲルニカ』は言わずと知れた、ピカソの名画。この名画とピカソがとても重要。ピカソは見捨てなかったんだと思ったら涙が溢れた。切ない・・・ 切なくて美しい。

母親役の女優さんが良かった。そして、少年と少女の無垢な美しさがスゴイ。今しか出せない美しさ。

*上映会終了後、恥ずかしそうにしていた主演の川村悠椰くんがかわいかった 日本代表の岡崎似! ほめてます!

★第3部★
トリウッド代表の大槻貴宏氏が聞き手となって、片岡翔監督・今泉力哉監督・奥田昌輝監督とのトークショー。それぞれ、作品にこめた思いや、製作の苦労や裏側、新作や次回作について語り、とても興味深かったのだけど、メモを取っていなかったので正確な言葉が伝えられないし、長くなってしまうので割愛・・・ すみません・・・


コメント (9)
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