まりっぺのお気楽読書

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『ヘラクレスの冒険』ヘラクレス=エルキュール

2009-04-18 10:11:44 | アガサ・クリスティ
THE LABOURS OB HERCULES 
1947年 アガサ・クリスティ

イギリスの小説って、詩や童話、過去の名作からの引用が多いですよね?
クリスティはよくマザー・グースや他の名探偵の事件を作品の中で書いていますが
この短篇集はまるまる1冊ヘラクレスがやり遂げた偉業が下敷きになっています。

ある晩友人と話していたポアロは、同名のヘラクレス(エルキュール)に倣って
興味ある12の事件を解決したら、探偵を隠退しようと決心しました。
(ご存知のようにその後もポアロの活躍は続きます)

好きだった事件をあげてみます。

『ネメアの谷のライオン(The Nemean Lion)』
重大な事件しか引き受けないと決心したポアロに、誘拐されたペキニーズに支払った
高すぎる身代金を取り返してほしいという依頼がきました。
聞けば同じような事件が何件も起こっているというのです。
ポアロが事件を引き受けたのは、依頼者の顔が気になったからでした。

ペキニーズ! 生まれたてのライオンより弱そうですが、この物語に登場する
お人好しのコンパニオン、ミス・カーナビが飼っているペキニーズは勇敢ですよ。
小さな事件がきっかけでしたが、見事凶悪犯罪を防ぎます。さすがポアロ。

『ステュムパロスの鳥(The Stymphalean Birds)』
海外で休暇を過ごしているハロルドは、ホテルに同宿していたイギリス人女性が
野蛮な夫を殴り殺す場面に出くわしてしまいました。
彼女に同情していたハロルドは事件をもみ消すための金を工面してやりますが
ホテルの客である不気味な双子の老姉妹に金を要求されてしまいます。

教訓、どんなに言葉が分からなくても自分でコミュニケーションをとることが大事!
クリスティを読むと、詐欺師って昔から悪賢いですが、電話やメールだけの
容貌も演技も不要なお手軽な詐欺より、はるかに芸術的な気がします。
褒めてるわけではありませんけど…

『ゲリュオンの牛たち(The Flock of Geryon)』
ペキニーズ事件で知り合ったミス・カーナビが、新興宗教に入った友人が心配だと
ポアロを訪ねて来ました。
ミス・カーナビの度胸を見込んだポアロは潜入捜査を依頼しますが
しばらくして会った彼女はすっかり教祖を信じてしまっているようでした。

宗教については何も思うところはありませんが、どこの国でも不況になると
たくさん出没するものなんですね。
これだけあれば、中には不埒な団体もあるでしょうよ。
私はとりあえず、銭洗弁天で洗った千円札だけは信じて宝くじを供えております。

ヘラクレスの物語って、ヨーロッパの人たちならピンとくるものなのでしょうか?
私はさっぱり分かりません。
ポアロが「低能な野蛮人じゃないか!」って怒ってますが、そんな人なのかしら?
とりあえずヘラクレスを知らなくても楽しく読めました、ということで…

短篇集ですが、おおいに満足!の一冊
読んでみたいな!という方は下の画像をクリックしてね


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