医療・介護を支える継続企業の知恵袋

毎日ブログを書き続け10年が過ぎました。2025年、2042年に向けた医療介護の厳しい時代を乗り切る策を考えます。

わなわな

2016-06-20 05:24:33 | 薬局
「調剤重視から」への仕掛けが始まる。

閣議決定とは、政府の意思決定機関である閣議において、全大臣合意のもと決定される政府全体の合意事項である。
要は、少なくとも現内閣が存在する限り閣議決定に基づいた政策が実施されることになる。

私のセミナーでは、この閣議決定された「骨太の方針」について、これからの薬局経営に対する影響を解説している。
このブログでも何度か紹介している。
思い出して欲しいが2014年度の「骨太の方針」の中に「調剤重視から服薬管理・指導重視への転換を検討する」とある。
これについては「調剤を軽視して」と読み取れると常々伝えていた。
どうも調剤報酬の「調剤料」にメスが入りそうな気配を感じる。

昨年の3月12日に行われた「規制改革会議 公開ディスカッション」では、医薬分業について「コストに見合ったサービスを受けたと感じたか?」と、院内と院外の患者自己負担の格差が大きな問題となった。
これを境にマスコミ各社から薬局における調剤報酬の是非論が繰り広げられた。
日本医師会から出された資料では、高血圧、糖尿病、不眠、胃炎の患者の例で、院内だと420円であるが院外では1,840円にも患者負担が増えるとしている。
この大きな要因は「調剤料」にあった。
この例では一包化加算も含まれての話である。
さらに「調剤基本料」「薬剤服用歴管理指導料」の410円の是非にまで及んでいる。

また、リスファックスがリークし、後に朝日新聞が取り上げた「無資格調剤」の問題も露呈した。
その結果、昨年6月25日には厚生労働省医薬食品局総務課長からの通知として「薬剤師以外の者による調剤行為事案の発生について」が出され、「軟膏、水剤、散剤等の医薬品を薬剤師以外の者が直接計量、混合する行為は、たとえ薬剤師による途中の確認行為があったとしても薬剤師法第19条への違反に該当する」と明確にされた。
ただ、だれもが不思議に感じたと思うが、ここに錠剤がない事である。

先日のPNBでは2015年度の厚生科学研究の「薬局・薬剤師の業務実態の把握とそのあり方に関する調査研究」が報告されている。
この厚生科学研究は厚生労働省が科学的根拠に基づいた行政政策を目指して、予算を組んで調査研究を支援している。
どうもこれは厚生労働省から公表された「患者のための薬局ビジョン」を受けての報告のようだ。
その内容から読み取れることは、薬剤師の業務時間で調剤に要する業務が最も多く、60%前後にもなるそうだ。
これでは本来の処方監査や服薬指導、後発医薬品への切り替えなどが手薄になる。

この内容を見てピントきたのが「患者のための薬局ビジョン」に使われた「かかりつけ薬剤師としての役割の発揮に向けて」の資料である。
この資料では現状の薬剤師による業務の7割が「対物業務(薬中心の業務)」となっており、それが期限は記されていないが、将来は2割になると描かれている。
薬中心の業務とはまさに調剤行為を指している様な気がする。

もし錠剤の取り揃え(ピックング)から「調剤料」が無くなって、薬剤師以外でも可能となったらどうなるのか。
「調剤料」は大幅に削減できる。
但し、再現性のない軟膏、水剤、散剤は薬剤師でなければならない。
これって医療費抑制じゃないのかと思わざるを得ない。

そんな下準備が水面下で始まっていると感じているのは私だけなのか。

さて、昨日石巻から戻ってきました。
現地の皆様には多大なる対応をいただき感謝します。
腹いっぱい、胸いっぱい、心いっぱいの研修ツアーになりました。
心からありがとうございます。






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