このまま行くとどうなるのか不安だけが募る。
このブログで何度も伝えてきているがドラッグストアの調剤売上が異常に伸びている。
調剤専門の薬局の領域が侵されつつある。
その要因は何なのか。
医薬分業率も上げ止まり状態の中で調剤薬局はどうなるのだろうか。
特に中小薬局の経営者はもっと危機感を持って対応しないと”茹でかえる”になってしまう。
直近のドラッグストア全体の調剤売上の推移を通産省の商業動態統計で見てみると、昨年11月が9.8%、12月が9.5%とほぼ10%を維持している。
年が明けて1月は10.5%、2月は13.2%と引き続き好調である。
この10%の伸び率は7年経つと売上がほぼ2倍になる。
調剤市場全体はわずかながら伸びているが、ドラッグストアに市場が大幅に浸食されていることが分かる。
”眠れる獅子”だったコスモスとサンドラッグも静かに調剤事業に触手を伸ばし始めている。
ドラッグストアにとって調剤事業は“美味しい果実”である。
処方箋単価は概ね1万円強であり、粗利益率は38%前後になる。
ドラッグストアの粗利益率は22%くらいと言われていたと思う。
それに比べると10%くらいの値引きがあってもまだ高利益である。
実際には処方箋への値引きは出来ないが、算定できない報酬があっても影響ない。
患者にとっては安い印象が残る。
さらに調剤ポイントも健在である。
ドラッグストアでの調剤待ち時間は買い物タイムになる。
患者にとっても待ち時間が有効に使える。
待ち時間はドラッグストアにとっては大歓迎である。
処方箋の扱いはある面での”客寄せパンダ”になっている。
逆に、生活必需品だけではなく食品の品ぞろえが処方箋の扱いをアピールする効果がある。
最近では地域の高齢者が増加している。
高齢者が困るのは移動手段である。
いわゆる買い物難民化する傾向がある。
あるドラッグストアは移動販売車が稼働しだした。
高齢者施設でも同様に買い物需要がある。
特に、高齢者施設は女性が8割以上である。
高級化粧品が売れる。
しかも処方箋付きである。
施設側としても助かる。
入所者からの買い物代行サービスをドラッグストアが代わってくれる。
時代が変わりつつある。