医療・介護を支える継続企業の知恵袋

毎日ブログを書き続け10年が過ぎました。2025年、2042年に向けた医療介護の厳しい時代を乗り切る策を考えます。

待っていればチーズがやって来る

2016-10-13 06:25:02 | 薬局
高価薬が出る。

今話題になっている「免疫細胞療法」がある。
新しい考え方で、がん患者にとって大きな希望の薬である。
自分ががんになってしまったら”藁おもつかむ“気持ちですがるだろう。
ところがその薬価はとんでもないくらい高い。
患者1人が1年間使うと年3,500万円、適応の非小細胞肺がんの患者のうち半数が使うとすると、年1兆7,500億円にもなるそうだ。
早期がんなどを除き、オプジーボの対象になる患者5万人程度に対して1年間投与すれば3,500万円×5万人で、1兆7,500億円となる計算だ。
国の医療費は2015年度概算で41.5兆円である。
そう考えると医療制度は崩壊してしまう。

しかし、今まで完治が難しい疾患でも治せる時代になってきた。
昨年から急速に使用されたC型肝炎治療薬は、確実に成果を見せている。
逆に治ったせいか使用料が少なくなりつつある。

限られた医療財源の中で直接命に係わる医薬品や技術はお金には変えられない。
もちろん患者も家族も最先端を希望する。
となると、現医療費のどこを削減するかになってくる。

私が知る範囲で調剤技術料なる報酬があるのは日本くらいだってことを知っているだろうか。
ほとんどの国は薬価差益で薬局の経営を賄っている。
日本の仕組みが異なっている。
調剤報酬は診療報酬の一部である。
診療報酬は医療に対する貢献に対する報酬と受け止めている。
では、調剤報酬はどんな医療を提供し、どの様に患者の治療に貢献しているだろうか。

批判されそうだが現実を見直す必要がある。
先ず、処方せんを受け取っただけで「調剤基本料」が請求できる。
この「調剤基本料」のどこに医療があるだろうか。
もし医療があるのなら薬局の規模で格差は生じない。
提供するサービスは施設の大小とは関係ないからだ。
さらに「後発医薬品調剤体制加算」もおかしな報酬である。
患者が好むと好まざるに関係なく後発医薬品を数多く扱っていると算定できる。
昨年問題になった「調剤料」もはっきり言って薬を取りそろえることで患者の病気が治るのか。
無資格調剤から課長通知が出されたが「軟膏、水剤、散剤はたとえ薬剤師の管理下のもとで行われても薬剤師法第19条に抵触する」と明確になった。
では、錠剤は未だにグレーである。

何となくこんな事が「対物業務から対人業務へ」「薬中心の業務から患者中心の業務へ」を予告するメッセージに感じる。

まだまだ新しく画期的な医薬品も斬新的な医療技術も出て来るはずだ。
そんな中で薬局の調剤技術料がいつまでも続くとは思えない。
限られたパイの奪い合いだ。
大きなビジネスシフトを迫られていると感じて欲しい。

先日、友人が今さらながらに「チーズはどこに消えた」を紹介してくれた。
小さな薄っぺらは本である。
でも中身から見えてくるものは大きい。





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