事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

極私的大河ドラマ史PART10 樅ノ木は残った

2017-05-27 | 大河ドラマ

柳家喬太郎 「錦木検校 」

PART9「天と地と」はこちら

1970年は「樅(もみ)ノ木は残った」。これまた国民作家、山本周五郎の原作。この小説を読んだときに特集したように、数多くの企みがしこんであることに呆然とした。

・一般的には悪役でとおっている人物を主人公にしたこと

・その主人公の心の奥底がなかなか見えてこないのを、悪玉のいらだちという形で明確化したこと

・樅ノ木に性的な意味も付与していたこと

ね?一筋縄ではいかない作品でした。

悪役を主役にすえるギャンブルは、しかし「花の生涯」以来、大河の伝統芸のようになっている。伊達騒動の首謀者として悪名高い原田甲斐には、市川雷蔵が予定されていたけれど、彼の死去によって平幹二朗に変更されたというのが通説になっている。はたして病魔に冒されていることが歴然としていた雷蔵を本気で起用するつもりだったかはわからない。でも、表情からまったく考えが読めない人物を演ずるとすれば、雷蔵は適役だったろうと思う。

平幹二朗の抜擢はしかし奏功した。「三匹の侍」(フジ)の虚無的な侍役ですでに人気が爆発していた彼は、この大河で実力を発揮。のちの活躍を考えれば、原田甲斐という深謀遠慮キャラはぴったりだったかも。

視聴率的にはさほどの数字は残さなかったようだけど、傑作大河という評価はかたまっているみたい。

悪役、伊達兵部に佐藤慶、そのバックにいる酒井雅楽頭に北大路欣也。ちなみにこの酒井雅楽頭、落語の世界では「三味線栗毛」、そこの一部をピックアップした「錦木検校」(柳家喬太郎のが絶品!)の登場人物なので、この描かれ方はうれしいんだか哀しいんだか。

他には吉永小百合が声を失った少女役で(彼女が、原作のラストで“濡れる”のだ)、作品を貫くテーマの象徴である鹿に殺される女性に栗原小巻という豪華版。のちに平幹二朗と壮絶な舞台をつくりあげる蜷川幸雄も出演しています。

コメント
この記事をはてなブックマークに追加

日本の警察 その89 「慈雨」 柚木裕子著

2017-05-26 | 日本の警察

その88「教場2」はこちら

群馬県警を定年退職した元刑事、神場(じんば)は、妻とともに四国八十八カ所を巡るお遍路の旅に出る。彼は在職中にひとつの屈託をかかえていて、その後悔が巡礼につながる。妻も、うっすらとその事情は察している。

寺をめぐるうちに、群馬で幼女の死体が発見される。そのニュースは神場に16年前の同じような事件を否応なしに思い出させた。当時、彼らが逮捕した人物は、無実だったのではないか……

日本の警察において、退職した人間が現在進行形の捜査にどれだけコミットできるかはよくわからない。しかし16年間かかえた後悔が(かなりひねった形ではあるけれど)現実の捜査の方向性を決めていく。神場夫妻はお遍路の過程でこれまでの生活をふりかえり、そしてお遍路に“出なければならなかった”人たちとの出会いから、事件の真相に(はるかに遠い四国から)気づいていく。

要所要所で読者を泣かせる仕掛けが施してあり、これがかなり有効。実はわたしも泣きました。夫妻の娘の出自のくだりなど、わかっていてもなお、涙がこらえきれない。

しかし、「孤狼の血」でも感じたのだけれど、どうもその仕掛けがわかりやすすぎないだろうか。お遍路探偵という魅力的な設定が、あふれるほどの人情噺のためにくどくなっている気がする。

たとえば神場は、もしも16年前の事件が冤罪だとすれば、自分の財産をすべて投げだそうとまで考える。それは立派だけれども、日本の警察らしく、ここはもっとダークな解決法を模索すべきだと思ったし、それでこそ警察小説としてもう一段味わい深くなるところだとつくづく。

2016年の「本の雑誌」ベストワン。確かに、はまる人ははまると思う。まあ、わたしとて地元在住の美人作家だからめちゃめちゃ応援はしているんですが。

コメント
この記事をはてなブックマークに追加

リーク

2017-05-25 | ニュース

5月22日付けの読売新聞に、とても奇妙な記事が載った。社会面にでかでかと

「前川前次官 出会い系バー通い  文科省在職中、平日夜」

見出しも扇情的。名物次官だった前川氏が天下り斡旋がらみで引責辞任したのは、学校事務職員関係で尽力してくれた彼のことだからみんなご存じのことと思う。なぜ、こんな記事がこの時期に載ったのだろう。

読んでみると、歌舞伎町の出会い系バーに頻繁に出入りしていたとあるが、

「教育行政のトップとして不適切な行動に対し、批判が上がりそうだ」

と記述してあって、つまりはまだ批判は出ていない。というか、記事のほとんどは出会い系バーの説明に終始し(「女性らは、『割り切り』と称して、売春や援助交際を男性客に持ちかけることが多い」)、いかにも前川氏が「売春」や「援助交際」の常習であるかのような記事になっている。

疑問はいくつも。

・すでに退職した元公務員について、ここまで大きく報ずる意図はなにか

・前川氏の行動を、誰が“見張って”いたのか

今朝、すべて了解できました。週刊文春の広告は

「『総理のご意向』文書は本物です」文科省前事務次官独占告白150分

というスクープがトップ。加えて朝日新聞が一面トップで

「総理の意向」担当課が文書提示  獣医学部計画 行政ゆがめられた

と加計学園問題がらみの見出し。

わたしは最初こう思った。前川氏は読売の意味不明な記事の意趣返しのために朝日の取材に応じたのかと。よく考えたら逆ですよね。文春と朝日に加計がらみで前川氏が取材されたことにあせった誰かが、前川氏つぶしに動いたのだろう。

一連の流れが納得できたとして、なによりもわたしは読売がすっかり政権の道具に堕していることが哀しい。記者のモチベーションも下がっているだろうなあ。栄光の読売新聞社会部はいまや……ところで、前川氏を尾行していたのはどの役所?

コメント
この記事をはてなブックマークに追加

勝手に人生相談Vol.03 5月になれば彼女は

2017-05-24 | 日記・エッセイ・コラム

Simon & Garfunkel - April Come She Will

Vol.02「天国の涙」はこちら

公務員の20代女性。配属された部署の仕事に能力が追い付きません。人間関係もつらく、毎日、憂鬱です。

私はあまり仕事ができる方ではなく、失敗ばかりです。気を付けようと思っても、結局どこかで失敗し、自分に嫌気が差します。

部署のトップは、人が傷付くような言葉で指導します。私がミスした時は、「あなたみたいに若くて幸せそうな女の子にはわからないと思うけど」と言われました。他部署の人も、仕事のミスに対して嫌みをネチネチと言います。ドキッとする言葉がいつ、また自分に向けられるかおびえながら、仕事をしています。

前向きに考えようとしてもできません。仕事と人間関係から逃げ出したくて仕方ありません。いっそ辞めてしまおうかと思いましたが、同じ公務員の夫に、つらいのは今だけだからと、反対されました。

人事異動はつきもので、夫の言葉にも一理ありますが、ストレスで体重も減りました。心の持ちようを教えてください。
(兵庫・J子)

読売の回答者である土肥弁護士は、仕事ができないというのは、あなたの思い過ごしのような気がする、と判断。わたしもそう思います。失敗と成功の境界線は人それぞれでしょうが、J子さんはどうも成功のハードルが高すぎるのでしょう。

むしろ気になるのは上司や“他部署”の人との関係のほうで、どうやらストレスの多くはそちらに起因している。明らかにその特定の人物たちへの恨みつらみで凝り固まっているような気さえします。

気持ちはわかりますが、傷付くような言葉でしか指導できないとすればその上司たちが無能なのであって、「若くて幸せそうな女の子」のふりだけでも続けていければいいのに、と利害関係のないわたしなどは思います。むずかしいでしょうけどね。

それから、これだけは言えます。まわりを見渡して、ああ能力のある他の人がうらやましいとお考えでしょうが、誰でもミスはします。確実です。わたしなんかしょっちゅうです。

それでも公務員を長くつづけてこられたのは、他の人たちもミスをするんだということを、少なくとも知っていたからだと思います。適確なアドバイスをくれる、同じ商売の配偶者がいることはやはり幸福であることをお忘れなく。

本日の一曲はサイモン&ガーファンクルの「4月になれば彼女は」。「冬の散歩道」や「ミセス・ロビンソン」でも痛感するけれど、このデュオのサウンドってすげーおしゃれじゃないですか。特にポールのギター。こりゃ、ソロになってからスタッフ組の連中と組むのは必然だったか。

この曲でも歌われています。5月は休む月なんですよ。

コメント
この記事をはてなブックマークに追加

阪神 0-1 巨人(5月23日 甲子園)

2017-05-23 | スポーツ


いやはや、日本のプロ野球はやっぱり面白い。
正直に言って、去年までの菅野は、確かにいい投手ではあるけれども、見ていてそれほど楽しいピッチャーではなかった。どこかに余裕のなさが見え隠れしていて。

それがどうしたんでしょう。今年は相手によって、えーと、誤解をおそれずに言えば態度を変えるのだ。本気モードに入るとマジで人が変わる。

“ギアを上げる”

と本人も含めてみんな表現している。怒る人もいるんじゃないすか(笑)

でも糸井に対してのピッチングだけを見ても、そら恐ろしくなるほど。

7回裏の三者連続三振には、菅野のポテンシャルを見せつけられた。

他にも、9回裏の亀井のシフトとか、小林の守備力とか、見せ場の多い試合だった。阪神ファンだって今日の菅野の投球には満足したはずだ。

何が言いたいかというと、その昔に同じようなピッチャーがいたなあと。あれは中日戦だったか、客を満足させるために、というより自分が納得したいために9回裏に最速のストレートで勝負し、それ以前にはどこか省エネだった男。

そうです。江川卓です。菅野の伯父さんって原じゃなくて江川だったんじゃないの?

コメント (2)
この記事をはてなブックマークに追加

「円山町瀬戸際日誌」 内藤篤著 羽鳥社

2017-05-23 | 映画

興行というのは、本当にわからないものだと思う。十年も港座上映会にからんでいても、どうしてこの作品にまったく客が入らなくて、こっちには押しかけるのかさっぱり。

むかしから作品の評価よりも興行価値のほうに興味があった人間にして、こうなのである。少しは鼻がきくつもりだったのに、今年に入ってからの北米興行収入の約半分がディズニーのものって数字を見せつけられると、もう何も言えなくなってしまう。映画興行とはいったい何だろう。

「円山町瀬戸際日誌」は、エンタテインメント系の弁護士が、映画好きが高じて名画座を経営することになった、まさしく瀬戸際の日々を描いている。

映画館の名はシネマヴェーラ渋谷。色っぽい街である円山町のシネコンの4階にある。座席数142。いい数字だなあ。ちなみに、いま上映されているのは石井輝男十三回忌記念として「女体桟橋」。うわあ。

“館主”である内藤さんによれば、東京の名画座事情はなかなか複雑で、いい番組をもとめて新文芸座やラピュタ阿佐ヶ谷、そして神保町シネマが常に競争しているのだとか。

そして、映画獣(笑)と呼ばれる名画座フリークが固定客としているらしい。しかしビーストだけでは先細りなので、なんとか一般のお客さんたちを呼びたいのだが……

内藤さんもまた、どんな映画に客が来るのかわからないでいる。フリッツ・ラングや黒沢清に客は来ても、もっとメジャーで新しい作品の集客は苦しいのだとか。そのあたりが映画興行の闇だし、面白いところなのだろう。

喫緊の課題は、映画のデジタル化。35ミリのフィルムで上映するスタイルはまもなく消滅する。新しいフォームに名画座は、そして日本映画界は対応しきれるのか。

シネコンだけでは映画はさみしい。そして映画館で見てこその映画であることを考えれば、名画座の存在価値に疑いはない。名画座の灯を消すな、などと大上段に構えて言いたいわけじゃない。こんな面白い商売を、内藤さんにはもっと続けてほしい。それだけだ。

コメント
この記事をはてなブックマークに追加

おんな城主直虎 第20回 第三の女

2017-05-21 | 大河ドラマ

第19回「罪と罰」はこちら

前回の視聴率は13.6%と意外にしぶとかった。で、先週がお休みの回なら今週はコントの回。だいじょうぶか(笑)。

直親(三浦春馬)の子と称する娘が登場。演ずるはオスカーの期待の星、髙橋ひかる。どことなく三浦に似ているあたりが周到。

こういう騒ぎは昔は多かったろう。最も有名なのは徳川吉宗における天一坊事件。わたしは子どものとき、柴田錬三郎原作の「男は度胸」(NHK)でこの事件を知り、浜畑賢吉演ずる吉宗が、確か三田佳子との間にできた本当の子である天一坊(志垣太郎)を死に追いやり、ために最終回で晩年の寂しさが強調されていて「うわー、オトナって哀しいんだなあ」と深く感じ入っておりました。嫌なガキ。

演出は高瀬と名乗る彼女が直親の本当の子であるかに重きを置いていない。高瀬の母親という第三の女の登場によって、直親の第一の女(柴咲コウ)と第二の女(貫地谷しほり)がようやく仲違いを終え……うーん。しんどいなあ(笑)

亀、やっちゃったかとしみじみする鶴(高橋一生)のおかしみはあるとはいえ、わたしはこの娘が偽者だといつひっくり返して見せるのかと思っていたので、あれまお姫さまになっちゃったよとびっくり。

確かに、井伊家にとっては望外の宝だったかもしれないが(だってこれからいろいろと使える)、どうもすっきりしない。偽者っぽい伏線がバリバリはってあったのは何週かあとに回収されるんだろうか。

さすが静岡のお話だけあって鏡餅にみかんがのってるんだなあとか、家康(阿部サダヲ)がまだ今川家に心の底では圧倒されているんだなあとか、そういう細かいところにしか心動かず。視聴率はなお降下して11%台と読みました。

コメント   トラックバック (14)
この記事をはてなブックマークに追加

「メカ豆腐の逆襲」 とり・みき著 イーストプレス

2017-05-20 | アニメ・コミック・ゲーム

とり・みきについて、はたして漫画ファンはどうとらえているのだろう。長いことファンであるわたしは、だからこそそのあたりがわからなくなっている。

だいたい若い読者の方々は、このギャグ漫画家(なんですよ)をご存じですか。ほぼ同世代ということもあって、おこがましいけれども彼を“追走”する気分で生きてきたのだが。

熊本県に生まれ、SFにめざめた彼は少年チャンピオンでデビュー。70年代末の「こまけんハレーション」「バラの進さま」のギャグや絵柄は完全に吾妻ひでお。SFマインドと美少女キャラも受け継いでいた。

週刊でギャグ漫画の連載を続けるのは、どれだけ才能があったとしても苦しい。そこで彼は、「るんるんカンパニー」と「クルクルくりん」で、ギャグの連続だけでなく、シチュエーションコメディの要素を採り入れることでしのいでいた。わたし、この二作品は大好きだったなあ。特に「るんるん」の深水くるみというキャラが、当時付き合っていた……あわわわ、よけいな話でした。

秋田書店となにかあったのか、次第に他の雑誌に活動の場を移し、平凡パンチでエッセイ漫画の傑作「愛のさかあがり」、TVブロスで不条理ギャグ漫画の金字塔「遠くへいきたい」を発表。もう、このあたりで「一生ついて行きます!」状態。いったい何度くりかえして読んだことであろう。

そしてこの、「メカ豆腐の逆襲」なる短編集には、なんと少年チャンピオン創刊40周年記念「クルクルくりんfeaturingるんるんカンパニー」という夢の合体企画も。おお、秋田冒険王センセイ!もう彼が出てきただけでウルウル。うわあ吉田さん(最強のボケ役)まで!

……わたしはAmazonで本を買うことを自らに禁じている人間だけれども、とり・みきだけは仕方がない。おっと、つづいて唐沢なをきの「まんが家総進撃」までポチッとしてしまったぁ!

コメント
この記事をはてなブックマークに追加

明細書を見ろ! 2017年5月号 勝負服。

2017-05-18 | 明細書を見ろ!(事務だより)

4月号「扶養手当」はこちら

4月の初め、学校教育課から電話がかかってくる。

「あの……」

「……はい?」

「どうもすみません」

一瞬にして悟る。“あれ”がやってくるのだと。

 ◆

あれ、というのは学校事務の業界では有名な市の定期監査。5月中旬という時期がしんどいのと、その内容もまたしんどい。

例年、現金管理に問題があるとか集金の在り方がなっていないとかが指摘され、某校などはほとんど難詰状態、某校ではけんか腰……退職までやってこなければいいなあ、と日頃から邪悪なことを考えていたむくいが。だいたい、去年が県の監査で今年は市って、どこまで狙われてるものだか。

事前に教育委員会の職員が書類をチェックしながら

「うちの監査事務局にはね、フリクション(こすると消えるボールペン)を使っているかひと目で見破る人がいるんです」

「書類をバァーッとながめて、すぐわかっちゃうらしいんだなあ」

そんな超能力者を相手にするのかよ(泣)。日頃さぼっているために、らしくなく残業、らしくなく休日出勤。ふううう。



さあサイキックたちがやってまいりました。簿冊審査には事務職員がひとりで4人の監査員に立ち向かわなければならない。査問か。

「○○の通帳を出してください」

いちばん見られたくない部分からスタート。やっぱり超能力者なのか。ことここに至ってようやく事務補助も事務室でびびっている。

「だいじょうぶだよ」

「なんでですか」

「おれ、このYシャツ着てるから。」

「は?」

「おれさあ、このシャツを着ると、どんな時でもどんなことでもうまくいくんだ。」

「……。」



「避難計画はどうなってますか個人情報保護はちゃんとやってますか不登校の状況は教育支援員の配置と費用対効果は特定の業者の取扱高が大きいようですが財務システムの決裁はどうなってます給食費の未納の実態は収入調書はちゃんと作成してますか学校集金の監査状況は物品の検収の状況を教えてくださいところでこの伝票の紙の色は白すぎないですか」

てな質問の嵐をなんとかいなすことができたのは、やはり勝負服のおかげ。だいたい、いちばんきつい部分の監査にやってきたのが中学の同級生だったなんて奇跡は、なかなか起こるものではありません。



四日後の本監査もこのシャツ着用。実は妻が不在だったため、クリーニングもしないで着ていたんです。どうもすみません。

画像は「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー リミックス」(MARVEL=ディズニー)

監査があろうと映画は観る。原題は「リミックス」ではなくて「Vol.2」。1作目で主人公のお母さんがつくっていたベストテープ(死語)にはVol.2があった!というノリ。グレン・キャンベルの「哀愁の南」とシルバーの「恋のバンシャガラン」に爆笑。50才以下の人は絶対に知らない曲。実はこの映画、なんと最後に泣かせます。


コメント (2)
この記事をはてなブックマークに追加

極私的大河ドラマ史PART9 天と地と

2017-05-17 | 大河ドラマ

PART8「竜馬がゆく」はこちら

さあつづいては「天と地と」。ここから本格的に大河ドラマを見始めたといえるかも。題材は海音寺潮五郎が上杉謙信と武田信玄の激突を描いたもの。

のちに角川春樹が映画化したけれど、いやはやドラマが存在しない映画だった記憶が。むしろ渡辺謙が病気で降板し、榎木孝明が代役に選ばれた楽屋裏の方がよほど……

それはともかくこちらの主演、上杉謙信には石坂浩二。武田信玄には「太閤記」の信長役で人気が爆発した高橋幸治。謙信をかわいがる乃美役に「おはなはん」の樫山文枝と、NHKとして鉄壁のキャストを用意。おかげで視聴率はV字回復。

日テレでコント55号がなりふり構わず野球拳で勝負した「裏番組をぶっとばせ!」の“裏番組”とは「天と地と」のことだったとか。わたし、そろそろ色気づいてきたけれども、さすがに日曜夜のお茶の間で野球拳は見られませんでした(笑)。

「裏番組をぶっとばせ!」の制作者は「ウィークエンダー」などの細野邦彦。なぜこの名が印象深いかというと、小林信彦の名作「オヨヨ大統領」シリーズで、苦み走った、しかし味のわかる男という憎い役のモデルとして登場していたから。

ほんとに極私的になってきた。

「天と地と」の成功は、豪華キャスト以前に謙信の子ども時代を演じた中村光輝の人気にもよる。あのぷっくりした顔でいたいけなセリフを放つ彼の人気っぷりはわたしもおぼえている。で、彼が成長すると細面の石坂浩二に交代(笑)。

いまでも川中島における謙信と信玄の一騎打ちは名場面として心に残る。子ども心に「こんなことほんとにあったわけないじゃん」と、ひねたことを考えていたけれども(謙信が妻帯しなかった事情がどんなものだったかはさっぱり覚えていないのに)、それに似た接近遭遇はあったのかもね、と年をとったわたしは鷹揚にかまえております。そう考えた方が楽しいし。

他には、織田信長に杉良太郎、濃姫に上村香子(きれいでした!)、北条氏康に中村梅之助、謙信の母に新珠三千代という布陣。面白かったっす。

PART10「樅ノ木は残った」につづく

コメント
この記事をはてなブックマークに追加