事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

日本の警察~その64「刑事のまなざし」

2013-12-25 | 日本の警察

20130906005546dd3 その63「人質」はこちら

テレビドラマをDVDレンタルで楽しむ悪徳にはまっているうちの奥さん。現在熱中しているのは「大都会」(日テレ)。石原プロ制作のこの刑事ドラマは、PARTⅡ以降は(松田優作を投入させるなどして)軽いアクションが売りだった。でも、PARTⅠはひたすらに暗い。メインライターは倉本聰

まことに上質なドラマなのに、ひとつ大きな欠点があった。若手の新聞記者を演じる男優が、拙劣とかそういうレベルを超えてひどかったのだ。おかげで、彼が登場すると画面のボルテージが一気に下がり、渡哲也×石原裕次郎の競演をもってしても救われずにいた。

そのころ読んでいた雑誌では「“あいつ”さえいなければなー」と編集者が嘆じていたものだっけ。あいつ……新人当時の神田正輝という人です。

さて「刑事のまなざし」のお話は、法務技官出身の夏目刑事という特異なキャラクターが売り。法務技官?わたしも知らなかったのだけれど、鑑別所や刑務所において更生を助ける職のようだ。

ある事情があって、犯罪者を狩る立場に転職した夏目は、しかし法務技官当時の優しいまなざしを失っていない。薬丸岳の原作は、こんなストーリーから予想もできないほど残虐なものを秘めていて、TBSはそこんところをうまく調理できたのだろうか。

特に、ドラマでは森口瑶子が演じたらしい看護師の“真の動機”をどう処理したのかなあ。「水戸黄門」でおなじみの時間帯。お年寄りたちは怒らなかった?

という具合にとても面白い原作。ドラマの評判もいい。さーてちょっと様子を見てみましょう。ほー、夏目役は椎名桔平か。燃費の悪い車に乗って「はいはいはいはい」とかましていたフジのドラマの正反対の性格。なかなかいいじゃないですか。他にも松重豊、北村有起哉などの「八重の桜」組もいい感じ。

ところが、ところがところが、女性刑事役の小野ゆり子という女優がすべてを台無しにしている。妙に演技をため、いかにも直情ですよと主張しつづけるその感じがいやでいやで。え?大森南朋の奥さんなの?ちゃんと演技指導してやってよ大森ぃ……。

その65「代官山コールドケース」につづく

刑事のまなざし (講談社文庫) 刑事のまなざし (講談社文庫)
価格:¥ 680(税込)
発売日:2012-06-15
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