その60「機龍警察 暗黒市場」はこちら。
「踊る大捜査線」などで警察がらみの監修を行っていたのがこの人。警視庁捜査一課出身であることがどれだけ誇らしいかがよくわかる書。S1Sという赤バッジを彼らはつけているが、Search 1 Select(選ばれし捜査一課員)という意味。近ごろ刑事ドラマでも赤バッジをよく見かけるようになったのは飯田氏の影響もあるのかも。
でも猟犬としての捜査一課をそこまでエリート意識づけにして、他の課の連中のモチベーションはどうなるのかなあ。
さてこの本は、警視総監賞18回、トリカブト事件などにも関係した元刑事が警察の裏事情を語ったもの。警察無線は特殊なイントネーションをつけて行われるが、ただひとつ誘拐がらみだけは自然な口調でなければならないなど、なるほどと唸る事例多数。
この人が警察を辞めるきっかけになったのは、先輩たちがボロボロになって退職するか、現職中に死んでいくのを見ていたから……でも彼も四十代で退職して新しい仕事に就いたものの、2010年にやはり早逝している。警察がハードワークであることを、自身が立証してしまったことになるだろうか。
その62「教場」につづく。
警視庁捜査一課刑事 (朝日文庫) 価格:¥ 672(税込) 発売日:2011-04-07 |