事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

八重の桜~第三十話「再起への道」

2013-07-28 | テレビ番組

Redsea 第二十九話「鶴ヶ城開城」はこちら

前回の視聴率は14.5%。もうちょっといくと思ったのにな。なにしろプチ最終回と言っていい回でしたから。もっとも、勢いがよかった7月期のドラマが、その勢いをなくして視聴率が急降下しているのに比べたらまだマシかな。

さて、後半戦開始。八重は米沢にいる。山形県人として解説しておくと、福島と米沢は、それはもう本当に近いです。地勢的にも文化的にも。わたしのような庄内の人間からすると、福島は遠いなあと思っているのに、米沢を中心とした置賜の人たちは「ちょっと忘年会をやるから福島へ」という感じ。

しかしいくら近いとはいえ、敗残の人たちはやはりしんどい。「あの八重さんですね!」と喜ぶ会津出身の女性にしても、「身体が冷たい」と吐き捨てられる境遇に。ここ、かなり踏み込んだ描写です。いくさに負けた武家の子女は、同じような形で生き残った人も多かったでしょうし、それは死ぬことで自らを完結させた男ども(今回は萱野権兵衛が代表していた)よりきついかも。

ここでグッと出てきたのが覚馬の娘であるみね。行商をしながらも武家の娘である誇りを失わないあたりの意地。この子、うまかったんだ。

わたしがわからないのは、ここにきて会津に領地を保全させた新政府の意向だ。徹底的にぶっ叩いておいて、なぜそんな措置を?むしろその方が反逆の芽をつむことができるとふんだか、あるいは斗南に追いやることで勢力をフェイドアウトできると判断したのか。約束の地であるはずの陸奥は当時しかし……まるで十戒におけるユダヤ人のように会津の人たちは描かれていたけれど、紅海に路が出来るようなことにはならないし、もはや会津にモーゼはいない。

尚之助は江戸にいる。そして斗南に行くと山川大蔵に語らせる。ここは微妙。なにしろこの大河においていちばんきついのは、戊辰戦争が終わった途端に登場人物たちの配偶者総取っ替えなこと。さあどうなるんでしょう。

視聴率的にはこれからが正念場。ただでさえ幕末ものは視聴率がとれないというのに、明治にいたっては「獅子の時代」「翔ぶが如く」「春の波濤」と惨敗つづき。いつまでも信長=秀吉=家康をやっているわけにもいかないし、忠臣蔵だって……「海は甦る」「坂の上の雲」とチャレンジしてきたNHKの意地を見せてほしい。

ってことで期待を込めて……でも15%台かな。

第三十一話「離縁のわけ」(うわあ!)につづく

コメント
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