第二十話「開戦!鳥羽伏見」はこちら。
前回の視聴率は予想大外れで13.7%。ここで下降するとは思わなかった。
このドラマを見続けていると、登場人物に、特に会津のキャラに肩入れしていることに気づいて、ああ自分は庄内人だなあと。
八重の弟、三郎が薩摩の銃弾に斃れる。彼が身につけていた南天の刺繍が、これから意味を持つことに。ちょっとグッときましてよ。特に、自分の弟になっていたかもしれない三郎をかき抱いた山川大蔵が、覚馬のふりをしてあげる慟哭には……
今回はたくさんの“賢い”人物が出てくる。
・大政奉還や二条城脱出など、どう考えてもいくさを避けているとしか思えない徳川慶喜は、今度は大阪をとんずら。しかも藩士抜きの松平容保を連れて。おまけに榎本武揚の船をぶんどって。頭のいい人はやることがスマート。
・鳥羽伏見の戦況を冷静に見ていた神保修理は、江戸への退却を容保に進言する。しかしとんずらの責をひとり負わされることになる。
・会津の危機を感じた八重の夫、川崎尚之助は、形だけの薩長への恭順を主張する。しかし「ならぬものはならぬ」と義父の権八に面罵される。
……賢さはなくてはならないものだ。特に為政者にとっては。しかし、イージーな賢さは、時に大きな罪となる。どうも鳥羽伏見の戦いの勝敗は、火力の差によるものと思われているようだけど、実は徳川と薩摩の覚悟の差、胆力の差という描かれ方だ。
慶喜はおのれを守るために容保を切り捨て、容保もまた似た構図で神保修理を見捨てる。どちらも歴史的にバカ殿あつかいはされていないのでしょうが、トップが責任をとらないのは日本の歴史的伝統なのかなと得心。修理役の斎藤工は、まさしく「君のためなら死ねる」を実現してみせた。妻の芦名星のディアハンター悲劇パターンもここで現実のものに。
榎本武揚初登場。「この人は、どんな人だっけ」と妻。それでも北海道の女かっ。
登場人物に次々に×印がついていく展開。さあ来週は誰が死ぬんだろう。視聴率は画が派手だし泣かせたので14%復帰と読みました。
第二十二話「弟のかたき」につづく。