事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

龍馬伝~第18話「海軍を作ろう!」

2010-05-02 | テレビ番組

Yoohizumi 第17話「怪物、容堂」はこちら

前回の視聴率は21.8%で、二週連続全ジャンル中トップ。逆転もありうるかと思ってた「新参者」は15.1%と一気に下がってしまった。うーん、視聴率はわからん。でも、いちばんうれしかったのは今シーズンのベストバウトに違いない24日の「巨人VS広島」の健闘。あの試合を観るのと観ないのでは野球観が変わるぜよ。

今回は権謀術数うずまく政治のお話。江戸と都の綱引きは、わかりやすいドラマ以上に、さぞや文書のやり取りがあっただろう。攘夷の期日を区切らせるという手法は武市半平太(大森南朋)の妙手だったはず。普天間問題で自分から期限をもうけてしまった現首相の方策がいかに愚かだったか……アメリカが果たして、政治オタクであった京のように突っこんでくるかは微妙だけどね。

さて、政治の妙といえば人事。人をおだて、取り立てることでむしろ武市を孤立させていく山内容堂(近藤正臣)はさすがの怪物ぶり。簡単にのせられてしまう勤王党は、容堂にくらべればやはり無邪気な存在に映る。

地味なストーリーだっただけに演出は戯画化がすぎるのではと心配になるくらい。みんながオーバーアクトするものだから、あの大泉洋が地味に見えるくらいだ。酒井若菜とのからみなど、もっとしっとりやらせてあげたかった。むしろ人斬りに明け暮れた岡田以蔵(佐藤健)が、あっさりと勝海舟に論破されるあたりのコント芝居の方が笑える。これまで。暗い表情しか佐藤にさせてこなかった反動もあるだろうが。

「おめえ、なんでああいうの(龍馬)とつき合わねぇんだよ」

は、人たらしの名人である勝麟太郎らしい名セリフ。明治維新まであと5年。歴史はうなりをあげて動いている。

好調な視聴率はこのまま推移するでしょう。今回は22%ジャストと読みました。阪神VS巨人がとんでもない試合をしているようでも、江戸の視聴率には影響なし(笑)

第19話「攘夷決行」につづく

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日本の警察~その30「後悔と真実の色」 貫井徳郎著 幻冬舎

2010-05-02 | 日本の警察

51mbpxvlmul その29「機動隊」はこちら

連続殺人については、数多くの変則技が編み出されてきた。ABCで考えれば、

①Aを殺したいが、その動機を隠すためにBとCを殺す

②Bを殺したいが、その動機を隠すためにAとCを殺す

③Cを殺したいが、その動機を隠すためにAとBを殺す

④実は連続殺人ではないが、AとBの死を利用してCを殺す

⑤Aを殺した犯人への復讐のためにBとCを殺したので連続殺人に見える

⑥AとBの死によって精神的に追いつめられたCが自殺したので、不可解な連続殺人が成立する

⑦実は連続自殺事件だった

……えーとあとどんなのがあったっけ。

ここに新手登場。叙述トリックとからめて、物理的にありえない四人の連続殺人が……すいません途中で犯人わかっちゃいました。でも、警察小説としてはひたすら面白い。知らなかったネタも満載だ。

殺人が起ったからといって捜査一課殺人班が現場にいきなり乗り込むことはなく、まず現場資料班(警視庁捜査一課強行班捜査第二係)が赴くとか、機動捜査隊と捜査一課の間には(一課にエリート意識があるからこそ)ぬきがたい反駁があるとか。

 主人公が所属する捜査一課第九係の面々の壊れっぷりも渋い。まともな家庭生活を送っている人間は皆無で、穏やかな人間関係を築こうなどと最初から思っていないあたりがどうにも危うい(ここ、重要です)。ほいでまた、みんな性格悪いんだ。

主人公が警察官になった動機もふるっている。

『結局、自分には語るべきものが何もないのだ。母親を幼いときに殺されたという大崎を前にしていると、よけいにそう感じる。語るべきものがないから、仕事に打ち込まざるを得ない。頼るべき強靱な何かが自分の中にないことを自覚しているからこそ、仕事に熱中することでその不安を紛らわせているのだ』

 名探偵と同僚から尊敬もされると同時に“揶揄”もされる主人公がこんな具合では、ラストのどんでん返しは必然だったかなあ。

慟哭」「修羅の終わり」と、加納朋子のダンナとは思えないぐらい貫井の作品は重いです。こちらの家庭はだいじょうぶなんだろうか。

その31「鑑識・米沢守の事件簿」につづく

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