「ドラえもんだらけ」(脚本/早川正、絵コンテ/前田康成、演出/宮本幸裕、作画監督/西本真弓)
冒頭のドラとのび太のやりとりが、非常に上手く原作の味を再現しており、観ていて楽しかった。のび太から宿題を頼まれた後、やけくそ気味にドラ焼きを食べるドラえもんの表情と、間がよかった。
そして、本作で一番気になっていたのは「8時間後のドラえもん」の壊れっぷりをどう描くかだったのだが、最初にドラえもんに連れられて机から現れた時は、原作の「やろう、ぶっころしてやる」とまで言ってしまう気が立った状態とは少々異なり、怒りにふるえて「いいかげんにしろ」と言うだけで、すぐ倒れてしまい、少々期待はずれだった。しかし、その後の、6時間後に宿題を終えてからのび太を追いかけ回す場面では、ドラえもんのキレっぷりがよく表現されていた。こちらの方で疲れきって、8時間前に戻った時には倒れてしまったと言うことだろう。伏線としては上手く機能していた。
全体的に、初期原作のドタバタと5人のドラえもんによるタイムパラドックスの不思議さは上手く描かれていたと思うが、のび太が廊下で寝ているシーンでは、たまに開いたドアから中の様子が見えてしまったが、これは原作通り声だけにして、ドラえもん達の姿は極力見せない方が、より効果的だったのではないかと思う。
また、上でも少し触れたが、「ぶっころしてやる」「ついにくるった」等のセリフがなかったのは、色々な事情があるにせよ、少し残念だ。前者については以前に「驚音波発振機」で「殺されるぞ」発言があっただけに、期待していたのだが。
「ミニシアター」(絵コンテ・演出/やすみ哲夫、原画/木村陽子)
原作は「よいこ」1970年12月号掲載作品(無題)。原作通りだし、時間が45秒しかないのでどうしようもないのだろうが、これはいくらなんでもオチが唐突すぎる。出来れば、もう少し、ドラとのび太を探し回る描写が欲しかったところだ。
「ココロコロン」(脚本/大野木寛、絵コンテ/前田康成、演出/宮本幸裕、作画監督/菅野智之)
原作は7ページと、やや短めの作品。そのため、今回はスネ夫とジャイアン絡みのアニメオリジナルエピソードが付け足されていたが、正直言ってこれは蛇足に感じた。ジャイアンは必要以上に悪く描かれすぎだし、スネ夫のエピソードに至っては原作のオチ部分の後まで引っ張っており、ネタ的に「たたりチンキ」や「百鬼線香」的な展開になってしまっていた点も気になった。本編となる少女と人形の物語は丁寧に描かれていただけに、残念だ。
今回は、レギュラー作品の尺が11分で固定されている事の問題点がはっきり現れてしまったと思う。原作の話だけでは時間が余る場合、どう話をふくらませるかは脚本と演出の腕次第なのだが、個人的には今日の出来は気にいらない。そう言えば、この話は大山版では「オモイデコロン」のタイトルで、12分43秒と更に長い尺でリメイクされている。この録画は残っているはずなので、明日にでもビデオを引っ張り出して、どんな展開になっていたか確かめてみたい。
冒頭のドラとのび太のやりとりが、非常に上手く原作の味を再現しており、観ていて楽しかった。のび太から宿題を頼まれた後、やけくそ気味にドラ焼きを食べるドラえもんの表情と、間がよかった。
そして、本作で一番気になっていたのは「8時間後のドラえもん」の壊れっぷりをどう描くかだったのだが、最初にドラえもんに連れられて机から現れた時は、原作の「やろう、ぶっころしてやる」とまで言ってしまう気が立った状態とは少々異なり、怒りにふるえて「いいかげんにしろ」と言うだけで、すぐ倒れてしまい、少々期待はずれだった。しかし、その後の、6時間後に宿題を終えてからのび太を追いかけ回す場面では、ドラえもんのキレっぷりがよく表現されていた。こちらの方で疲れきって、8時間前に戻った時には倒れてしまったと言うことだろう。伏線としては上手く機能していた。
全体的に、初期原作のドタバタと5人のドラえもんによるタイムパラドックスの不思議さは上手く描かれていたと思うが、のび太が廊下で寝ているシーンでは、たまに開いたドアから中の様子が見えてしまったが、これは原作通り声だけにして、ドラえもん達の姿は極力見せない方が、より効果的だったのではないかと思う。
また、上でも少し触れたが、「ぶっころしてやる」「ついにくるった」等のセリフがなかったのは、色々な事情があるにせよ、少し残念だ。前者については以前に「驚音波発振機」で「殺されるぞ」発言があっただけに、期待していたのだが。
「ミニシアター」(絵コンテ・演出/やすみ哲夫、原画/木村陽子)
原作は「よいこ」1970年12月号掲載作品(無題)。原作通りだし、時間が45秒しかないのでどうしようもないのだろうが、これはいくらなんでもオチが唐突すぎる。出来れば、もう少し、ドラとのび太を探し回る描写が欲しかったところだ。
「ココロコロン」(脚本/大野木寛、絵コンテ/前田康成、演出/宮本幸裕、作画監督/菅野智之)
原作は7ページと、やや短めの作品。そのため、今回はスネ夫とジャイアン絡みのアニメオリジナルエピソードが付け足されていたが、正直言ってこれは蛇足に感じた。ジャイアンは必要以上に悪く描かれすぎだし、スネ夫のエピソードに至っては原作のオチ部分の後まで引っ張っており、ネタ的に「たたりチンキ」や「百鬼線香」的な展開になってしまっていた点も気になった。本編となる少女と人形の物語は丁寧に描かれていただけに、残念だ。
今回は、レギュラー作品の尺が11分で固定されている事の問題点がはっきり現れてしまったと思う。原作の話だけでは時間が余る場合、どう話をふくらませるかは脚本と演出の腕次第なのだが、個人的には今日の出来は気にいらない。そう言えば、この話は大山版では「オモイデコロン」のタイトルで、12分43秒と更に長い尺でリメイクされている。この録画は残っているはずなので、明日にでもビデオを引っ張り出して、どんな展開になっていたか確かめてみたい。