先月から、CSの東映チャンネルで「ビデオ戦士レザリオン」が始まった。
これまで東映チャンネルは観ていなかったのだが、「レザリオン」は結構好きな作品で、これを逃したらいつ観られるか分からないと思い、1作のために契約してしまった。
しかし、「ビデオ戦士レザリオン」と言われても知らない人の方が多そうなので、少し解説しておこう。
本作は、「超電磁ロボ コン・バトラーV」以降、1年1作のペースで放映されてきた東映本社テレビ部製作のロボットアニメ第9作にして、最終作となった作品。
「コン・バトラーV」と、それに続く「超電磁マシーン ボルテスV」「闘将ダイモス」までは長浜ロマンロボシリーズとして知名度が高いが、放映局を東京12チャンネル(現・テレビ東京)に移した「未来ロボ ダルタニアス」以降はマイナーな存在だろう。DVDも出ておらず、近年は東映チャンネルの再放送くらいしか観る手段はない(「ダルタニアス」のみAT-Xでも放映)。
また、「ダルタニアス」以降、第8作の「光速電神アルベガス」までテレビ東京での放映が続いてきたが、最終作の「レザリオン」のみ、なぜか放映局がTBSに変わった。
本放送はTBSの日曜17時だったが、東海地区のCBCでこの時間帯に同時ネットしていたのか、または別時間での放映だったのかは記憶がない。実を言うと、本放送の時は観ていなかったのだ。私が本作を観たのは、1990年頃に行われたテレビ愛知の再放送だった。
1990年頃は、自発的にアニメを観るようになっていた時期で、今考えれば私の人生で本格的なオタクへの入り口と言える時期だった。
今のように異常なほどにはアニメの数は多くなく、また各局でローカル再放送も豊富だったので、「レザリオン」のようなマイナー作品も観ることが出来たのだろう。
さて、ここまで前置きが長くなってしまったが、1990年当時の私にとってこの「レザリオン」は、中盤の大胆な路線変更によるインパクトが非常に大きかった作品だった(以下、ネタバレ注意)。
何しろ、前半は「地球のゴミ捨て場にさせられて虐げられた月の反乱軍と、それを迎え撃つシークレットホース&レザリオン」と言う地味な設定だったのに、いきなり異星人・ジャーク帝国が月の反乱軍のボス・ゴッドハイド博士を殺して新たな敵となり、3クール目以降は異星人との戦いになってしまったのだ。個人的に、ここまであからさまなテコ入れによる路線変更を目の当たりにしたのは初めてだったので、ゴッドハイドが殺された時の衝撃は非常に大きかった。
また、特にシリーズ前半に言える事だが、リアルロボット路線とスーパーロボット路線を融合して、さらに一捻りを加えたような話が多くて、そこが本作最大の魅力だと思う。
レザリオン自身は、電送でどこにでもいきなり現れると言うちょっとずるいロボットで、全然「リアル」ではないのだが、対する月の反乱軍及び味方の地球連邦軍・シークレットフォースはほとんどが量産タイプのロボットで地味な戦闘が多く、そこにレザリオンを絡めてどのように戦いを進めるかと言う頭脳戦が面白かった。
シリーズ後半は、次々と色々な能力を持ったジャーク帝国の戦士が攻めてきてレザリオンと対決するありがちな展開になってしまったが、作品全体としての世界観は維持されており、こちらはこちらで楽しめた。
テレビ愛知の再放送でも最初の数話は観ておらず、今回の東映チャンネルで初めてきちんと第1話から観る事が出来たのだが、今観てもやはり面白くて安心した。昔に一度観たっきりの作品なので、もしかしたら記憶が美化されていて、実物を観たらがっかりしてしまうのではないかと心配していたのだ。
初期の話数では、第1話で「レザリオン」という名前をノリで命名してしまうブルーハイム博士や、幾多のロボットアニメに対する皮肉としか思えない第3話冒頭の敬の演説などが印象的だ。また、サイボーグ化されているとは言え、敵兵士が絶命するシーンがしっかりと描かれており、これが正義のロボットとしてはまずいと判断されて敵が異星人に変わったのか、などと考えてしまった。
それにしても、いかにも悪の親玉という感じで構えているゴッドハイドを見ていると、後の展開を知ってしまっているだけに可哀想になる。ゴッドハイドがなぜ地球を捨てて月に行ったか、悲しい過去が第4話でしっかりと描かれているだけに、あの扱いはもったいない。途中で退場させるにしても、もうちょっとマシな扱いは出来なかったのか。
また、今回初めて東映チャンネルの番組をまともに観たのだが、映像処理がかなり厳しく行われていたのは少々残念だ。第2話のディスコのシーンは、残像が多くて非常に目が疲れた。
最近問題になっている「爆走兄弟レッツ&ゴー!!」DVD-BOXの残像処理も、こんな感じなのだろうか。「レザリオン」に関しては、CSと言えどもテレビ放送なので仕方がないと諦めもつくが、もしわざわざ買ったDVDでこんな映像をみせられては、怒って当然だろう。
しかし、他のCSチャンネルに比べても、東映チャンネルは映像処理の基準が厳しすぎる気はする。まあ、それでも他に視聴手段がない以上、仕方がないのだが。とりあえず、当面は第13話「休日戦争」の回が楽しみだ。
これまで東映チャンネルは観ていなかったのだが、「レザリオン」は結構好きな作品で、これを逃したらいつ観られるか分からないと思い、1作のために契約してしまった。
しかし、「ビデオ戦士レザリオン」と言われても知らない人の方が多そうなので、少し解説しておこう。
本作は、「超電磁ロボ コン・バトラーV」以降、1年1作のペースで放映されてきた東映本社テレビ部製作のロボットアニメ第9作にして、最終作となった作品。
「コン・バトラーV」と、それに続く「超電磁マシーン ボルテスV」「闘将ダイモス」までは長浜ロマンロボシリーズとして知名度が高いが、放映局を東京12チャンネル(現・テレビ東京)に移した「未来ロボ ダルタニアス」以降はマイナーな存在だろう。DVDも出ておらず、近年は東映チャンネルの再放送くらいしか観る手段はない(「ダルタニアス」のみAT-Xでも放映)。
また、「ダルタニアス」以降、第8作の「光速電神アルベガス」までテレビ東京での放映が続いてきたが、最終作の「レザリオン」のみ、なぜか放映局がTBSに変わった。
本放送はTBSの日曜17時だったが、東海地区のCBCでこの時間帯に同時ネットしていたのか、または別時間での放映だったのかは記憶がない。実を言うと、本放送の時は観ていなかったのだ。私が本作を観たのは、1990年頃に行われたテレビ愛知の再放送だった。
1990年頃は、自発的にアニメを観るようになっていた時期で、今考えれば私の人生で本格的なオタクへの入り口と言える時期だった。
今のように異常なほどにはアニメの数は多くなく、また各局でローカル再放送も豊富だったので、「レザリオン」のようなマイナー作品も観ることが出来たのだろう。
さて、ここまで前置きが長くなってしまったが、1990年当時の私にとってこの「レザリオン」は、中盤の大胆な路線変更によるインパクトが非常に大きかった作品だった(以下、ネタバレ注意)。
何しろ、前半は「地球のゴミ捨て場にさせられて虐げられた月の反乱軍と、それを迎え撃つシークレットホース&レザリオン」と言う地味な設定だったのに、いきなり異星人・ジャーク帝国が月の反乱軍のボス・ゴッドハイド博士を殺して新たな敵となり、3クール目以降は異星人との戦いになってしまったのだ。個人的に、ここまであからさまなテコ入れによる路線変更を目の当たりにしたのは初めてだったので、ゴッドハイドが殺された時の衝撃は非常に大きかった。
また、特にシリーズ前半に言える事だが、リアルロボット路線とスーパーロボット路線を融合して、さらに一捻りを加えたような話が多くて、そこが本作最大の魅力だと思う。
レザリオン自身は、電送でどこにでもいきなり現れると言うちょっとずるいロボットで、全然「リアル」ではないのだが、対する月の反乱軍及び味方の地球連邦軍・シークレットフォースはほとんどが量産タイプのロボットで地味な戦闘が多く、そこにレザリオンを絡めてどのように戦いを進めるかと言う頭脳戦が面白かった。
シリーズ後半は、次々と色々な能力を持ったジャーク帝国の戦士が攻めてきてレザリオンと対決するありがちな展開になってしまったが、作品全体としての世界観は維持されており、こちらはこちらで楽しめた。
テレビ愛知の再放送でも最初の数話は観ておらず、今回の東映チャンネルで初めてきちんと第1話から観る事が出来たのだが、今観てもやはり面白くて安心した。昔に一度観たっきりの作品なので、もしかしたら記憶が美化されていて、実物を観たらがっかりしてしまうのではないかと心配していたのだ。
初期の話数では、第1話で「レザリオン」という名前をノリで命名してしまうブルーハイム博士や、幾多のロボットアニメに対する皮肉としか思えない第3話冒頭の敬の演説などが印象的だ。また、サイボーグ化されているとは言え、敵兵士が絶命するシーンがしっかりと描かれており、これが正義のロボットとしてはまずいと判断されて敵が異星人に変わったのか、などと考えてしまった。
それにしても、いかにも悪の親玉という感じで構えているゴッドハイドを見ていると、後の展開を知ってしまっているだけに可哀想になる。ゴッドハイドがなぜ地球を捨てて月に行ったか、悲しい過去が第4話でしっかりと描かれているだけに、あの扱いはもったいない。途中で退場させるにしても、もうちょっとマシな扱いは出来なかったのか。
また、今回初めて東映チャンネルの番組をまともに観たのだが、映像処理がかなり厳しく行われていたのは少々残念だ。第2話のディスコのシーンは、残像が多くて非常に目が疲れた。
最近問題になっている「爆走兄弟レッツ&ゴー!!」DVD-BOXの残像処理も、こんな感じなのだろうか。「レザリオン」に関しては、CSと言えどもテレビ放送なので仕方がないと諦めもつくが、もしわざわざ買ったDVDでこんな映像をみせられては、怒って当然だろう。
しかし、他のCSチャンネルに比べても、東映チャンネルは映像処理の基準が厳しすぎる気はする。まあ、それでも他に視聴手段がない以上、仕方がないのだが。とりあえず、当面は第13話「休日戦争」の回が楽しみだ。
最近のガンダムシリーズにこそ、こういう感じの歌をOPに持ってきてもらいたいのですが、おおはたさんの書かれる様にタイアップの場となっている近年の作品では難しいのでしょうね。
主題歌は、熱くて好きなアニメソングの一つなのですが、歌詞にきちんと「ビデオ戦士レザリオン」と入っているにも関わらず、歌を聴いてもレザリオンがどんなロボットなのかよくわからないところが凄いですね。「胸に勇気インプット」あたりは作品の世界観を反映していますが。
もっとも、レザリオンはレーザーソードくらいしか武器は持っていませんし、武器や必殺技連呼の主題歌は作りにくそうです。
>おおはたさんの書かれる様にタイアップの場となっている近年の作品では難しいのでしょうね。
タイアップでも、「天元突破グレンラガン」OPの「空色デイズ」などは、作品に合わせて上手く使われていたと思います。後半になって2番の歌詞に変更したのも効果的でした。
タイアップ前提であっても、どのように作品と絡めていくかは制作者のセンスが問われるところですね。もちろん、出来るならば可能な限りタイアップではなく純粋な「主題歌」を作るのが、一番いいと思います。