はなバルーンblog

藤子不二雄や、好きな漫画・アニメの話がメイン(ネタバレもあるので要注意)

「School Days」第12話を観て

2007-09-27 22:32:02 | マンガ・アニメ
 さきほど、AT-Xで「School Days」第12話が無事に放映された。
 あくまで地上波放送を前提に制作されたものだから、放送前は話題性のために騒がれていても、本編は大した内容ではないんだろうなと思っていたが、考えが甘かった。これは、斧事件と関係なく、地上波で放映できる内容ではないと思う。
 テレビ放映としてまずそうな直接的描写は少ないが、展開の凄まじさと、怖さを引き立てる方向で非常に気合いの入った演出、それに声優陣の熱演により、テレビアニメとして越えるべきでない一線を越えた作品となってしまった印象を受けた。


※以下、ネタバレ注意



 大方の視聴者の希望通り、誠は世界にメッタ刺しにされて死亡。噴き出る血が黒いのは、放映中止時のtvkの説明通り。ここまでは、まあいいとして(いや、やっぱりまずいか)、言葉が世界の腹を割いて妊娠の真偽を確かめるくだりは、いくらなんでもエグすぎる。
 この場面での言葉のセリフ「やっぱり、嘘だったんじゃないですか。中に誰もいませんよ」には、寒気を覚えた。結局、想像妊娠だったかどうかもはっきり示されていないので、世界が胎児もろとも殺されたかも知れないと思うと、余計に気分が悪くなる。

 そして、最後は海の上、ヨットに乗った言葉が誠の首を抱えて「やっと、二人っきりですね」でEND。何と、「Nice boat.」な場面が本編ラストに登場してしまった。tvkは、これをチェックした上であの代替番組を流したのだろうか。おそらくは偶然の一致なのだろうが、放映中止騒動とラストシーンがシンクロしてしまうとは、凄惨な場面なのに思わず笑ってしまった。

 ともかく、Aパートは三角関係でとことん鬱展開を描き、Bパートは殺し合いに死体解体で生首カバン詰めと、やりたい放題にもほどがある。
 今回これを観ていて、グロ表現の流れで以前にAT-Xで放映された「エルフェンリート」を思い出した。「エルフェンリート」は当初AT-Xのみの放映で、後にU局では規制入り版が流された。しかし、今回AT-Xで放映された12話は、提供画面やエンドカードも付いた地上波仕様だ。
 本気で、スタッフはこの最終話を地上波で流すつもりで作ったようだが、これを渡されたtvkをはじめとするテレビ局各局の担当者は相当悩んだのではないだろうか。今回、京都の斧事件があったから放映中止にしたのではなく、斧事件は口実にしただけで、最初から中止するつもりだったのではないかとすら思えてしまう。
 映像表現だけでなく根本的なストーリーに問題があるので、このままだと今後の地上波での放映は難しそうだ。


 それにしても、ネットでの実況もすごいスピードだった。地上波ならともかく、CSで、しかも加入者の限られるAT-Xでは史上最高レベルだろう。観られなくても一緒になって楽しんでいた人もいそうな気がする。
 最終話だけで十分に恐ろしい内容だったが、これまでの11話までを観ていれば、もっと楽しめたと思うとちょっと残念だ。特に、誠が殺された場面などは盛り上がる事が出来ただろう。いずれAT-Xで全話再放送される時は、4話以降も観てみよう。
 ともかく、ネタとしては凄い最終回だった。もう、お腹いっぱいです。