「鈴木理策 写真展 海と山のあいだ 目とこころ」 ニコンプラザ新宿

ニコンプラザ新宿
「鈴木理策 写真展 海と山のあいだ 目とこころ」
2020/7/21〜8/8



ニコンプラザ新宿で開催中の「鈴木理策 写真展 海と山のあいだ 目とこころ」を見てきました。

1963年に和歌山県新宮市に生まれ、2000年に木村伊兵衛写真賞を受賞した鈴木理策は、熊野や南仏のサント・ヴィクトワール山などの世界各地の風景を撮り続けては、写真作品として発表してきました。



その鈴木のライフワークともいえるのが、故郷の熊野の地での撮影で、今回の個展に際しても同地の写真が展示されていました。



岩の転がる海岸線や樹木の豊かに生い茂る山々、はたまた岩肌を落ちる滝の水飛沫など、ダイナミックな景観を捉えた写真も目立っていましたが、今回の展示に接して改めて感じたのは、細部に潜む際立った風景の美しさでした。



滝の筋はまるで細い糸を紡いだかのように繊細でありつつ、何気ない草地を写した作品からは、肉眼では見落としてしまうかのような小さな植物が茂る光景を目にすることができました。



まさしく息をのむほどに美しい景色とは、このことを指すのかもしれません。そこには生き物や自然の細部へ目を向けては慈しむ、写真家の心象が表れているように思えるほどでした。

「撮ったものを見ると必ず新たな発見がある。撮影者という主体と共に客観性を含むことは写真の大きな魅力です」 鈴木理策 



近年の鈴木理策の個展として思い出すのが、2015年に東京オペラシティアートギャラリーで開かれた「意識の流れ」でした。ここでも熊野の地をはじめ、草花や雪景色を写した作品が出展されていましたが、眩しいまでに美しく、時にはかなくも見える作品に大きく惹かれたことを覚えています。



2018年にはキヤノンギャラリーSにおいて「知覚の感光板」と題した個展も開催され、近代の西洋画家がモチーフにした土地を選んで撮影した風景写真の連作を見ることができました。



新型コロナウイルス感染症対策に伴い、会期が変更となりました。また入場時に検温の対応、及び手指の消毒をする必要があります。ただし予約制ではないため、当日の飛び込みでも観覧できます。撮影も可能でした。


日曜日がお休みです。8月8日まで開催されています。なお新宿での会期を終えると、ニコンプラザ大阪へと巡回(8/20~9/2)します。

「鈴木理策 写真展 海と山のあいだ 目とこころ」 ニコンプラザ新宿 THE GALLERY 1・2
会期:2020年7月21日(火) 〜 2020年8月8日(土)
休館:日曜日。
時間:10:30~18:30。最終日は15時まで。
料金:無料。
住所:新宿区西新宿1-6-1 新宿エルタワー28階
交通:JR線・京王線・小田急線・東京メトロ丸ノ内線・都営新宿線新宿駅A17出口より徒歩3分。都営大江戸線都庁前駅N5出口より徒歩5分。
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