ウィークリーブック『隔週刊 古寺行こう』 小学館

依然としてコロナ禍が続くも、18都道府県に適用されていたまん延防止等重点措置も解除され、この春は遠方への旅行を考えている方も多いかもしれません。



そうした中、全国の古刹を案内するウィークリーブック『隔週刊 古寺行こう』が、小学館より刊行されました。

『隔週刊 古寺行こう』
公式サイト:https://www.shogakukan.co.jp/pr/koji/
Twitter:https://twitter.com/koji_ikou
Facebook:https://www.facebook.com/kojiikou



『隔週刊 古寺行こう』は、全40巻、約130のお寺を1年半にわたって取り上げるもので、3月8日に1号『法隆寺』と2号『東寺』が同時発売されました。※3号『東大寺』は3月29日発売。以降隔週火曜日発売予定。

まず目立つのが誌面4ページ分の引き出しページを用いた「寺宝ギャラリー」で、1号『法隆寺』では『救世観音』と『涅槃像土』が極めて精細な写真にて掲載されていました。いずれも写真家の三好和義さんによって撮影され、『救世観音』に至っては実物大でした。



通常の拝観では暗くて分かりにくい『涅槃像土』も、目の前にて覗きこんでいると錯覚するほどリアルに写されていて、横たわる釈迦の周りで嘆き悲しむ仏弟子のすがたを臨場感をもって見ることができました。これほど繊細な写真で『涅槃像土』が捉えられたことは、ひょっとすると過去になかったかもしれません。



そして伽藍、仏像、宝物なども拡大写真を用いながら丁寧に解説されていて、お寺の見どころを分かりやすく知ることができました。小学館のウィークリーブックでは、以前、全国の国宝を紹介した『週刊 ニッポンの国宝100』も充実していましたが、それと比べてもテキストに厚みが増しているようにも思えました。


第1号『法隆寺』では「斑鳩の古刹をめぐる」と題し、中宮寺や法輪寺、法起寺についても解説していて、あわせて「旅の栞 斑鳩の里」として斑鳩の宿やカフェも紹介していました。私もかつて法隆寺を訪ねた際、法輪寺や法起寺へ歩いて巡ったことがありましたが、誌面に記載されていたレンタルバギーでドライブするのも面白いのではないでしょうか。



実際に現地へ赴いて有用なのが、巻末の「境内地図」と「広域マップ」で、特に「境内地図」はQRコードよりスマホへ閲覧することも可能でした。(※)また第1号『法隆寺』の別冊付録の「京都・奈良行事カレンダー」もGoogleカレンダーへと行事予定を共有することができました。こうした誌面からスマホへと連動するのも『隔週刊 古寺行こう』の新たな取り組みと言えるかもしれません。※小学館IDアカウントが必要

この他、橋本麻里さんの「寺院建築の見方」や田中ひろみさんの「仏像のフシギ」といった連載も充実していました。ともかく美しい写真にばかり見惚れてしまいますが、豊富なテキストとじっくり向き合うのも『隔週刊 古寺行こう』の楽しみ方の1つとなりそうです。



さて現在、公式ツイッターでは、好きなお寺や思い出のお寺などを自由に発信する「#推し古寺」のキャンペーンが行なわれていますが、私が『隔週刊 古寺行こう』の古刹の中で特に推したいのが、一昨年に訪ね歩いた奈良の室生寺です。



奈良盆地の東、宇陀市内の山中に位置する室生寺は、「女人高野」とも呼ばれ、多くの人々の信仰を集めてきました。



金堂や弥勒堂、また本堂などは緑深い山中に点在していて、とりわけ石段の上にすがたを現す五重塔の美しさには目を見張るものがありました。



また山の緑の匂いとともに、湿り気を帯びた空気が全身に染み渡るかのようで、自然と一体化したような佇まいも強く印象に残りました。※『隔週刊 古寺行こう』では第8号にて長谷寺とあわせて掲載予定。

なお小学館では過去に2度、『週刊 古寺をゆく』(2001年創刊)と『週刊 古寺を巡る』(2007年創刊)を刊行していて、累計実売数は1400万部を記録しました。


今回の『隔週刊 古寺行こう』は、約15年ぶりとなる新たな「古寺シリーズ」となりますが、情報や知見の更新はもとより、撮り下ろし写真やスマホとの連動など新たな試みがなされているのは言うまでもありません。



来年9月にかけて130のお寺を紹介する『隔週刊 古寺行こう』を読みながら、全国の古刹を巡るのも良いのではないでしょうか。まずは書店などにて手にとってご覧ください。

『隔週刊 古寺行こう』
出版:小学館
発売日:2022/3/8
価格:1号『法隆寺』、2号『東寺』同時創刊 特別価格各490円(税込)
内容:実売累計1400万部を超えたウイークリーブックの名作、「古寺」シリーズの第3弾が、15年ぶりに装いも新たに創刊します。
コメント ( 1 ) | Trackback ( 0 )
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コメント
 
 
 
Unknown (aoikitakaze4390031)
2022-03-23 07:07:41
第1巻の法隆寺 買いました。
 
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