大福 りす の 隠れ家

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僕と僕の母様 第144回

2011年08月08日 12時44分30秒 | 小説
『僕と僕の母様』  目次

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僕と僕の母様 第144回



やはり駅前にいた うじゃうじゃの人間は 全員受験生らしく バスターミナルに 大学関係者がいて すぐにやってきた 何台かのスクールバスに 誘導し全員が分乗した。

僕も満員のスクールバスに乗り 学校に着いたが もう既に大勢の受験生が 来ていた。

受付をすませて 辺りを見渡すと みんな楽譜を広げていたり、小論文の本を読み返していたり、歌を口ずさんでいる人もいた。 この人は 多分声楽科を 受けるのだろう。

空気が緊迫している。

僕は筆記用具以外は 何も持たずに 来たのだが「しまった、小論文の本を 持ってくれば良かった。 後一時間近くも 何をしていようか」 と後悔した。

仕方なく 受験をする教室を確認し その後人気の少ない所に行き 椅子に座って あと少し残っている 頭痛は取れないものかと ボーっとしながら 人間観察をしていた。

でも やはりどこかで 緊張しているのか 時間は短く感じられ 後30分で 入試が始まるという 一度目の放送が流れた。

教室へは10分もかからない。 まだここに居よう。 そして それから10分経った頃 二度目の放送が流れた。 後20分で 入試時間となる放送だ。 そろそろ教室へ向かおう 僕は歩き出した。

さっき確認した教室に戻り もう一度机に貼ってある 受験番号を確認して 席に着いた。

ドヤドヤと 他の受験生も 席に着いた。 

最後の放送になるのだろうか 試験は後10分で始まるので まだ教室へ入っていないものは 今すぐに教室へ入るようにという 放送が流れた。

多分もうみんな 教室へ入っているだろう。 迷子になりようがないほど 大学関係者や在学生が いたるところに居て 少しでもキョロキョロしていると 声をかけていたのだから。

少しして教室の前のドアから 試験管が入ってきた。 後ろのドアからも 教師か在校生か分からないが 多分、見張り人だろう 数人入ってきた。

試験管が注意事項を話した後 試験管と見張り人から 問題用紙と答案用紙が うつ伏せに配られた。 始まるんだ。

試験開始の放送が流れた。



入試は 小論文。

テーマにそって考え 起承転結を考えながら 自分の頭の中で 流れを考える。

ダメだ、頭痛が邪魔をする。

仕方なく 答案用紙を自体を四分割して「起・承・転・結」 と書いて その文字を丸で囲った。 この文字配分で 考えていこう。

考えれば考えるほど 頭が痛い・・・でも今やらなくちゃ後がない。 

そう思いながら 何とか文字は 埋められたものの 納得のいくものでは なかった。 いくら考えても 頭痛が邪魔をして 僕の思うことが 上手く書けなかったのだ。

書き直しをしようにも もうそんな時間はない。 取りあえず もう仕方がないと思い シャーペンをおいたのだが あと少し時間が余る。

ちょっと落書きのつもりで 問題用紙に「頭が痛い・・・風邪かな」 なんて事を書いて 時間を潰していた。 まさか この問題用紙も 回収されるとは 知らずに・・・。

その上 そんな要らないことを していたものだから 答案用紙を 四分割して書いていた 丸で囲った「起・承・転・結」 を消すのも忘れてしまっていた。 帰りの電車で 思い出したのだ。 ドツボだ。 



家にはゆっくりと 帰りたかったのだが 電車を乗っている時間を考えると 気が遠くなる。

それに一日おいて 今度は隣の市にある 大学の入試だ。 さっさと帰って寝よう。 乗り継ぎの駅で 寄り道することなく帰った。

家に帰ると 既に母様が 仕事から帰っていた。

「お帰り どうだった? 迷わないで行けた?」 最初に試験のことを 聞かないんだ。

「うん、行きも帰りも 迷わなかったよ」 あれだけ 詳しく書いてあった 紙を持たせたじゃないか。 子供じゃないんだから 行けるに決まってるでしょ。

「そう、よかった。 ちゃんと間に合ったのね」 だから 幼稚園じゃないって言うの。

「ちゃんと間に合いました。 時間も お母さんの言った通り 早く着けました」 電話をしただろう。





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