大福 りす の 隠れ家

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僕と僕の母様 第145回

2011年08月09日 16時40分10秒 | 小説
『僕と僕の母様』  目次

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僕と僕の母様 第145回



「ちゃんと 行けたのね良かった」 座っていたソファーに 前屈みになって聞いていた 母様の姿勢が ドンと背もたれに もたれたかと思うと

「違うじゃない、それで落ち着いて どうするの」 イヤ、僕は立ってます。 落ち着いていません。

「試験どうだった? ってこれ聞かないで どうするのよ」 そんなこと言われても 僕は聞かれたことに 返事をしているだけです。 溜息が出るけど 仕方ないな 母様だもんな。 よし、では 話してあげよう。

そして 今日あったことを 話したのだが ふと、このときに気付いた。 不思議なことに あれだけ痛かった頭痛が 取れていたのだ。

もしかしたら 風邪じゃなくて 試験による プレッシャーとか、ストレスで 頭が痛かったのだろうか。

ちなみに丸で囲った「起・承・転・結」 の話をしたら

「今頃採点してる先生も「これ何だ?」 とか言いながら きっと笑ってるわよ」 と言いながら お腹を抱えて笑っていた。 ああ、別の意味で頭が痛い。

翌日は 普通に学校に行き 授業を受けた。 授業と言っても 毎日誰かが入試とか、入社試験とかで 休んでいるので たいした授業内容ではない。

そしてまた その翌日は 隣の市にある大学に 入試を受けに行った。

この日は 母様の仕事が休みだったので 車でつれていって貰った。

正門の前で 僕が車を降りると その後に また一台同じように 多分、母親であろうと思われる おばさんの運転でやってきた 奴がいた。 そいつと目は合ったが お互い知らない顔をして 歩き出した。

大学の中に入ってみた。 

オープンキャンパスに 来ていないから どんな学校の作りだろう と思ったのだが 僕の高校と たいして変わらない感じだ。

受験生も一昨日と比べると 全然比較にならないほど 少ない。 閑散としていると言って いい程だ。

それにあの時に感じた 緊迫した空気なんてものも 感じない。

そのおかげと言っては 何なのだが みんなが気楽にしているからなのか 僕もあの時のように 時間が短く感じるなんて事は なかった。 気持ちが ゆったりとしていた。

そして始まった試験。 ここも小論文だ。 テーマにそって考える。

今度は結構考えられた。 あの時のように 要らないことを書かずとも スラスラと書けていったし 自分の思ったことを 納得のいける表現で 書き上げられた。 時間配分も上手くいき 心に余裕だ。

帰りはまたまた母様が 迎えにきた。 きて貰わないと 僕の足がない。

すると偶然にも 来た時と同じように 母様の車の後ろに 朝見かけた車がやってきて 僕が車に乗った後に そいつも同じように 車に乗り込んでいた。

「朝と同じ人ね」 母様も気付いていたようだ。

「うん。 試験の時 同じ部屋だったかな? 覚えてないや」

「お友達になったら 付き合うの大変じゃない?」 バックミラーを チラチラ見ながら そう言った。

「なんで?」 話したこともないのに。

「だってアレ、あの車ベンツよ。 お金持ちじゃない? うちとは偉い違いよ」 ベンツって聞いたことがある。

「ふーん」 確かにうちのワゴンとは 趣が違う。

その後は 試験の話をしながら 車に乗っていたのだが 今回は前回と違って 上手くいったような気がする と話していた。



そして二週間が経ち 偶然にも 2校とも合否結果の発送が 同じ日だから 今日辺りに着くだろう という日がついにやってきた。






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