湘南文芸TAK

逗子でフツーに暮らし詩を書いています。オリジナルの詩と地域と文学についてほぼ毎日アップ。現代詩を書くメンバー募集中。

オリジナル愛の短歌

2014-12-31 00:19:46 | オリジナル
嫌な事は大掃除してポジティブに愛のあふれる短歌で締める
…と、五七五七七でふってみました。

二人だけ しましま模様に 揺れる陽に ここは水底 夢の部屋 (T)
あなたとの 時間をたっぷりとりすぎて 怠けてた分の風呂掃除 (A)
良いお年をお迎えください
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のんきな小川 田越川

2014-12-29 00:00:50 | 文学
昨日の投稿で少し触れた黒田清輝の「逗子五景」にも描かれている田越川。徳富蘆花はこんなふうに描写しています。
田畑村中を悠々とくねり、潮がさすので日の半分は逆に流れ、出水の時ででもなければ滅多にはきはき流るる事をせぬのんきな小川である (「富士」より)
 田越川河口夕景
明治の頃とは大分様子が変わりましたが、相変わらず海から川へと逆に流れ、悠々と呑気にくねっています。
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商業美術の先駆け杉浦非水

2014-12-28 00:00:40 | 日記
昨日ご紹介したアド・ミュージアム東京のミュージアムショップで、杉浦非水の絵葉書をゲット。多数の展示の中でも彼の洗練されたデザインは特に印象的でした。

杉浦非水 明治9~昭和40(1876~1965)年
わが国の商業デザインの先駆者といわれ、商業美術を新しい独立した美術分野として確立した中心的人物です。非水は、日本画を素地とする優れたデッサン力に、アール・ヌーボーなどの先進的なデザインを加味し、独自のデザイン(創作図案)を生み出しました。
 (ADMTホームページより)
非水を日本画から図案の分野に導いた黒田清輝は、明治31年に逗子に滞在し「逗子五景」を描いています。

アド・ミュージアム東京のある汐留では、カレッタゾーンとシティセンターゾーンで来年1月12日までイルミネーションが行われています。
カレッタ汐留すぐ上、旧新橋停車場にある鉄道資料展示室では、来年3月22日まで「東京駅開業とその時代」展が見られます。ご本尊の東京駅だと混雑したり何かとお騒がせになったりする東京駅開業百年記念ものを、ここなら静かに鑑賞できますよ。無料だし。
あ、アド・ミュージアム東京も入場無料です。電通さんありがとう
年内は既にお休みに入っていて年始は1月9日~、休日11:00~16:30平日11:00~18:30の開館です。
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「マッサン」のヌードポスター

2014-12-27 00:24:10 | 日記
先日、カレッタ汐留にあるアド・ミュージアム東京に行ってきました 
ここは江戸時代から今日までの約20万点の広告資料を収蔵している博物館なのだ。収蔵資料の中には広告入りウチワもあるぞ! 政治家の皆さんは参考にしないようにね
そしてこんな大正時代のポスター(レプリカ)も常設展示されています。

NHK連続テレビ小説「マッサン」に鴨井商店「太陽ワイン」の広告として登場したポスター。
ちなみにマッサンのモデルになった竹鶴政孝の妻リタは、療養のため晩年を逗子海岸に近い家で過ごしました。
ドラマに登場したポスターでは「美容と健康・安全と安心」だったサブキャッチ、実物は「美味 滋養 葡萄酒」となっていますね。現在では避けるべきと言われている漢字だらけの戒名キャッチ。しかし当時としては超画期的な広告でした。
モデルの女性の名は松島恵美子。赤玉ポートワインの宣伝活動用に組織されたオペラ歌劇団「赤玉楽劇座」は全国を公演して回ったのだが、その劇団の人気プリマドンナである。森永製菓から引き抜かれ寿屋に入社した気鋭のコピーラーター片岡敏郎が説得し、セミヌードの写真撮影を行った。時は1922(大正11)年、この頃は女性が人前で肌を見せるなどタブーであり、警察からのお咎めも覚悟しての大英断だった。日本初のヌード写真によるポスターは世の中をあっと驚かせ、商品も驚異的な売り上げを記録した。しかしモデルの松島恵美子の親や親戚の知れるところとなり、ついに笑子は感動されたといわれる。
この斬新なポスターを企画したのは寿屋宣伝部の第1期黄金期を築いた片岡敏郎や井上木陀らであった。西欧からの最新技術であるオフセット印刷や写真技術を駆使したこの作品は日本の広告史において欠かせない一点である。またこの作品はドイツの国際ポスターコンクールでも第1位に輝いたのである。
時代を先取りした広告発信をする企業文化のDNAは後の宣伝部、開高健・山口瞳らに受け継がれていく。寿屋の創業者・鳥井信治郎はどんなに良い品質の商品でも、その存在をまず知られなければ意味がないとし、広告の意味と価値を良く理解していたのである。 
(ADMT資料より)
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光の柱

2014-12-26 11:28:22 | 
暮れかかってきて
雲の切れ間から
ななめに
光の柱が二本
かなたの水面に入っている
あれは
昼間
水の中にさしこんだ光が
空へ還るのだろう

(川崎洋「海をみている」より)

クリスマスの夕方、逗子葉山の空へ還る光たち

個性という差異が尊重される時代にあって、普通のままでありつづけることは、もっと困難なことのひとつである。おそらく、詩人は少年の目、それは世界に対する批判性を獲得する前のという意味だが、そのままで世界と向き合っているのだろう。だからこそ、その詩からは自然を始めとする万象への驚きと慈愛が失われることはない。そして、それは生きている限り必然的に蓄積されていく知識と情報を捨てないかぎり実現できない。川崎洋の詩における「普通さ」とは、逆に普通に生きているならば実現できないものであるわけで、このあたりに詩人の特異な方法論が潜んでいる。 (城戸朱里「戦後名作詩選1」より)
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素朴な生きる歓びを

2014-12-24 14:03:30 | 日記
 泉鏡花にならって集めているウサギグッズのマグネットがくっついているわが家の冷蔵庫に期間限定でプラスされているのが…
 ワインでご機嫌なクマさんのマグネット
イヴは浮かれて過ごすにしても、静かに心を満たして過ごすにしても、とにかくいつもとちょっと違う時間をもてるといいですね。

人間は素朴に愛しあってもよかったんだ。
人間は地道に悩んだり苦しんだりしてもよかったんだ。
人間は生きる歓びを感じてもよかったんだ。

   (川上弘美「大好きな本」より)
 葉山マリーナで
メリークリスマス!
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千家元麿「若い母」

2014-12-23 00:00:57 | 
白樺派詩人、千家元麿の詩集を読みました。いちばん感動したのはこの作品。
若い母 
若い娘がこの頃生れたばかりの
赤ん坊を背負つて
買ひ物に沢山出た女の中に交つて歩いてゐる
彼女はこの新しい経験を恥かしさうに顔に現はす程喜んでゐる
彼女の笑ひには得意と羞恥があらはれてゐる
彼女は木綿の小さつぱりした娘々しい着物を着て
赤ん坊にも贅沢にならない愛の籠つた新しい着物を着せてゐる。
彼女の夫は役所にでも行つてゐるのだらう
彼女はまるで喜びに圧倒されて歩いてゐる
彼女の前に全世界はどんなに輝いてゐるだらう
彼女の心はどんなに賑つてゐるだらう
彼女は手柄をしたのだ。
涙ぐみたいほど愛の激情に彼女は迫られてゐるのだ。
見るものが何も彼も新しく見えるのだ、
見よ若き母が隠し得ない喜びに輝きつゝ
赤ん坊を背負つて買物に歩むのを
その素直な姿の娘らしいつゝましさを
その質素な姿の美しさを。


自分が0歳児を背負った「若い母」だった頃をまざまざと思い出し、泣きそうになってしまいました。
 御成にて
千家元麿は大正時代に活躍した詩人です。大臣も務めた男爵で「年の始め」を作詞した千家尊福の非嫡出子でした。
大正11~12年、鎌倉の御成に住んでいました。
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ねじめ正一も注目していた夏井いつき

2014-12-22 11:49:43 | 日記
ご近所のお宅の法面にちょこんとクリスマスオブジェが飾ってあって可愛らしいことになってます

昨日は、図書館フレンズ・逗子が逗子文化プラザギャラリーで年2回開催している古本リサイクル市の日でした。
不要になった本を持って行ったり必要な本を持って帰ったりできる無料イベントです。
岩波新書のねじめ正一著「ぼくらの言葉塾」があったので、ありがたく頂戴して帰りさっそく読みました。
中にTBS「プレバト」で私が最も熱心に見ている俳句コーナーの先生で番組から「超辛口先生の赤ペン俳句教室」という本もできちゃった夏井いつきさんのお名前が出てきます。
夏井さんは俳句甲子園にもケータイ俳句にも遊びの要素を持ち込んでいます。そしてこの遊びの要素こそが、言葉を外に向かって開いていくいちばん大きな力になるのです。
ここでケータイ俳句と言っているのは「俳句の缶づめ」という2012年に終了した携帯ウェブコンテンツです。
彼女は正岡子規・高浜虚子・河東碧梧桐といった俳人を生んだ松山の方で、中学校の国語の先生をしていたことがあるんですね。
なるほど&さすがです。
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ノンフィクション「バンクーバー朝日軍」

2014-12-21 00:18:29 | 日記

11月15日の当ブログで紹介したこの本に登場する「丸栄社」のモデルは誰がどう考えても文芸社。
「夢を売る男」の中で、出版説明会参加者をおだてて自費出版させる手管やコンテスト商法がリアルに描かれていました。
一般的な商業出版社と違って著者がお客さんになるので、書店でそんなに売り上げなくても会社的にはOK。
ですが、なにかの拍子で売れちゃう自費出版本もあるんです。文芸社の出版物でいえば「リアル鬼ごっこ」。「夢を売る男」に出てくるフリーターの若者が書いた「ロシアンルーレット・テレビ」という小説のモデルがこれですね。あとジャメジャメさんの血液型自分の説明書シリーズもめちゃ売れましたよね。
そして今、書店の文庫本コーナーで平積みにされている文芸社の本が「バンクーバー朝日」。この著者は逗子の方です。
 広報ずし2008年8月号より
ここで著者の古本さんが手にしている「バンクーバー朝日軍」はノンフィクションですが、新しく出た「バンクーバー朝日」は小説形式みたいです。
古本さんの父上がカナダの日系二世でバンクーバー朝日軍という野球チームのオリジナルメンバーだったことから、これらの本は誕生しました。
でもって最初に「バンクーバー朝日軍」を自費出版してから6年半後、なんと豪華キャストで映画化、ロードショー!
 えらいこっちゃ
この映画のシナリオは「バンクーバー朝日軍」をモチーフにした全くのフィクションで、古本さんの父テディ古本さんは登場しません。
実はテディさんはバンクーバー朝日軍を途中でやめて渡米。戦争前に日本に入国し戦争中日本軍に徴用されていました。
その辺の話が「テディーズ・アワー」という作品になって、文芸社から出版されています。 
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詩は感動の芸術

2014-12-20 01:10:13 | 
夕方東逗子駅前を通ったのでイルミネーションを鑑賞させてもらいました。今年は電球の数が更に増えたんですね。
ロータリーと広場だけでなく駅前のビル、駅入口、近くの橋にも光の装飾がついて一帯を明るく照らしていました。

来年1月7日まで17:00~25:00に点灯しています。24:34の下り終電に乗って帰って来た人も楽しめるように25:00まで点いているのです。
地元の人たちによる地元の人たちへの思いに感動

ですが感動をまんま書いても成立しないのが詩の世界。確かな独自の描写がなくっちゃね。
 詩は感動の芸術である。が、感動をひきおこす現象を描かないで感動そのものを感想として描いた作品が多かった。これでは単なる感想の押しつけになる。また技法を駆使した作品も散見したが多くは内実が希薄で難解さが目立った。詩はひとり勝手や難解さで成立するものではない。
(水橋晋 第27回神奈川新聞文芸コンクール選評より)
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