湘南文芸TAK

逗子でフツーに暮らし詩を書いています。オリジナルの詩と地域と文学についてほぼ毎日アップ。現代詩を書くメンバー募集中。

潮の詩パート1

2019-07-30 06:58:01 | オリジナル
共通テーマ「潮」でTが書いた詩を投稿します。

スーパームーンの夕暮れ

河口近く
小さなゴムぞうりが片方
満ちはじめた潮の上で
たゆたっている

昔 同じ川に
小さなサンダルの片方を落とした
雨上がりの日で
流れの速さは
一瞬にサンダルを消してしまった
葉から雫が落ちて
木いちごが黄金色に光っていた

今 歩きながら
ポテトチップのわさび味を食べた
ツンとして涙が出た
あとから あとから涙が零れる

あの頃いた家族は皆いなくなって
先月は二人目の孫ができた  けれど
あの日から
六十五年の時間を
きちんと消費しただろうか
私も
河口で揺れている

山際から
朱色の大きな月が上ってきた
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梅雨上がる

2019-07-29 22:59:13 | 文学
夏草に脛なでられつペダル漕ぐ

梅雨が明けましたね。そこで「梅雨明け」でも詠んでみました。
洗われしごとき山々梅雨明けぬ
失せ物の見つからぬまま梅雨あがる
ハンドルのグリップ替えて梅雨の果
(はて)
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浜の盆踊り俳句

2019-07-27 22:41:24 | 文学
材木座の鎌倉浜の盆踊り大会で夜吟行&ダンス

生バンドの音頭ポップな踊りかな
波打際照らす櫓や盆踊り
踊り手にふと君を見る盆の浜
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プレバト炎帝戦決勝

2019-07-26 21:48:23 | 文学
夏休みに入って人通りが多くなった新逗子駅と逗子湾を結ぶ道、シンボルロード。

昨日のプレバト!!炎帝戦を振り返ります。
優勝したのはフルポン村上名人。行間に次頁の影夕立晴
書かれた奥を読み取るという抽象的な意味がある「行間」が、この句では印刷された行と行の間という具象として描かれているんですね。
そこで意表を突くとともに映像を喚起する句。ありありと光景を映し出す言葉の化学変化を呼び起こしているのが、季語「夕立晴」。
この季語で、描かれている人物は夕立が降っている間読書に没頭していたに違いないと分かる訳です。
2位は梅沢富美男名人。鯉やはらか喜雨に水輪の十重二十重
立派ないい句、静かで豊かな作品という夏井先生の評価。季語「喜雨」は、日照りの後に降る雨。それを喜んで身をくねらすように泳いでいる鯉を「やはらか」と形容するのは、なかなかできないこと。最後に水の輪が広がるのをあえてごちゃごちゃやらないという決意が「十重二十重」に出ていると、全編ホメホメだったのに優勝できなかったとは残念。
1位・2位の作品は直しなしでした。
番外編は予選敗退者による幻の傑作。競泳の緊迫した状況を詠んだ一句。 
 50のターンひた蹴る裸の浮くを待つ ミッツ・マングローブ
添削 50のターンひた蹴る裸浮くを待つ
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葉山海岸花火

2019-07-25 22:00:44 | 

今夜の葉山海岸花火大会は、いつもと違う角度から。

森戸海岸を目指す人の流れに途中から逆らって一色海岸へ。ここでの水中花火観賞をメインイベントにしてみました。
では、先日の合評会で下記のZの作品について話し合ったことを投稿します。
放つ

放たれた 
希望 絶望 妄想の種 
風に吹かれ 涙に打たれ 
どこに行ったやら  
コンクリートの上に 
川の流れの中に 
落ち葉の上に 
落ち 芽を出し 
森にでもなっただろうか 
俺は今でも 
欲望 絶望の種を 
撒き散らしながら 
何とか俺の立ち位置を 保っている


:作者の弁 :評者の弁
すんなり共感できました。
最後の4行に実感がこもっています。
3行目の「涙に打たれ」のような比喩的表現を、5~7行目にも入れてほしかったな。
締切日に急いで書いたのでそこまで気が回りませんでした。
慌てて書いてこのレベルの作品ができるのはすごい。
頭の中にある名詩をブロックのように組み立てて作ってしまいました。
でも取ってつけたような感じはしませんでした。自分の血肉になっているからだと思います。
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湘南文芸8月予定

2019-07-23 19:22:51 | 
シンボルロード東郷橋付近

夏の花を見ながら東郷橋を渡って合評会へ。
昨日の湘南文芸7月例会で8月の予定を決めました。
新しい共通テーマは「潮」。又は自由題で、8月20日までに作品提出をお願いします。
8月の合評会は30日(金)15:00~。
終了後17:00~19:00に逗子銀座通り魚民で納涼会です。会費3,000円。8月15日までに出欠の連絡をお願いします。
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放つの詩パート6

2019-07-22 00:00:34 | オリジナル
共通テーマ「放つ」でZが書いた詩を投稿します。ヤクシランの写真もZが撮影したものです。

放つ

放たれた 
希望 絶望 妄想の種 
風に吹かれ 涙に打たれ 
どこに行ったやら  
コンクリートの上に 
川の流れの中に 
落ち葉の上に 
落ち 芽を出し 
森にでもなっただろうか 
俺は今でも 
欲望 絶望の種を 
撒き散らしながら 
何とか俺の立ち位置を 保っている
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自由題「混沌」

2019-07-21 01:30:13 | オリジナル
Cが自由題で書いた詩を投稿します。

混沌

すべてに 神の名前
すべてが 神の業だとしたら 
美しいことかもしれない
タナトス(死) オイジュス(苦悩)
エリス(争い) ゼロス(妬み) などでも
     *
太古の混沌から 
神々が この世界を造り上げた後
人間に託されて 姿を消して
神話が 始まった

神々は どこへ行ったのだろうか
地球を見限って どこかの星で
新しい神話を 始めているかもしれない
     *
手にしたレコードは 「混沌」
針を落として 待っている
音楽が 聴こえてくるまで
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夏の湘南句会

2019-07-20 01:26:14 | 文学
昨日の湘南句会では事前投句含め兼題「鰻」「海の家」で30句が提出されました。最も得点を集めたのは次の句です。
一串のうなぎ残りて老いのやせ

裏紙利用の短冊に書いた句を参加人数で等分してそれぞれ清記し回します。
清記用紙を回しながら更にそれぞれが自分のノートに写し、いいと思った3~4句を選びます。
8月の日程を決めました。お盆期間を避けて次回は8月30日(金)15:00~@逗子市民交流センター。
兼題は「旱」「アロハシャツ」です。
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プレバト炎帝戦予選

2019-07-18 22:21:36 | 文学
今日オンエアのプレバトは、兼題「打ち上げ花火」で炎帝戦予選。  

予選通過1位は、キスマイ千賀君の次の句
 黒き地の正体は海揚花火
夏井先生は、作者の眼球の体験だからこそ、読んだ人の眼球で再生されると評価。
予選通過2位は、千原ジュニア作
 渋滞や花火の映るボンネット
「映る」というとだいたい説明の言葉になるけれど、この句の場合はちゃんと映像になっているという講評でした。
説明っぽい言葉を使っても、リアルに再生できればいい句になるってことですね。
来週の炎帝戦決勝が楽しみです。
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