湘南文芸TAK

逗子でフツーに暮らし詩を書いています。オリジナルの詩と地域と文学についてほぼ毎日アップ。現代詩を書くメンバー募集中。

昭和の池田通り

2019-10-31 05:02:27 | 日記
池田通りに新しく建ったザ・パークハウス逗子の外壁に銘板が設置されています。

それによると、昭和10年頃まで逗子海岸近くにあった水族館の建物が池田通りに移築・改築されて、湘南ミルクプラント本店になったのだそうです。
昭和41年に湘南ミルクプラント他2商店と神奈川県住宅開発供給公社が共同で5階建ビルを建設。当時逗子一の高さを誇ったビルには、多くの市民が屋上からの眺望を楽しみに来たと記してあります。平成28年まで半世紀の間頑張っていたこのビルが取り壊された跡に、パークハウスが建ったということです。

やはり石原慎太郎と塩沢理髪店の名が登場する昭和の池田通り物語。真新しいマンションの傍らで一瞬タイムスリップした気分になりました。
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さがすの詩パート3

2019-10-29 00:00:01 | オリジナル
共通テーマ「さがす」でAが書いた詩を投稿します。
 ZAF2019で
バースデイ

意識なんて脆弱なものだ
見当違いの辱めを受けた
記憶が浮き上がる
探さないようにしていたのに
泣くなと言われたが
恥じてはいなかった
今より真剣だったわたし
なにがなんでも
守りたいものがあったのだ

常識などというものは
社会の非常識な自己免疫で
強要されたら攻撃と一緒
左脳が重いのか
いつも首を左に傾けている
笑わない男が
反対意見をたずさえ
会議机についている
今日というわたしの誕生日に

誰もがいつか動かなくなる
それだけが確かな常識だ
既に腸からは血が出ている
おかしくもたのしくもない世界で
くだらない個人史が始まった日を
今日のわたしは守ってやりたい
会議を無断欠席する

笑わない男が連れて来た
職場のことをしらない特別職員に
理不尽に責められ歯向かったとき
流した涙はなぜか濁っていなかった
六年前の誕生日だった
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団栗俳句

2019-10-27 19:32:03 | 文学
先日の湘南句会で投句された季題「どんぐり」の俳句をご紹介。

団栗や拾へる子等の声高し
階段にころんとどんぐり夫(つま)転ぶ

2つめは川柳的という声もあったのですが「ころん」と「転ぶ」で頭韻を踏んでいる点が評価されました。
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さがすの詩パート2

2019-10-25 23:21:14 | オリジナル
共通テーマ「さがす」でEが書いた詩を投稿します。

さがす

さがす さがし求める
あれもこれもと 限りがない
なにもないとすれば
よほど満ちたりた少数派

そして ある日
昼下がりの月のように
うすれかけ力なく雲にかくれる

地位やら虚栄やら
金銭やら なんと幸せやらまで
追い求めたごとく
虚空にあっても
しょうこともなく
さがしつづけるのだろうか

いったいなにを
なにとも知らず
ただただなにかを求めて
さがしつづける

広大無辺のはずなのに
どこにも見つからない
さがしている自分さえ
たよりなく うすれてゆく

一瞬のようでもあるし
永劫のようでもある
おいてきたものさしは
通用しない

――おういどこにいるんだ~
と時に呼びかける声も
間遠になる

たしかこの辺に
手足があったはずと
手をのばしてみるが
もうどこにも見あたらない
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湘南文芸・湘南句会11月の予定

2019-10-24 21:37:50 | 文学
今日の写真は21日の投稿と同じく、旧藤瀬・脇村邸で19日に開催された「藤瀬秀子さんの花のある暮らし展」で撮影した活け花です。カラスウリがなんともいい味出してますよね。

11月の湘南文芸・句会の予定をお知らせします。場所はすべて逗子市民交流センター1階打ち合わせスペース。見学大歓迎です。
11月15日(金)14:00~ 湘南文芸臨時合評会 10月の定例会で残ったTとAの詩を合評します。
11月22日(金)14:00~ 湘南文芸定例合評会 共通テーマ「さがす」又は自由題 (提出締切11月19日)
11月27日(水)15:00~ 湘南句会 兼題「角巻」「冬の蚊」

 今回の湘南句会の兼題は、他の句会と絶対カブらないものにしました。
 上記の兼題で6句投句できない場合は自由題も入れてOKとします。
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さがすの詩パート1

2019-10-23 23:40:13 | オリジナル
新しい共通テーマは「さがす(探す・捜す)」です。早速Eの作品が届いたので投稿します。

地鳴り

ささやかであっても
だれしも 手に入れたいものが
一つや二つはある

世はさまざまで
さがしあてる者があれば
手に入らない者がある

空手をなげく者には
不運の上に
びん笑が追い打ちする

才能は天与
と認めても 継続が
なぜ出来ぬと 責めにあう

不幸にして
根気に恵まれなかった者よ
不満の尻はどう精算する気か

うめきに似た
悲鳴が
地鳴りとなって押しよせる
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「靴」原稿追加&合評

2019-10-22 23:20:16 | 

今日は10月の合評会を開催。20日にアップしたSの詩「靴」の最後の4行が抜けていたことが発覚。
申し訳ありませんでした。改めて全文掲載し、この詩について今日話し合ったことを投稿します。

靴が人の数ほどいる
こわい
地平線まで点々と
いる靴
靴は詩だ
痛い
だが伸びてくれる
等身大に
黒い聖者だ
しゃべらない詩と
歩けば怖い夢だが
せかいより大きな靴なら
気から出た病いのようなものだ
きのうへ抛れ
いきなりのユーモアだ
ゴールしたあとは
全身詩人
靴のレゾンデートル
うす暗いものを蹴ろう

:作者の弁:評者の弁
最初の2行はよく分かります。
靴があるのではなく、人に履かれているので「いる」にしました。
「いる」というところに既になにか不穏な感じが。
4行目でも靴が「いる」になっていて、ここで人間のことなのだと気付きます。
靴は人間ではなく詩なのだと記述される5行目から、難解な内容に。
詩は謎でもあるので、ここからの謎を解くためにこの先もこの詩を読んでいきたいです。
そう。我慢して詩を大事に読んでもらいたいのです。でないとチャンスを逃すことになります。新しい靴=初見の詩は「痛い」けれど、読んでいけば等身大に感じられるようになり「黒い聖者」のように自分に寄り添ってくれるのです。大抵は人の愛とか恋とか夢のように挫折してしまうけれどね。
5~9行目はそういう意味だったのか。深い!
5行目以降の「靴」を「詩」に変換すれば、作者の意図がよく分かりますね。
「せかいより大きな靴」「いきなりのユーモア」「全身詩人」を言葉にするまでが苦しかったです。
確かにこの3つのフレーズは独自の迫力をもっていますね!
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自由題「ベースギター」

2019-10-21 00:36:58 | オリジナル
Cが自由題で書いた詩を投稿します。
 
ベースギター

夜ごと
調弦をして
弾きはじめる

ギターを爪弾く指の
癖が抜けきらない
「指を振り抜いて」
何度も注意された
半年たって少しは
様になっただろうか

音の住処までは
最短距離で
行きたいのに
あやふやな指は
一瞬ためらって
遅れてしまう

音符 テンポ
コード ルート
新しい言語も
少しずつ覚えて

ベースとの
語らいは
より親密に

ずいぶん長い間
会話がない
夜があった


張り詰めた
弦を緩めて
一日が終わる
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靴の詩パート8

2019-10-20 16:55:03 | オリジナル
共通テーマ「靴」でSが書いた詩を投稿します。



靴が人の数ほどいる
こわい
地平線まで点々と
いる靴
靴は詩だ
痛い
だが伸びてくれる
等身大に
黒い聖者だ
しゃべらない詩と
歩けば怖い夢だが
せかいより大きな靴なら
気から出た病いのようなものだ
きのうへ抛れ
いきなりのユーモアだ
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靴の詩パート7

2019-10-19 00:48:07 | オリジナル
共通テーマ「靴」でZが書いた詩を投稿します。写真もZの撮影。神武寺のイヌショウマです。



軍隊では あるまいに 
臭く汚れた黒靴に 
不恰好な俺の足を押し入れてずいぶんたった 
さすがに親指は内側に曲がり 
より一層不恰好になった 
忘れてしまうほどの昔黒靴を履いた時の痛みは ボヤケ 
いまや足は ひしゃげた形になった 

ようやく黒靴とおさらばすることができ
長靴が 馴染みになった 
不恰好な俺の足は 生まれた時の形を忘れ 
あの締め付けられた形を記憶したまま 
長靴の中の 隙間を楽しんでいる
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