湘南文芸TAK

逗子でフツーに暮らし詩を書いています。オリジナルの詩と地域と文学についてほぼ毎日アップ。現代詩を書くメンバー募集中。

歳末俳句

2021-12-31 17:53:57 | 文学
2021年のラストサンセット@逗子海岸。焚火をしながら見ている人も。

今年もあと数時間。歳末を詠んだ名句を集めてみました。
男手はまことに無力年用意 高濱朋子
買う顔をして歳晩の群れの一人 前田吐実男
逢ひし日のこの古暦捨てられず 稲垣きくの
ゆく年のバスはもう行つてしまつた 角川春樹

よいお年をお迎えください。
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祝の詩パート4

2021-12-30 08:45:26 | オリジナル
共通テーマ「祝」でEが書いた詩を投稿します。

祝辞

小学生のころ天敵がいた
顔中に生傷の絶えないアパッチの一族
いつも私をつけねらっている

朝礼の校庭
今朝は横に来ないと安堵していると
必ず後ろについて そこから見張っている

中学になっても瞬発力不足
短距離走はダメだったが
中距離はねがりがきいたか

レース終って談笑している
ヤツがつかつかと近づいて来る 曰く
…Hよ オレどうしても追いつけなかったよ

その瞬間 天空確然
ヤツの影は視界から消え去った
今思うにコレ 生涯最大の祝辞
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祝の詩パート3

2021-12-29 00:02:54 | オリジナル
共通テーマ「祝」でTが書いた詩を投稿します。写真はTが丹精したシャコバサボテンです。

ある画家の絵に寄せて

 この地に引き寄せられたあなた
 は 描く
 扉を 水路を 橋を
 そこを過ぎる風を 光を 香りまでも
 あなたの感性で濾過し
 上澄み液で色を溶き
 手作りの小さなキャンバスに塗り込める
 祝祭 この地へのあなたの

 絵の前に立つと
 あなたの鼓動が聞こえ
 息使いに耳をすます
 気付くとヴェネツィアにいる
 あなたの意図しない
 鐘の音が響いている
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祝の詩パート2

2021-12-28 15:59:17 | オリジナル
共通テーマ「祝」でAが書いた詩を投稿します。



駄文の誤謬を
読み解くのに忙しい
ああ
腹が立って
腹が減った

庭に出ると
土があり
空があり
水がある

脳内の畑にも
薫り高い肥料を入れて
食うために生き
生きるために食う
収穫を寿ごう
腹を満たそう
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山茶花の句

2021-12-27 18:44:11 | 文学
カナブン俳句教室今年最後の兼題のひとつが「山茶花」でした。
花ごと落ちる椿と違ってばらばらに散る山茶花の花。
過去にたくさん詠まれてきた山茶花の落ちた花びらを描写すると類想感が否めません。
庭ごみの袋に透けしひめつばき
さんざん悩んで提出日の朝にようやくひねったのがこの句。
花びらを掃き集めて袋に詰めちゃったら、なんと特選句に。
粘ってみるもんだ。挙げ句に一晩頭を寝かせてみるもんだ。
「ひめつばき」は山茶花の傍題です。

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氷の詩パート2

2021-12-25 22:18:51 | オリジナル
共通テーマ「氷」でTが書いた詩を投稿します。

特別な一日

ヒヨドリが食べたのか
一つも残っていないマンリョウの実
桂の葉が散っている
汚れのない黄色は
大切な思い出が落ちているようだ
一枚ずつ手にとってみる

年が一つ増えた日
七十三年前のこの日も
快晴で
全てが明るかったのだろうか
もう母に聞くことはできない

夜更け 気温が急に下がった
氷のような月光が
裸木の影をくっきりと地面につける
一日が過ぎるのをくい止めているみたいに
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氷の詩パート1

2021-12-24 09:08:26 | オリジナル
共通テーマ「氷」でEが書いた詩を投稿します。

氷解

ほおづえをついて
みつめつづける
なにもしないで ただ
みつめつづける
日の暮れ方
なにかが凝固し
底へと沈下してゆく

次の日も
その次の日も
みつめつづける
重なった粒子が
自らの重みでしずくと化し
外へ流れ出る
海となる

大海の岸辺
まとった衣装をはぎとり
かなた沖へ向って
泳いでゆけば
凝固はゆるみほとびて
鬱屈のなぞは
氷解するだろうか
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来年1月の湘南句会

2021-12-22 23:33:21 | 文学
次回の湘南句会の詳細が下記のように決まりました。
日時 2022年1月26日(水)15:00~
場所 逗子市民交流センター1階
兼題 「新年会」「高」


市民交流センターの、この間までワクチン接種会場だったスペースにクリスマスツリーが飾られてます。
昨日の句会で、投句の内容について改めて共有。
6句投句 兼題ひとつにつき3句ずつでなくてもOK 多少の過不足OK
季語ではない兼題には当季の季語を入れる
傍題でも、場合によっては別の季語を使った兼題から想起される内容でもOK
兼題句が揃わなかったら自由題の句を入れてもOK

ルールで縛りすぎず、自在にいい句を作って楽しく語り合える句会にしていきましょう!


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出版記念会

2021-12-22 23:03:28 | 日記
昨日はカナブン俳句教室の後、北久里浜の一升屋本店へ。

コロナ禍で延期になっていた、受講者で結社「街」同人の句集出版記念会です。
昨年、金雀枝社から第一句集を出したのは中島豊さん(2020年10月20日の記事参照)。

句友の森島裕雄さん(著書 句集「みどり書房」)が心を込めて書いたポスターを店内に貼らせてもらいました。
今はなき谷津坂みどり書房店主時代に磨いたPOPの腕が光ってます。
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与謝野夫妻の文学碑

2021-12-21 03:57:09 | 文学
横須賀には先月27日に投稿した若山牧水夫婦の歌碑の他にも歌人夫婦の碑があります。
浦賀の与謝野夫妻の歌碑です。

黒船を怖れし世などなきごとし浦賀に見るはすべて黒船 寛
春寒し造船所こそ悲しけれ浦賀の町に黒き鞘懸く 晶子


歌碑がある愛宕山公園は浦賀湾を望む小高い丘にあります。
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