湘南文芸TAK

逗子でフツーに暮らし詩を書いています。オリジナルの詩と地域と文学についてほぼ毎日アップ。現代詩を書くメンバー募集中。

放の詩パート5

2018-06-30 00:00:57 | オリジナル
共通テーマ「放」でSが書いた詩を投稿します。

季節の谷間で 1

小鳥が死んだとき
微かだが
大きな音がした
彼は羽をせいいっぱい広げ
すきな詩人がいる
と話しだしたが
さいごに
こんな筈じゃなかった
と言い放った

さて飼い主の私は
小鳥に向かって言い放った
長生きできなかったが
他人に振りまわされず
立派だった
えらかったネ
とだけ
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梅雨明け&海開き

2018-06-29 15:52:19 | 文学
逗子海水浴場が今日オープンしました。

同時に梅雨も明けましたね。こんなにタイミングがいい逗子の海開きは初めてなので、一句。

白南風に黄旗たなびく海開き
梅雨明けと海開きがうまく重なってしまったので、季重なりもやむなしってことで
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放の詩パート4

2018-06-28 09:16:40 | オリジナル
共通テーマ「放」でCが書いた詩を投稿します。

どこかで

えぐれた穴が 塞がらない

穴の中に
小説やら 詩集やら
片っ端から 放り込んで
みた けれど
いっこうに 塞がらない
そんな夜が 続いた

ある晩
音楽と 詩を
穴の中に 放り込むと
あらわれたのは

 コヨーテだ、
 月を 見ている
              
月明かりに
その姿が 浮かび上がると
少しずつ 穴が塞がってきた

それから しばらくして
あの コヨーテが
詩を書け と
胸の内側から 突進して来る
胸が 食い破られそうだ

生まれて 初めて
詩を書いた ただ
コヨーテを 鎮めるために

 どこまでも遠くまで駆けて行って
 わたしの心に
 その世界を映して見せておくれ

あの日から 時々
コヨーテは 疾走する

 何をするにも
 自信をなくてしまった
 老いた母の傍らへ

 蒲団をかぶって
 泣いている
 幼い私の耳元へ

 理不尽で残酷だけれど
 時には美しい
 瓦礫の荒地へ

 わたしには見えない
 けれど確かに存在する
 ものたちの世界へ
 
あるがままの その果てで
コヨーテが、
月を 見ている
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茅の輪俳句

2018-06-27 23:48:47 | 文学
いろいろあって息災神頼みしたくなって、茅の輪くぐってきました。

夏越の茅の輪くぐりて正午なり
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あるある俳句と褒められ俳句

2018-06-26 18:47:18 | 文学
逗子海岸にウォーターパークの遊具が準備されました。6月29日~9月2日の海水浴場開設期間中、利用できるみたいですよ。

岸本葉子「俳句、やめられません」を読みました。その第4章の内容まとめを下に記します。
初心者が陥りがちなあるある俳句
 報告句・ただごと俳句
 原因と結果(因果関係)
 決まり文句
 季語に入っている
 意味を感じる(ほのめかし)
 ごとく俳句(意外性のない比喩)
褒められ俳句
「わざわざ言ったことがなかった」
「◯◯がこの句の眼目ですね」
「景が見えます」
「攻めていますね」

句会で採ってくれた人がこんなふうに言ってくれたら、読み手の心に刺さる句になっているということなんですね。
目指せ、褒められ俳句!
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安吾宅の門柱

2018-06-25 21:19:15 | 文学
昨日、詩とダンスのミュージアムに行く途中で北沢川緑道をちょっとポタリング。
改築工事中の代沢小学校の一角に、坂口安吾文学碑がありました。

説明板にはこのように記してあります。
坂口安吾は大正14年(1925年)代沢小学校で1年間代用教員として勤めた。その時のことを背景として書かれたのが「風と光と二十の私と」である。安吾文学碑に刻んだ文言はこの作品に書き記された一節である。碑文両脇の煉瓦は安吾が「蒲田の家」(現大田区東矢口二丁目)と称していた家の門柱である。この家で「日本文化私論」「堕落論」「風と光と二十の私」などの作品が書かれた。門柱は所有者の「新潟新報社」が長年保存してきたものである。それを譲り受け「東邦薬品株式会社」の協賛を得て、ここに門柱保存を兼ねた文学碑を建立したものである。なおこの碑は、武蔵野の風と光と若い魂が通り抜けて行けるようにデザインしたものである。
作家が実際に住んでいた家の門を使うなんて、ユニークな文学碑! 2007年に建てられたものなのでどこかモダンな感じもします。
これに対抗できる逗子のユニーク文学碑といったらやはり、海中に建っている不如帰の碑(徳冨健次郎の碑)でしょうね。
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活用俳句シリーズ受身形

2018-06-24 08:07:03 | 文学
この間は推量で詠みましたが、今回は受身で2句。

釣銭と手を握らるる百日草
百日紅ポンと頭を叩かるる

ダラダラと一句一章にせず二句一章仕立てを心がけたら、取り合わせる季語がどちらも「百日」がつく夏の花になっちゃった。
「百日ナントカ」という植物名は、夏らしく感じますね。動詞活用お題、次は否定形に挑戦します。
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夏木立俳句

2018-06-23 08:03:32 | 文学
季語「夏木立」で2句作りました。

海遠く夏木に渡すハンモック
遠ざかる彼の背中や夏木立
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集の詩パート3

2018-06-22 07:55:15 | オリジナル
共通テーマ「集」でAが書いた詩を投稿します。

机上の端

そこに何を含むのか
言葉が押し寄せ
渋滞している波打際
未来が一刻ごとに過去に

一冊の本を作るのに
適した時はいつ
ここから立ち去り
光を集め直すべきなのか

最期場の停留所で
待ち時間が終われば
もう波は寄せてこない
午後の天気を気にする必要もない

凸の文字
一粒ずつ選び
鉛の文字
木箱に集め
鏡の文字
紙に押しつける

誰も読まないかもしれない
完璧な一冊が
長い長い机の端に置かれる
一冊の本を作るのに
適した時はいつ
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地元の同人誌最新号

2018-06-21 12:37:26 | 文学
Tが小説・コラム・カットで参加している「北斗七星」最新号が出ました。逗子・葉山・鎌倉の19人の書き手の力作が収録されています。

夜、湖面に映る星を掬うように、湖底に沈んでいるはずのたくさんの言葉を掬い上げて、自分の真実を伝えることができるだろうか。
(水野玲子「星を掬う」より)
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