共通テーマ「靴」でAが書いた詩を投稿します。
天・地・霊長類
雲の獣は赤い血を従えて浮かび
やがて褪せ墨に溶け消える
一羽の鳥が風に逆らって向かうのは
ねぐらの木なのだろうか
眠そうに赤色灯を振る警官
リボンのかかった箱を面倒そうに運ぶ男
嬰児を抱いてゆっくりと歩く女
狭い路地を覆う電線
年齢も性別も立場も
有機物か無機物かも関係なく
共に眠りこけたいが
一日中働いて湿った靴を履き
われわれはべつべつの
煤けた棺をめざすのだ
サイズの合いすぎる
質素だが精密な靴から
微かな震えが煙のように昇ってくる
人類が負っている役割を
私も履かされているのだな
だれかを憎んだことを反芻したくないから
今日の食事は植物性
キューカンバ・サンドと葡萄酒
歩んでいても気付かないことを
夢の中で跣でeurekaと呼んでみたい
発見したなんて嘘なのだけれど
天・地・霊長類
雲の獣は赤い血を従えて浮かび
やがて褪せ墨に溶け消える
一羽の鳥が風に逆らって向かうのは
ねぐらの木なのだろうか
眠そうに赤色灯を振る警官
リボンのかかった箱を面倒そうに運ぶ男
嬰児を抱いてゆっくりと歩く女
狭い路地を覆う電線
年齢も性別も立場も
有機物か無機物かも関係なく
共に眠りこけたいが
一日中働いて湿った靴を履き
われわれはべつべつの
煤けた棺をめざすのだ
サイズの合いすぎる
質素だが精密な靴から
微かな震えが煙のように昇ってくる
人類が負っている役割を
私も履かされているのだな
だれかを憎んだことを反芻したくないから
今日の食事は植物性
キューカンバ・サンドと葡萄酒
歩んでいても気付かないことを
夢の中で跣でeurekaと呼んでみたい
発見したなんて嘘なのだけれど