湘南文芸TAK

逗子でフツーに暮らし詩を書いています。オリジナルの詩と地域と文学についてほぼ毎日アップ。現代詩を書くメンバー募集中。

お題の詩181篇!

2015-12-31 18:04:01 | 
今年最後の日没時間前後に逗子海岸に集まった人たち。水平線に雲がかかっていたので、いつもの大晦日よりは人出少なめでした。

今年このブログに投稿されたテーマに沿ったオリジナル詩の本数を集計してみました。6人でトータル181篇。内訳は以下の通りでした。
A…84篇
T…45篇
E…24篇
S…20篇
H… 6篇
M… 2篇
いや~、結構書きましたね。来年も切磋琢磨しましょう。
2016年最初の合評会は1月9日(土)13時~逗子市民交流センターで行います。締切は1月7日(木)です。
来年もよろしくお願いします。
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作詩にあたっての十個条第五条

2015-12-30 13:51:11 | 
沼間方面に行ったので、東逗子駅・ふれあい広場・ずしっ子そよ風学童クラブ・蓮沼橋などで1月11日20時まで展開中のイルミを鑑賞しました。


金子光晴「作詞にあたっての十個条」から第五条を引用します。

日常の垢のついたことばを、その垢をけずり落として使わねばならないこと。
 ことばは、日常、会話や新聞雑誌につかいふるされ、よけいな連想がつきまとい、うかうかと使うと、じぶんのいったつもりとは似ても似つかぬふうに人にとられたりします。すくなくとも、じぶんでは、うまく表現したつもりのことが、十分の一の弱さでしか人にひびかないことが、なかなか多いものです。ですから、作者は、どれだけ純粋に、いいたいことがいえているかに、心をつかわねばなりません。ことばの垢を落とすといっても、一様にはゆきません。第一に、ことばの並べかた、組みかたに細心の注意をはらって、前後のことばが邪げしないようにすることです。となりのことばが強すぎて、ぼやけてしまうこともあります。相殺されて印象にのこらないことばの使いかたもあります。それから、どうしてもそのことばでは、はっきりしない場合、無縁とおもわれるようなべつのことばをもってきて、ふしぎに鮮明にうきあがってくる場合もあります。

言葉の垢を削り落すのもさることながら、最後の一文が詩作のキモ。
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贋の詩パート6

2015-12-29 00:00:07 | オリジナル
昨日はアロイの個室で市民活動団体の忘年会。思いっきり飲んで有意義な話もしました。

では、共通テーマ「贋」でAが書いた詩を投稿します。

小さな水紋

稼げなかったから使わなかった
正しくは稼ぎたくなかったのだ 
贋の通貨を

覚えなかったから使わなかった
本当は覚えたくなかったのだ 
贋の言語を

水面に映った世界の虚像に
贋の負債を負った
わたしの魂を投げこむ
紋は広がることをすぐに終えた
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猿の詩パート3

2015-12-28 00:32:06 | オリジナル
共通テーマ「猿」でAが書いた詩を投稿します。

猿道具

猿真似のふるまいを
学ぶ前のことは思い出せない
一度覚えた欲望に浸された躰は
手にした道具を得意になって操る
手離せなくなったからには
自分の一部 いや全て
雌もまた道具だ
受け止めさせるだけ
道具をふるいながら果てたい

雌の眼に気付き牡猿は叫んだ
―愛しているのに!
牡もまた道具だ
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贋の詩パート5

2015-12-27 00:00:22 | オリジナル
共通テーマ「贋」でSが書いた詩を投稿します。

   夜店の指輪
 十本のゆびに
 十本の指輪が
 刺したようにはまっていて
 生きものの眼のように
 光っている
 一番上のお姉さんは
 もうすぐ死ぬというのに
 笑いをかみころした顔で
 手をひらひらさせ
 指輪を見せびらかしている
 暗くなれば
 妹たちが指輪をぜんぶぬきとる
 夜店で買った指輪はどれか
 だれもしらない
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贋の詩パート4

2015-12-26 01:46:38 | オリジナル
共通テーマ「贋」でSが書いた詩を投稿します。

  ポーカーフェイス
横顔になにかありそうで
哲学かなにかがありそうで
気になっている
すると 熱いコーヒーのあとのように
のぼせてきて
上着から脱ぎはじめてしまう
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川面に映る幻影

2015-12-25 00:00:45 | イベント
 MERRY CHRISTMAS!
文化プラザに飾られている日米協会のクリスマスツリー。
その向かいのギャラリーでは現在、井出祥子写真展「TAGOE 水面の幻景」開催中。展示されているのは県展入選作「遊幻」をはじめとした清水橋~渚橋間の田越川の水面映り込み写真ばかり。フォトショップでアレンジした作品たちは、どれも絵画のようで見ごたえがあります。

作者の井出さんによると、ずっと河岸に沿って移動できるし潮の満ち引きによっても表情が変わり、こういう写真を撮るには田越川がとても適しているのだそうです。
 「黄昏」 星のように見えるのは川底の石
サードエイジ講座文学専科のワークショップで「赤い橋の下のぬるい水」を読んでもらった記憶が新しいので、仲町橋が映り込んだ「赤い橋」という作品も、辺見庸の不思議なフィクションの世界に紛れこんだような気持ちで見入ってしまいました。
逗子文化プラザギャラリーで12月27日(日)まで。
コメント (1)
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言葉の通路

2015-12-24 02:28:01 | 
メリークリスマス
 
↑先月、チャティキルトサークルの展覧会@文化プラザで撮らせてもらったクリスマスコーナー。
サークル名の「チャティ」は、針を動かしながらおしゃべりするイメージから来ているようです。
私たちも忘年会ホームパーティーでは楽しくおしゃべりしましたよ。毎月の合評会は時間いっぱい議事と合評で、無駄な話はほとんどしませんから、珍しいことです。逆にマジな議題を振るのを忘れたけど、たまにはただ姦しくチャットするのもいいですね。

コミュニケーションという言葉を用いて論じられる領域では、大前提として、人の意思は伝わらないより伝わるほうがよい、しかもより速く、広く伝わるほうがよいという善意の考え方があると思われるが、私は人間というものにもう少し別の暗闇があることのほうを大切に思っているので、コミュニケーションというピカピカした言葉になじめない。コミュニケーションは訳せば「伝達」とか「通信」という意味だが、人間の気持ちというものはそんなに簡単に伝わるものではないという、われわれが体験的に知っている事実は、なかなか大切な問題を示しているのではないだろうか。最も相手に伝えたい気持ちは、最も言葉にしにくい微妙な複合体なので、大事なことほど簡単に伝わりにくいものだということが一般に言える。さらにこれを押して言えば、そんなに簡単に人に気持ちを伝えようとしないほうがいいとさえ言えるのではないか。人間であるという条件に対しては忠実な生き方だという気がする。そこから生じる悲しみや憤りを含めて、そういう気がする。
ある思いを簡単に伝えるということは、能率という観点からすれば無条件によしとされることであろうが、人間は能率のみによって生きるわけではない。能率の奴隷として生きる事が人間の幸福である訳ではない。人と人との間をつなぐ最も重要な通路に言葉というものがあって、それが「コミュニケーション」をも生むものだが、言葉にはよくわからない部分があっていいのだ、というのが私の考え方である。言葉の通路には薄暗がりがあちらこちらにあるほうがいいのだ。なぜなら、人間というものは、そんな薄っぺらなものではないと思うからである。

(大岡信「詩の時代としての戦後」より)


そしてまた、孤独で濃厚な言葉の通路の薄暗がりへ。この振幅が大事。
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キャンドルナイト忘年会

2015-12-22 10:51:13 | イベント
今日は各地でキャンドルナイトが行われる冬至。

↑数年前の冬至に、キャンドルだけで読書ができるか試してみたの図。……一応読めました。
偶然、湘南文芸の忘年会も今日。冬至とは気付かず日程決めたんだけどキャンドルナイトに相乗りだ
ということで、キャンドル用意しました。ウサギのキャンドルホルダーの尻尾が★になってるのに今気付きました。諸々気付かないことが多すぎ

メンバーのみなさまご来場お待ちしております。
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贋の詩パート3

2015-12-21 10:21:44 | オリジナル
カフェのテラス席が透明のビニールシートでカバーされると、冬だな~って感じ。

では、共通テーマ「贋」でTが書いた新作を投稿します。

君に似合うこと
イミテーション・ラブでも
ないよりあった方がいいという君
ノー ノー ノー
造花のお花見だよ
依存し合った終着駅は執着の修羅場って理解した方がいい
だからといって
運命のたった一人の相手なんて
とてもじゃないけど君には荷が重いさ
密閉容器で培養されると
二人ともが腐ってしまう
冬に咲くシクラメンは
時々水をやって
あとはほったらかしておくことが長く花を咲かせるこつ
君も依存でも濃密でもない
本物の
空気がたっぷり吸える人を探すことだよ
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