湘南文芸TAK

逗子でフツーに暮らし詩を書いています。オリジナルの詩と地域と文学についてほぼ毎日アップ。現代詩を書くメンバー募集中。

湘南句会9月の予定

2019-08-31 09:31:19 | 文学
昨日の湘南句会(@逗子市民交流センター)では、前回同様、欠席事前投句のメンバーの次の句が特選に。兼題は「旱」でした。
十風に五雨恵まれて旱しらず

次回は9月18日(水)15:00~。兼題は「秋の水」「草紅葉」です。
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食べるの詩パート2

2019-08-29 21:39:24 | オリジナル
共通テーマ「食べる」でAが書いた詩を投稿します。

グルマン

食を贖うことに
罪の意識をもって
レストランに入る

戦争の時代を
舐るように語る
テーブルの隣で
舌の上で転がすように
美食を語る人々

呼吸と咀嚼が先を争い
どちらもできなくなり
喉をつまらせる

平和である
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食べるの詩パート1

2019-08-28 23:33:35 | オリジナル
新しい共通テーマ「食べる」でAが書いた詩を投稿します。

不可抗力

呼吸を止めて
食うことから解放される
までは
切れ味のいい刃物が必要だ
小気味よく
命あったものを刻み
刻まれた記憶を
刻む

記憶を刻むのではない
私が刻まれた記憶を刻む
そうしなければ
自己嫌悪で衰弱死

愛を知ってしまったように
いや
永遠に知ることがないように
いや
身辺に愛など無いように
刻むのだ
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季題「踊」

2019-08-27 18:13:35 | 文学
先日のNHK俳句「俳句さく咲く!」の兼題は「踊」でした。特選に選ばれたのは次の作品。
節榑(ふしくれ)の十指をかざす踊りかな 金野喜久枝
踊り手の指が節榑立っているのが、いわゆる盆踊りのイメージを覆していて見事ですね。
「踊」は盆踊りのことで秋の季語です。しかし盆踊り以外のシーンを思い浮かばせる「踊」の名句も。
づかづかと来て踊子にささやける 高野素十
登場人物の性別は明確にしていませんが、踊り子は女性で「づかづかと」やってきたのは男性だと思わせます。
すると、場所は盆踊り会場ではなくキャバレーかストリップ小屋のような感じもしてきます。
読み手それぞれがさまざまな場所にイメージを飛ばすことのできる不思議な句です。

森戸の浜の盆踊りに吟行した時のAの句を下に記します。
踊りの輪に君の横顔森戸浜
振り付けのフラに似通ふ葉山音頭
踊り子にリードからまり又ほどけ
いつの間に亡霊の輪に踊りをり
鳴き砂の脛に貼り付き盆の月
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自由題「テリトリー」

2019-08-25 20:56:35 | オリジナル
Aが自由題で書いた詩を投稿します。

テリトリー

わたし一人の空間
壁があればいいから
塀は建てなかった
仕切りの少ない壁の内側で
なにかに依存して過ごす
たとえばその対象が
詩であるとしたら
少し哀しさがある

塀がないからといって
テリトリーに侵入していい
という訳ではないのだが
庭に出たわたしを見つけて
向かいの家の主がやってくる
道と敷地の境界を明確にするため
塀を造ってください と言う

塀がなければ
敷地の出入でぶつからずに済むが
透明の塀に意思が衝突する
柱の角に足の小指をぶつけたように
痛い、痛い を連呼する

人生のどこを歩いていても 
わたしは 脇にあるなにかに
やたらとぶつかるのだ
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納涼会&次回

2019-08-23 20:47:02 | 文学
今日は湘南文芸合評会の後、納涼食事会をしました。

魚民個室でカラオケしつつ、次の日程とテーマを決定。
次回は自由題又は「食べる」で、9月17日までに作品を提出してください。
合評会は9月20日14:00~@逗子市民交流センター1階です。
よろしくお願いします。
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シュールレアリスト瀧口修造

2019-08-22 14:52:10 | 日記
8月7・21日は葉山美術講座へ。この講座は、近代美術の専門テーマについて少し上級者向けの奥深い内容を、神奈川県立近代美術館葉山の学芸員が話すもの。昨年度からスタートしたのだそうです。

県近美葉山の講堂、この講座で初めて入りました。
今回の2回連続講座のテーマは「瀧口修造 旅する眼差し」。1度目はヨーロッパへ、2度目はアメリカへ。この2回の旅がどんなもので、シュールレアリストとしての彼に何をもたらしたのか、という話を聞きました。
旅その1は1958年5~10月(55歳)のイタリア・フランス・スペイン・ベルギー・オランダ・スイスへの旅。ヴェネツィア・ビエンナーレ日本代表兼審査員として渡欧。6月下旬からは私的な旅になり、8月スペインでダリとデュシャンに、パリでミショーに、10月パリでブルトンに会います。
旅その2は1973年フィラデルフィア。デュシャン回顧展開会式に招かれ一旦は欠席の連絡をしたのですが「ふと普段着のままでその時刻に姿を現してみようかという突飛な考えが浮んで」渡米したのだとか。ここでデュシャン夫人と再会。
帰国後、フィラデルフィア滞在にまつわるメモなどをコラージュした私製草紙「扉に鳥影」を制作します。
その複製が挟み込まれだ「ユリイカ」1977年8月号が、受講者に回覧されました。
幅広いカルチャーのワンテーマ特集を中心にした今の「ユリイカ」と違って、この時代は1号が詩と詩論で埋め尽くされていて、他のページも全て読みたいくらいでした。
詩人として気になっていた瀧口の人生や美術評論家としての活動を知り、とても真面目に前衛した人だったのだと感じました。
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自由題「古い川を知っている」

2019-08-21 02:19:59 | オリジナル
Cが自由題で書いた詩を投稿します。

古い川を知っている
     ―谺雄二さんへ

臆病な こころは
ただ こわくなりました。 

心は
ちがって あたりまえなのに、

「間違いは 許せない。」
正義漢たちが 世間を
牛耳っているらしい。

そんな日に、
あなたの 本を読みました。

それから あなたが
よく読んだという 詩人の
詩も読みました。

 わたしは、たくさんの川を知っている。
 人間の体をながれる血より古い川を。
 それで、わたしのたましいも、
 川のようにふかくなったのだ。
               ラングストン・ヒューズ「川のうた」より 

川を
密かに おもいました。

少しだけ
こわく なくなりました。
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潮の詩パート6

2019-08-20 13:46:55 | オリジナル
共通テーマ「潮」でZが書いた詩を投稿します。写真もZ撮影。芦ノ湖西岸のイヌトウバナです。



不意にやってきた 
波頭が鋭く尖った波高く鋭い波 
積もり積もってきた 
驕り恐れ 涙 大波 小波 
それらが共鳴しあって 向かってきた 
身をかがめ やり過ごそうとしたが 
やはり揉まれに揉まれ 
最後は諦めという浮き袋で 浮かび上がった 
今は辛うじて凪の潮に漂っているが 
さざ波が又共鳴しあって来るだろう 
その時は なにを浮き袋にすればよいのだろう⁉️ 
凪の潮の空は 
だだ広い青空が 広がっている 


潮の詩の合評会は8月23日(金)15:00~です。いつもと開始時刻が違うのでご注意ください。
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自由題「ごみ箱」

2019-08-19 22:33:29 | オリジナル
Aが自由題で書いた詩を投稿します。

ごみ箱

実家に行くたびに
父親に関する愚痴を聞かされた
――酔って転んで帰ってきて
ズボンが泥だらけで破けていて
みっともないったらありゃしない――
わたしは母親のごみ捨て場だった

ウイルス性の風邪で寝込んだとき
夫は不思議そうな顔で訊いた
――なぜ吐いたものを始末してくれるの?――
――病めるときも愛すと誓ったからだよ――
にっこり返事したわたしなのに
彼が心を病んだとき耐えられず捨てた

海水浴場近くの道で
ごみを拾ったので
捨てに行ったら
海岸のごみ箱は撤去されていた
両手にごみを持って
胸の箱にとある教訓を受けた
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