湘南文芸TAK

逗子でフツーに暮らし詩を書いています。オリジナルの詩と地域と文学についてほぼ毎日アップ。現代詩を書くメンバー募集中。

長嶋屋うさぎ菓子がテレビに

2014-11-30 18:02:04 | グルメ

文豪泉鏡花もここのお饅頭が好きでした。逗子銀座通りの老舗和菓子店長嶋屋さん。鏡花がうさぎグッズを集めていたのにちなんで、うさぎの形をしたお菓子をいろいろ作っています。明日12月1日(月)9:55~10:30テレビ朝日で放送される「若大将のゆうゆう散歩」に登場しますよ。

11月27~28日の逗子チケット祭でも好評だった最中・サブレ・乳菓の幸うさぎセットをオンエアを機に正式に販売するそうです。
 お店ののれんもうさぎ柄

もうひとつ明日12月1日(月)から開催の展覧会のお知らせ。

Tの版画が展示されます。鎌倉長谷にもゆうゆう散歩の足を伸ばしてみては?
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町並は松並

2014-11-29 18:28:39 | 湘南
逗子文化の会や逗葉文芸北斗七星で活躍された及川洋一さんが、昨日お亡くなりになりました。
及川さんは逗子の自然・景観・人間関係がこれ以上失われないようにと心を砕き、市内で積極的に活動されました。
明るく楽しくおしゃべりをして有言実行でどんどん動く方でした。
 
及川さんが大切に保管整理していた昔の逗子の写真アルバムから。彼の筆跡も偲んで。

逗子の景観まちづくり瓦版第1号に掲載された彼のコラムを、下記に転載します。
私のすきな景観「町並は松並」
 半世紀前の逗子海岸周辺には十メートルを越す雄大な松の群生があちこちにあった。あまり手入れをしているとは思えない防風林の松である。その後開発が進み、雄姿はほとんど見られなくなった。
 景観とは、人の視覚に訴えるところが多いと思うが、五感で感じる景観はもっといい。
  勇壮な松林や松並木を見る。風が自然のリズムで身体に当たる。枝々が揺れ、ハモって音を為す。松籟である。
  潮の薫りが枝を伝わって鼻を突く。台風の前後の風の強い日などは、特に風情がある。
 その名残をわずかでも留めている景観が好きである。
 本通りから海岸中央通りへと進み、東郷橋を渡り、右側の袂の細道に入り、開成高校方向に向かう途中の景観。K氏邸と向かいのT氏邸の松がほんのわずかなトンネルを作る。天気のいい日は雀の群れの鳴く声が響く。
 松の下には、潮風から家を護る為に造られたのであろうボサ垣、松を残す為に一部削ったコンクリート塀が在る。屋敷を造った先達の心も伝わってくる。

ご冥福をお祈りいたします。
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歌がテーマの詩

2014-11-28 17:49:51 | 
 今日行われていた小坪潮騒まつり
「歌・歌う」をテーマにした11月の競作と合評会は終わりましたが、もっと追求できたのではないかと考えてしまいます。
言霊によって相手の魂を「打つ」が語源という説もあり、詩にも深く通じているからです。
子守歌をテーマに据える手もあったと、後で気づきました。でもこんな深い詩をしのぐものは書けないなぁ

         新川和江
       森の奥では死んだ子が
        蛍のように蹲んでる――中原中也

生きている子どもたちを
光のなかで跳ねさせているのは
闇のなかの
死んだ子どもたちです

生きている子どもたちを
ベッドの上でむずからせているのは
つめたい川を流れてゆく
生れなかった子どもたちです

生きている子どもたちの
目方をふやし 背丈をのばしてゆくのは
死んだ子どもや 生れなかった子どもたちが
使わずにたくわえている月日です

おやすみ
おやすみ
おかあさんは子守歌をうたう
世界じゅうの 屋根の下で

目に見える子どもも 見えない子どもたちも
同じ腕に 抱き寄せて
どんなちいさな耳にもとどく
優しい声で
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ロックな詩あるいはイヤポエ

2014-11-27 00:29:29 | 

ゴスペルの歌声。右端の男性はなんとボイスパーカッションで参加しているのだ。24日のZUSHIチャペル音楽祭で。

11月の歌をテーマにした競作詩の合評会報告最終回はAの作品について。
K 「スワンソング」と「ジングル」の意味が分かりませんでした。
A スワンソングは白鳥の歌。白鳥は死の間際に最高に美しく歌うといわれています。転じて最期に成し遂げることを意味する場合もあります。究極のロックバンド、レッド・ツェッペリンのレコードレーベルがスワンソングだったので、ずっと頭の中にありました。
ジョン・ボーナムがメンバーとパーティー中にアルコールを飲み過ぎ吐しゃ物を喉に詰まらせて亡くなったことでツェッペリンは解散してしまいました。彼がバンドのキーともいえるかけがえのないドラマーだったから。後に再結成できたのは、ジョン・ボーナムの息子がすばらしいドラマ―に成長して父の血を継ぎ跡を継いで立派に穴を埋めてくれたからなのでした。
あ、話が大幅にそれましたね。大学時代に初めて文章を載せてもらったメジャー誌が「ロッキング・オン」だったもので。往年のロック少女の血が騒いでしまいました
ジングルはコマーシャルや番組で使われる短いメロディのことです。商業主義社会への皮肉として使いました。
T スワンソングが歌えないという結末が可哀そうで、余韻があってよかったです。詩全体にAの怒りが内在していますね。歌をこんなにネガティブに捉える人がいるんだなという意外性がありました。
A でしょ!? みんな歌をいいものとして表現するだろうと思ったから裏をかいたのだ。読後感の悪いミステリー「イヤミス」が流行ってるから私はイヤポエ(ネガティブ・ポエトリー)で。
T 生い立ちのトラウマが今では癒えているのだけれど、絵を描くときにはかさぶたを剥がすようにして過去の傷を眺めそれを表現する友人がいます。あえて血をにじませるようなことをするのは痛々しいと思っていましたが、厭なことを見つめるのも創作のひとつの方法なのだと納得できました。
A あー、私も小説を書くときは必ずといっていいほど実家との軋轢を入れてます。おっと、また話がそれました。
K 舞台を観ているような別の域みたいなものを感じました。
T 感性が若い! 18歳ぐらい。
A 18じゃ飲酒ができないから20歳にしといてください。
出た! 自称永遠のハタチAの口癖

マネーソングとクラクション (再録)

季節ごとに恋や愛や友情や勇気を
次々に消費させるポピュラー音楽ビジネス
メーカー、ブランド、商品を音符で飾って
生活者の耳に売り込む大衆広告ビジネス

僕もビジネスをしに行くのさ
僕を標的に意地悪く鳴り響く
クラクションがきっかけで
会社に向かう意欲を投げ捨てないように
歩行のピッチをリズミカルに上げると
足音のリズムとぴったり合って
脳内で鳴り出す短いコマーシャルソング
ジングル使えばあなたもジングル♪
ジングル買ってジングル当てよう♪
必要ない、必要ない
そんな商品買いたくないよ

いらない歌ばかりが奏でられる
本当に聴きたい歌は聞こえない
いつの間にか始まって
いつになってもやまない呪い歌が
鼓膜の奥でリフレインしまくる
音階のループに囚われて
僕は卒倒して車にひかれて消滅しそう 
スワンソングも歌わずに
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11月のTの作品合評

2014-11-26 03:47:46 | オリジナル
歌というテーマでTは森田童子をモチーフに創作しました。
T 森田童子が好きで、落ち込んだ時に聴きます。
K テーマが難しいから植物のエピソードや昔の歌を出しているの?
T いえ、この詩の世界観を強めるためです。その意図を伝えるため、タイトルは森田童子を聴くのが心に水分を補給する秘訣だという意味であることを理解できるように、提出後に本文を改めました。ラスト2行はいらないかと思ったのですが、カットするのではなくそこも直してみました。
A うん、ラストの「バルーン」は独自性が光る比喩で詩の幅を広げるから、あった方がいいと思います。
…ということで「秘訣」改訂版をご紹介します。全くの再録ではないのでオリジナルカテゴリーに入れます。
 
Tの版画が見られる作品展「木版画二人展」が12月1~7日に鎌倉の長谷和遊庵で開催されます
時間は11~16時 *12月3日(水)は休み

秘訣
乾涸びていく心を潤す術がある
学生から社会に出ていく短い間の揺れる想いを綴った詩を
健気に幾分掠れた高音で
語りかけるように歌う森田童子の歌を聴くこと
細胞はすっかり二十代

不安の中 知らないということを武器に
必死に頑張ろうと
おぼつかない足どりで歩き始めた
失敗し 失恋し それでも
光合成をする植物のように伸びていった

今 水分の供給をストップし始めた心
その後に来る 黄金色の時を迎えるためと分かっていても 
なお 滴るような緑が欲しい
いくつか残っている まだ閉じていない細い管を
膨らませ拡げるバルーンだ あの歌は


ぼくを見かけませんでしたか  森田童子

海へ行くには どう行くのですか 
それから ぼくは どう生きるんですか

いつか 来た道 通りぬけて 
ぼくは 青春の 終わりを さまよう
立ち止まると 暗い向こうに 海の音が聞こえる

ゆきかう電車の 窓越しに 
真新しい セビロの ぼくを 見かけませんでしたか

―風に 一面にひろがる麦畑が 波のようにうねって 
 まるで 海のようです
 ぼくは いまひとり 北上川のほとり 旅の途上にいる―

なくしたものは なんですか 
目覚めた朝に 何を 想うんですか
から松林 ぬけて 風の音 遠く 
ぼくの迷える 旅の終わりに
人ごみに 大人になれない ぼくがいる

ゆきかう電車の 窓越しに 
真新しい セビロの ぼくを 見かけませんでしたか 
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自作愛

2014-11-25 15:47:45 | 
 
↑ZAF2014の一環として休日の逗子海岸で開催されていた絵画展、フィーリングネイチャー展

さて「歌・歌う」をテーマにした11月の詩合評会(昨日の投稿をご参照ください)では、作者Kと他のメンバーとの間でこんな丁々発止のやりとりがありました。

T なぜ人は歌うのかについて自分なりの結論を導き出してほしかったです。
K 結論が必要とは思いません。なぜ人は歌うのかについて精一杯考え昇華できたと自負しています。正直な自分の気持ちが書けました。
A 平板な印象があるので、結論までいかなくても、もうちょっと構成に流れがあると更にいいなと思いました。
K 平坦で嘘のない一枚岩の詩なんです。時間をかけて推敲し詩がきれいに流れる言葉を探して書き直した部分もあって、自分としては完璧。
例えば4行目の「いつから」は最後の最後に見つけた言葉です。
A 7行目の「プラスα」は、言い換えることを考えませんでしたか?
K 「心の機微」とかいろいろ考えた末、ベストと判断した言葉です。
A 具象も入れた方がいいので「ある国の村」を実在でも架空でもいいから固有名詞にしたらどうでしょう。
K テレビで見た中国の村の実話ですが「ある国の村」にした方がイメージが広がると判断しました。
T 部品を加えたり差し替えたりする作業よりも、内容を濃くすることを考えた方がよかったのでは? 問いで終わって自己完結するのは違うと思います。読者をハッとさせる着眼点も必要。
K 私は、人はなぜ歌うのか今でも疑問に思っているから、今の私を正直に出せたと思っています。
A 同じ疑問文でサンドする形が気になるから、最後の疑問に導く流れを作るために出だしの疑問文を外したら? 
T 最後に答えが見えた方が結びが締まると思うけど。
K 敢えて疑問形で終わることで終始一貫させているのです。自分としてはそこが好きな箇所でもあります。
A 前回テーマを部分的に取り入れただけだった反省から、今回はテーマに忠実になり過ぎたのでは?
K この詩はこれ以上発展させたくないです。大きく展開させるには全然違う自分にならないといけないから。これ以上どうにも変更できません。
A かけた時間がそのまま価値になるとは限りませんが、いろいろ考えた末に完成したことはよく分かりました。比喩やユニークな表現で読者に想像や思考をさせること、具象から抽象への振れ幅などが求められる現代詩ではないんですね。形式の整った詩歌、昭和のポエム、あるいは「今の自分の素直な気持ちを書きなさい」と指導された小学生のよくできた詩というジャンルに入ると思います。
K うん、そういうジャンルですね。ようやく結論が出た~

歌う(再録)
人は 何故 歌を歌う
多くは楽しそうに
辛い時も また
いつから 人は歌を歌い始めたのだろう
小鳥のさえずりを 真似たのだろうか
遠くへ 遠くへ 想いよ とどけ と
話すだけでは伝わらない プラスα 
ある国の村では 
恋は歌って伝えるものという
男も 女も
歌うは 謎
人は 何故 歌を歌う


作者が時間をかけて生み出し、満足し、愛している詩だと理解してから読むと味わいが違いますね。
コメント (1)
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合評会後にキルト展とチャペル音楽祭

2014-11-24 17:57:44 | イベント
今日は市民交流センターで11月の詩の合評会を開きました。
向かいの逗子文化プラザギャラリーで第5回キルトハウス940作品展をやっていたので合評会終了後に鑑賞。

どんなふうに針を刺すんですか?と伺ったら、実演を見せてくれました。

ひとつの型紙で作るワンパッチキルトの大作ありハワイアンキルトの小物ありのキルトの世界。明日11月25日(火)17時までやってます。
その後カトリック逗子教会に移動してZUSHIチャペル音楽祭を鑑賞。
 ZAF2014ラストのイベントでした。
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トーベ・ヤンソン展@横浜そごう

2014-11-23 02:25:33 | イベント
11月30日まで横浜のそごう美術館で開かれている「生誕100年 トーベ・ヤンソン展~ムーミンと生きる~」を見てきました。
そう、トーベ・ヤンソンは今年生誕100周年なのです(8月9日ムーミンの日の投稿をご参照ください)。

展覧会場に再現されたクルーヴ島の家。トーベは夏の間、こんな室内でムーミンを描き、ムーミン谷のお話を書いていたんですね。3歳年下の同性パートナー、トゥーリッキ・ピエティラと暮していたそうです。クルーヴ島の模型も展示されていました。再現室内と模型だけは撮影可でした

この島と周辺の海全部が2人だけのものってことですよね。自由に過ごせそうだし、創作に集中できそう。
この展覧会は北海道・新潟・北九州・大阪と、この後巡回します(NHKの日曜美術館みたいキャッ)。 
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描く

2014-11-22 00:24:59 | オリジナル
 昨日まで開催されていた第64回逗子市文化祭。
恒例プログラムの美術展は出品総数201点という市民アートの祭典。
 TがEBアートを2点出品。
EBアートとは石膏材質の基板に絵を描いた上に樹脂をかけて紫外線で固めるアートクラフトです。
上の写真の向かって左端はTが描いた綾野剛の肖像。その隣がKの少女時代をイメージしてTが描いた作品。

綾野剛をチラ見する少女K
冗談はさておき、絵画・版画・小説・詩と守備範囲の広いTの「絵」という詩をご紹介します。

あなたの光源は奥深い所にあり
内側から強烈な光を放つ
フレアは絶え間なく起こり
磁気嵐で発生するオーロラ
それがあなたの絵
色は刻々と変わり
何層にまじりながら
不思議な透明度を増す
そこから吹いてくる風が頬をなでていく
その中に
あなたの核の一途さが秘んでいる
夜空をよぎる星のような光芒
それらに気づく時
あなたの絵の
ふるえる波動が伝わってくる
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心と言葉

2014-11-21 15:01:17 | 
詩人・以倉紘平の「心と言葉」を読了。書名はこの本の中に出てくる藤原定家の記述から付けられたみたいです。
所詮、心と詞とをかねたらむをよき歌とは申すべし
ただ単に主観的な思いを述べるだけでも、単に技巧的・抽象的・前衛的な詩篇を書くのでもなく、物に託して心情を効果的に描くべきという考えが、繰り返し展開されています。詩を書く時のひとつの指針にしたいと思います。
その寄物陳思の詩の典型例として、安西均「買物帰り」が引用されています。

スーパーマーケットの前に、
ベビーカーが停めてある。
近づくと、色白の赤ん坊が、おとなしく
納まってゐて、ほほゑみかける。
こんな柔らかい宝物のようなものを、
無造作に道端に置いてよいものだろうか。
さう言ひたくなる感じで、少し斜め向きに据えてある。
赤ん坊の頬が、夕焼けにほんのり染まってゐる。
〈若い母親は、本当はもう店内には居ないのだ〉
ふと、確信めいた空想をしながら、自動ドアの前に立つ。

熱湯をかけるだけですむ、安手な食品を
多く買込んで、近道の路地に入る。
どこかで、子供が折檻されて泣き叫んでゐる。
〈もし、わたしが代りに謝って許されるものなら〉
さう思ひながら、路地を曲る。何たる恥しいことを!
いま、わたしの頬こそが夕焼け色をしてゐるに違ひない。

ジャングルジムに鴉が一羽
とまってゐるだけの、狭い児童遊園地を抜ける。
〈危いなあ。あそこに落ちてる夕焼けの欠けらは〉
それを砂場のそばで拾って、ポケットに仕舞ふ。
ただ、その小さな危険物を報せるために、
わざわざ力いっぱい燃えてゐる大きな空。
掌の上では、無色透明なガラス瓶の欠けらなのに。


ただの技巧ではない、心をガラス瓶の欠けらというモノに託す超絶技巧の詩ですね。
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