中村明「日本語の勘」から昨日引用した「14 比喩」の章の次の「15 象徴」にはこんなことが書いてありました。
葉山の堀口大學宅を訪ねてインタビューしたある日、詩にとって比喩は大事な表現手段だと思うが、一般に若いころの作品に多いような気がすると言い、堀口さんの詩風の移り変わりの中ではどんな傾向だったかと尋ねた。すると、自分はこのごろ、詩から「ごとく」とか「ように」とかというのを追い出しているという。「馬が牛のように」「花は蝶のように」とすると易しすぎて、せっかくの一行が命をなくすかららしい。詩のことばはもっと尊い、これ以上ねじを巻いたら切れちまうところまで張りつめなくてはならないのだ(後略)
散文はツルツル―ッとストレスなく読める方がいいけれど、現代詩はピーンと張りつめキリッと書きたいものです。
森戸神社で