湘南文芸TAK

逗子でフツーに暮らし詩を書いています。オリジナルの詩と地域と文学についてほぼ毎日アップ。現代詩を書くメンバー募集中。

曲がるの詩パート2

2020-05-31 13:36:46 | オリジナル
共通テーマ「曲がる」でAが書いた詩を投稿します。

屈曲

抗う そして曲がる
衝突の生むジグザグの
鋭角部分で君と逢う
うつろな寿ぎから
みじかい蜜月へ
見えない堰が生じ
互いの姿は小さくなる

流れは蛇のよう
秘密を秘密のままで呑む
生命に命はない
光など見てどうするのだ
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曲がるの詩パート1

2020-05-29 17:11:53 | オリジナル
新しい共通テーマ「曲がる」でEが書いた詩を投稿します。

曲り角

小学校入学当時わたしは
いたってぼんやりした子どもでしたね
毎朝 朝礼があって
校長が訓示をする
からだひとつ大きい上級の級長の一部始終を
ただ目を見張ってながめている
教室でのことなど一切記憶にない

戦禍がひどくなって田舎へ疎開した
そこで担任の女先生から
町の子はちがう と
意外に評価される
もしかすると私はできるのかもと
はじめて気がつく

どうやらそれが私の曲り角
教師のなにげない一言がなければ
自信など持ちようもなく
スタートを切れなかったかもしれない

入学前 父親が足し算を教えようとした
 2タス3ハ ときかれたのだが
足すという意味も
2と3が何なのかもわからない
しかたなくだまっている
強いてきかれると
泣きだすか 3とか2と答える
学習は雲の中のとまどい
でしたね
 
 (注)数には基数と序数の別がある。
   それがとんと分かっていなかったようなのだ。
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5月のメール句会結果

2020-05-28 21:35:11 | 文学
湘南句会は今月もメール&郵便で行いました。兼題は「端午」と「生ビール」でした。結果を発表します。
4点
離れ住む電話の父も菖蒲風呂
紙兜の下の古傷端午かな

3点
感染症伝える記事ある兜かな
2点
まなかいにひとり子かかる端午かな 
団欒無き地ビールの香に独リ酔い

1点
上高地吹雪の開山鯉のぼり
我にもあり端午ののぼり高きこと 
生ビール両手で六個運びくる 
海に夏ジョッキに泡の溢れけり 
まず生中酔えばますます声高し
マスク取り生ビールの泡髭になり 


会の後、フレッシュネスバーガー(現レモン)で乾杯したこともありました。
6月は顔を合わせてやりたいと思いますが、打ち上げは「新しい生活様式」でやらないとね。
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夏の雑草俳句

2020-05-26 23:19:10 | 文学
密を避けて逗子の自然の中を歩いた宣言解除までの期間に、今までどれだけ野の草花に注意を払わなかったかを反省しました。
雑草の季語を使った池田澄子さんの俳句をお手本にしようと思います。
言う前にひらく唇すべりひゆ
蛇苺いつも葉っぱを見忘れる

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おうち俳句王国

2020-05-25 10:38:26 | 文学
おうちですっかりテレビっ子。
昨日はNHKで俳句咲くさく!の他に俳句王国がゆく特別編も視聴。
番組中で夏井先生が作句のコツを教えてくれました。
★二つの目をもつ・・・俯瞰して大きく広く遠くを見る鳥の目と、気になるものをアップで観察する虫の目
★五感をフルに活用・・・見る・聴く・嗅ぐ・触れる・食べる
あと夏井先生のアドバイスで、改めて心に刻んだのは情報の重複を避けるってこと。

私も自粛をテーマに「家での発見!句」をひねってみました。
冷蔵庫在庫の酒切れ外出す
夏の季語「冷蔵庫」を使ってるけど、これじゃ川柳ですね。先生のバックに並ぶ美味しそうな飲み物につい心を奪われてしまって…
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ようやく咲くさく!

2020-05-24 09:47:30 | 文学
初心者向NHK俳句「俳句咲くさく!」今年度版が、リモート収録の形でようやく始まりました。櫂未知子先生復活!

上五になるべく「に」を使わないように ということで添削された櫻井紗季さんの句。
日の暮に色濃くなりて花菜かな  ゆふぐれや色濃くなりて花菜風
助詞「に」でTPO(時・場所・場合)の説明をしてしまい、一句がダラダラっとしてしまうのを避けるには、間に切れを作ればいいんですよね。
もったいない句(次点)になった紗季さんの句に入った 一句の中で主語(主役)が入れ替わらないように という指導も、かなり肝に銘じないとすぐ陥っちゃう過ちです。
竿上げて頭上越えゆく鰹かな  たかだかと頭上越えゆく鰹かな
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合評会は6月に

2020-05-22 13:00:59 | 文学
5月25日に予定していた今月の湘南文芸合評会は、6月初旬に延期します。
6月からは市民交流センターが使えるようになると思うので、来月初旬に5月分の合評会、下旬に6月分の合評会をする予定です。
日時は追って、各自にお知らせします。
「密」「自由」の詩は今日で締め切り、新しいテーマを決めました。「封」「曲がる」です。
新テーマ「封」「曲がる」又は自由題の詩の締切は6月24日です。
会って話し合えるのを楽しみに、もうちょっとの間ステイホームで創作だ!
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密の詩パート9

2020-05-21 21:19:08 | オリジナル
共通テーマ「密」でSが書いた詩を投稿します。

来訪者
ドアをあけると
自称他称の
「神」やら「学者」が
マスクをつけて立っている
「エーとエーと」と口ごもってみせるが
じょう舌だ
足のないのや羽のはえたのや
見知った顔もいて
わたしはただひたすら
来訪者たちを
理解しようと努めた
「3密」と書かれた
安っぽいパンフレットを手渡され
人間 犬 馬のどれかにマルをつけろという
共同生活のために重要なことらしい
これにはどんでん返しがあるのかないのか
たずねたが返事はなかった
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密の詩パート8

2020-05-20 14:05:52 | オリジナル
共通テーマ「密」でZが書いた詩を投稿します。ナワシロイチゴの写真もZの撮影です。

密から遠く離れて         
黒羊として生まれた俺は 
腐ったリンゴを食べて育った 
酸っぱい匂いが満ちている 
密の中で暮らしてきたが 
余りに息が苦しくなり 
外の世界に逃げ出した 
食う為に入った密の中では 
尖った罵声に取り囲まれ 
唇噛んで耐えてはみたが 
とどのつまりは 
走りに走って逃げた 
密なき先の世界では 
冷気と熱気に体を貫かれ 
尖った苦痛 腐った欲望に
俺の希望は砕かれた 
俺はこの頃感じ始めた 
苦痛 希望もないまま 
ぬかるんだ地に 
俺自身が溶け込んでいくのを  
それでも俺は後悔しない 
密の中の安逸な生活より 
遥かに今の暮らしの方が 
ましだと確認するから
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密の詩パート7

2020-05-19 15:41:56 | オリジナル
共通テーマ「密」でAが書いた詩を投稿します。



雨が上がって鳥が騒ぎ出す
―爺爺ジイッ―
―父父チチッ―
もう死にました
―罪罪罪ッ密―
些細な罪は重ねたけれど
―人喰う人喰う取って喰う―
誰も殺しちゃいませんよ

―渋い渋い渋いッ―
―寂し寂しーッ―
まあそんな人生かな
―虚虚虚虚キョッ―
嘘です

―People Pray―
―Peace Peace Peace―
森の平和を祈るから
もう嘴閉じて羽閉じて
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