修善寺といえば修善寺の大患。夏目漱石はずっと悩まされていた胃病の転地療養のため、修善寺温泉菊屋旅館に滞在中、明治43年8月24日に800グラムの大吐血。一時人事不省に陥りました。
この出来事が後の人生観や創作に影響を与えたといわれています。
快方に向かっていた9月29日に病床で書いた五言絶句が刻まれた詩碑が、修善寺自然公園もみじ林にありました。
仰臥人如唖 黙然看大空 大空雲不動 終日杳相同
(仰臥して人唖の如く、黙然として大空を看る。大空は雲動かず、終日杳として相同じ)
――という「修善寺日記」の一部を自筆したものが刻まれています。
帰京後朝日新聞に連載した「思い出す事など」にも、この時のことが書かれています。
↓現在の菊屋本館。
むちゃくちゃ立派な旅館です。私はもっと庶民的なホテルに泊まりました
漱石が滞在していた旧本館2階部分は修善寺虹の郷に移築され、夏目漱石記念館として公開されています。