湘南文芸TAK

逗子でフツーに暮らし詩を書いています。オリジナルの詩と地域と文学についてほぼ毎日アップ。現代詩を書くメンバー募集中。

師走俳句と正月俳句

2018-12-31 16:14:29 | 文学
 準備万端
12月の湘南句会では、師走と正月に関する例句を研究しました。
師走例句
買物の好きな女に師走来る 星野立子
のぼりつめて師走満月葱もて指す 寺田京子
運河師走向きあひて船の屋根洗ふ 加藤楸邨
がんがんと鉄骨のびる師走かな 高柳重信
ゆく年のバスはもう行つてしまつた 角川春樹

正月例句
子規うさぎ虚子いぬ年や年巡る 矢島渚男
はつそらのたまたま月をのこしける 久保田万太郎
死てふこと思ひ思はず初日記 富安風生
初夢のなかをどんなに走つたやら 飯島晴子
初夢やひょいと出来たる逆上り 国江栄子

年末年始にどんな新しい句が生まれるかな? 
良いお年をお迎えください。
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室生犀星馬込東の家

2018-12-30 21:42:56 | 旅行
今日も馬込ポタリング記。
犀星は家を建てるため、早速土地さがしをはじめ、馬込東三丁目七六三の蕪畑を百五十坪借りた。うしろは禅刹万福寺、前は藪地であった。ここらは字名を久保といった。ここなら土地は高いし、空気も澄み、子どもたちの健康にはもってこいの場所に思えた。近くに小林古径のアトリエがあり、放しがいにした孔雀がクウクウと鳴くのが、のどかな田園の気分を深めていた。(近藤富枝「馬込文学地図」より)
室生犀星が昭和7年に新築移転した場所を捜してみると、そこには赤っぽい外壁のマンションが建っていました。

↓マンション前に建てられた案内板。

近くの万福寺には、室生家の広い庭にあった庭石を使った句碑が、2基設置されています。


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逗子老龍庵扁額

2018-12-29 22:05:43 | 旅行
明治29年、徳富蘇峰は逗子に両親のための別荘「老龍庵」を建てました。
その名前を書いた額が、先日訪れた大田区立山王草堂記念館「蘇峰と勝海舟」コーナーに展示されていました。

交流のあった勝海舟に頼んで書いてもらったのだとか。真中にある扁額がそれです。達筆すぎてよくよく見ないと読めないっす。

勝海舟の他にも錚々たる知己の書や書簡が展示されています。
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年末プレバト

2018-12-28 21:48:23 | 文学
昨日オンエアのプレバト!!は、兼題「年末の満員電車」で特待生による冬麗選予選会でした。
予選通過の4人は、直しなしでした。その作品は次の通り。 
予選通過1位 中田喜子 連覇のさきぶれ沸き立つ初電車
予選通過2位 ミッツ・マングローブ 吊り革の師走遠心力に耐え
予選通過3位 千原ジュニア ヘビメタの担ぐギターと破魔矢かな
予選通過4位 キスマイ千賀健永 犬ひとり霞が関は大晦日

来年の本選が楽しみですね。
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徳富蘇峰と尾崎士郎

2018-12-27 17:49:32 | 旅行
都内ポタリングで大田区立の2つの記念館に行きました。どちらも旧居跡に建っています。

山王草堂とは徳富蘇峰が大正時代に大森に建てた家のこと。蘇峰公園内の山王草堂記念館の中に、草堂の二階部分がすっぽり収まり保存されています。
徳富蘇峰と尾崎士郎は、昭和初期の大森山王でご近所さんだったんですね。行くならハシゴせざるを得ないこの距離!

尾崎士郎記念館にはツーショット写真が展示されていました。

2人の年齢差は36歳。徳富蘇峰91歳、尾崎士郎55歳頃ということになりますね。
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憧の詩パート1

2018-12-25 08:58:07 | オリジナル
共通テーマ「憧」でTが書いた詩を投稿します。

あこがれ

闇に赤々と燃える炎
あこがれは人を足早にさせる
懸命に歩いて辿り着くと
次は自分が炎になって
さらに遠くをめざす

13歳で出会ったあこがれの女教師は
88歳
私は70歳になった
50年目に
彼女の花園に招待された
バラやスモークツリー デルヒィニュームの青まで咲いていた
  呼びたくても5人の介護が続き
  あなたが初めての私の招待客よ
それから7年
  あなたが一番古い友人になったわ
花々の中で彼女が言う
私は13歳の時のままだ
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市長選俳句

2018-12-24 12:07:56 | 文学
この3連休を境に逗子市長が交替。湘南句会メンバーが先日の市長選挙の時に詠んだ句を投稿します。

ポインセチア選挙事務所に独りおり
市長選はがゆくもある暮れの町
年の瀬の投票所混む雨上がり
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鳥の詩パート4

2018-12-23 00:02:12 | オリジナル
共通テーマ「鳥」でCが書いた詩を投稿します。

記  憶

BEAT GOES ON
慈悲を乞う 魂(ソウル)
BEAT GOES ON
意味を問う 梟(オウル)
月の影から 生まれた
白く透けてる コオロギ

BEAT GOES ON
慈悲を乞う 魂
BEAT GOES ON
意味を問う 梟
風と光を 集めて
丘に広がる アネモネ

BEAT GOES ON
慈悲を乞う 魂
BEAT GOES ON
意味を問う 梟
低い響きの 海鳴り
遠い星との 交歓

BEAT GOES ON
慈悲を乞う 魂
BEAT GOES ON
意味を問う 梟
水をたたえた 森には
日がな居眠り フクロウ

BEAT GOES ON
慈悲を乞う 魂
BEAT GOES ON
意味を問う 梟

       ソコニワタシハ イナイ
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鳥の詩パート3

2018-12-22 00:49:35 | オリジナル
共通テーマ「鳥」でAが書いた詩を投稿します。
 亀井戸橋
しんとする

ひとの輪郭は
居なくなった後
思いがけずあざやかに
立ち上がってくる

この世界の枝先に
一羽で止まっているあいだ
求愛のさえずりを
たくさん練習していたの
今度こそわたしの
言葉を受け取ってね

考察になっていない
手当たり次第の言葉
書き留めるための
うるさい独り言
書き言葉の音読
すべて白紙になっていく前に

鳥がねぐらに向かうように
群雲になって
霧雨になって
ほんの一瞬君に注ぐ
わたしが飛び立った後の枝は
少し揺れてから
しんとする
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眩の詩パート1

2018-12-21 06:51:35 | オリジナル
共通テーマ「眩」でEが書いた詩を投稿します。

目眩まし 

はなはだしく論理に欠けると
深刻に自省の結果
論理学の本に手をのばす
歯がたたない
入門書の入門書にたどりつき
ようよう読み通して
ハッとトン悟した

論理は下男僕(しもべ)の用具であった
力ある者は論理など
気にすらかけない
彼らはそもそも忖度する必要がない
論理学なんど
学べば学ぶほど
受身が身上と化し
はいつくばって窒息する

肝要なのは目眩まし
相手の弱みにつけ入って
無慈悲無残に
ドンと突き放す
それが無理なら
三百代言そのまゝに
白馬は馬にあらず とか
カラスは黒くない とか
なんでもいい
ありったけの詭弁を弄し
とことん相手を雲にまきこむ

夜の99.99%は
根っからのお人よし
いためつけられようが
だまされようが
悪いのは向う様ばかりではございません とか
当方にも実は少々過失がありまして とか
自虐の理屈をひねり出し
泣き寝いりしてくれますって

なになに
そんな不義不正はしたくないだって
いくら力んでも
司馬先生は二千年前に
死んじまって
ハクイ・シュクセイの名誉はえられない
第一ワラビでがまんしようなんて
弱虫の泣き言なんだ
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